女子高生の制服の下に隠されたモノを晒すなんて出来ません!?


「……桃花ももかちゃん、もし反省房はんせいぼう行きになったらどうなっちゃうの!?」


正美まさみちゃん、そんな恐ろしいこと考えだけでも身震いしちゃうよ。講堂の舞台の下にあって以前は奉安殿ほうあんでんと呼ばれていたらしいの、中は真っ暗で外から施錠されたらいくら叫んでも外には絶対に聞こえない。前に隣のクラスのが反省房行きになって次の日から学校へ来なくなったわ……」


 何なんだ、その恐ろしい罰則は……。今は令和だよ、昭和じゃないよね。

 渡り廊下の窓から見える講堂を見下ろして僕、大迫正美おおさこまさみは思わず身震いをした。



 *******



 ……何故こうなってしまったんだろう。


 一番恐れていたことが現実に起こってしまった。


「一年B組、三列に出席名簿順に並んで、隊列は崩さない!!」


 自分の後方に並ぶ康江ちゃんの様子を見る、彼女は顔を紙色のように白くしていた。朝の規律検査を不戦勝でクリアした気分でいたら足元からすくわれてしまった。


「全校生徒、壇上に注目!!」


 掛け声と共に壇上の緞帳が上がる、僕たちのクラス一年B組をふくめ全校生徒が

 講堂に緊急招集された、一体何が始まるんだ……。


「生徒会長、今宮美鈴いまみやみすゞ 登壇!!」


 アナウンスと共に、広い舞台の壇上に上がる一人の女生徒は、

 聖胸女子高等学校生徒会長、今宮美鈴その人だ。

 まとっているオーラが全然違う、一瞬でその場の空気が変わった。


「わが聖胸女子高等学校の皆様、本日はお忙しい中ご列席頂き誠にありがとうございます。本来なら勉学に勤しむ貴重な時間をいたことを心よりお詫び致します」


 生徒会長が静かに語り始める、普通の全校集会なら安心だ。

 僕はほっ、と安堵の胸を撫で下ろした。


「昨今の社会情勢は目まぐるしく変化をしており、我々女子学生もそれは例外ではなく日々不安を抱えています、皆様から寄せられた生徒会へのご意見も世相を反映し例年になく深刻なご相談も数多く散見されます……」


 生徒会長の柔らかな口調は子守歌のように心地よい、いつまでも聞いていたくなるな。


「一昨日、私が通学路で見かけた風景をお話しします……」


 あれっ!? 急に話題が急に変わった。


「我が、聖胸女子高等学校生徒たるもの、貞淑であれ恥を知りなさいと言うのは今更説明は不要でしょうが、最近それが守られていないことをとても悲しく思います。その乱れは残念なことに我が校の通学路でも多く見受けられました……。華美かんびなアクセサリー、携帯電話、異性との無用な接触、それらは今の私たちに本当に必要なことでしょうか?」


 生徒会長の穏やかな表情の影に深い怒りが滲み出ているのか色濃く感じ取れた。


「なぜ数年の我慢が何故出来ないのでしょうか!? 私は怒りを越えて悲しさを感じました。生徒会長の私があまり出過ぎたことは言いたくないのですが先生方に任せきりでは当校はこのままでは滅んでしまいます、横暴と言われても構いません……。生徒会権限により、これより全校生徒の抜き打ち検査を執行します!!」


 ……一瞬にして広い講堂に無言の動揺が走った。


 ええっ!? 抜き打ち検査ぁ……。 そんなことが許されるの!!


「学校の許可は頂いております、そうですよね、校長先生?」


 生徒会長が壇上から厳しい視線を教職員席に向けた。


「では生徒会による強制執行を開始します。女子生徒の皆さん、制服のスカートを脱いでください」


 冷徹な声が講堂全体に響き渡る、僕は言っている意味がまったく理解できなかった。何で制服のスカートを脱がなきゃいけないんだ、それも全校生徒全員が……。


「大変失礼ですが、スカートを脱いで頂くのは逃走の恐れも考慮してのことです、何卒お許しください。ただ安心して欲しいのはこの講堂にいる全ての人員は女性だと言うことです、汚らわしい男などこの場所には誰一人もいませんし、蟻一匹でも入れさせません!!」


 ……僕は大変なことに気が付いた。


 この場所に男はいないだって!? いやいや!! いる、ばっちりいるんだよぉ。

 それも股間に最凶股袋、宝刀村雨丸譲りのこ、コッドピース着用の男が。

 汚らわしいとか軽く超越ちょうえつしちゃってるぞ、正美は一体どうすればイイのぉ……。


 生徒会長がその後の話を続けた。


「なっ……!?」


 ……僕は自分の目を疑った。


「皆様にお願いして自分が率先しないのは説得力に欠けますので、まずは生徒会長の私がスカートを脱ぎます……」


 そして美鈴さんは一気に制服のスカートを脱ぎ始めた。

 セーラーブレザーの上着とその下に隠されていた薄いブルーのショーツとの間に、

 形の良いおへそがあらわになる、引き締まった腰回りにも僕は目を奪われた。


 生徒会長、今宮美鈴の強い意志が感じられた瞬間だった……。


 次回に続く!!

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