第22話 やりました……。やったんですよ! 陰キャが必死に! その結果がこれなんですよ! ①
「――暗すぎん?」
ハッピーが足りない。
彼女はちょっと呆れたように、それでいてどこか疲れたように、どっかりと僕のベッドへ腰掛けたまま、こっちが話をしている途中だというのに遮るようにして異を唱えてきた。
「そんなに暗いですか?」
「そんなにって……あのさぁ、もっとこう明るい感じでいこーよ。ジメジメしすぎてカビ生えちゃうって」
確かに僕の部屋はコレクション達の劣化を抑える為、二つある窓のうち、西側にある小さい方を遮光カーテンで塞いである。
そのせいで、うーん。カビが生えるほどまでは湿気てはいないと思うけど、やはり女子としては少しでも明るい方が好ましいのだろう。
まぁ、空気が淀むというかなんというか。こんな6畳ほどしかない部屋で、僕みたいなのとふたりっきり。
しかも見渡す限りのコレクション群。
辺りを覆う肌色面積の比率的に、女子高生的には居心地の良い空間ではないだろうしね。彼女の言わんとせんところはわからんでもないか。
「でも、明るくって言われても……」
勝手知ったる我が部屋だ。
この空間のスペックは十二分に把握している。
それ故に、これ以上部屋の光源を増やせというのは、そいつが一番ムリだって事はとっくに僕がご存じなわけだ。
とうの昔に部屋のカーテンはしっかりと開け放ってるし、もちろん照明も明々とつけてある。
方法がひとつ、あることはあるが、部屋の光量とコレクション達の日焼けを天秤にかければ後者が圧倒的優位。塞いだ西の窓を開けるのだけはありえない。
あれやこれやと考えてはみたところで、原因がわかっても、解決できなきゃ意味がない。
ならばと机のデスクライトをつけたところで焼け石に水だし、どうしたもんかと頭を悩ませていると、
「いや、部屋がじゃなくて。そのアニメの内容が暗すぎるっての。ぜんっぜん楽しくない」
桃色のスポーツウェアにポニテという、到底TCGを学びに来たとは思えない出で立ちで、彼女は心底呆れたように溜息をついた。
ベッドの上で、未だ残るであろう僕の体温を尻に敷きながら、小さな顔に杏型の瞳、形の良い唇と真っ白な肌。
それがさも当然かのように、凡百とは一線を画す造形美を今日も今日とて惜しげもなく披露している。
「なに?」
「あ、いや、……」
それでもいつもと少し雰囲気が違うのは、彼女曰く、普段とは化粧の仕方が違うかららしい。
言っとくが、僕から聞いたわけじゃないぞ。向こうから言ってきたんだからな。
「あーもう、だからジロジロ見るなっての。さっきも言ったけど、テキトーにしか化粧してないんだって……走るだけのつもりだったんだし」
その際、終わりに向けてどんどんと声が小さくなるもんだから、最後の辺りはほとんど良く聞こえなかったけれど、……ようは、僕なんかに会いに来る程度の事で、化粧だなんだと力を入れる意味なんてない。彼女はそう言いたいのだろう。
たしかに、ふたりの間には彼氏彼女といった甘酸っぱくも特別な関係はない。
あるとすればクラスメイト、ちょっと変わり種でTCGを師事する間柄ってなところだけ。
そう、彼女の言うことも一理あるんだよな。
僕という路傍の石を前にして、化粧なんざしてくる価値はない。
そんなことないぞと否定のひとつでも出来れば格好も付くんだろうけど、困ったことにその通りなんだよな。それに対して僕からわざわざ言うことなんざありゃしない。
こんな感じで常日頃から大体のことは聞き流せるけど、
――ところがどっこい、だがしかし。……一寸の虫にも五分の魂か。
普段は事なかれ主義な僕だけど、化粧だとかなんだとか、彼女の発言や考えも概ねその通りだなと納得した僕だけど、――おい、ちょっと待てと。
それとは意味合いの違う、さっきの言葉だけは聞き逃せなかった。
けっして声には出せない魂の咆吼。小心者ゆえの情けなさ大爆発だけど、やはり、誰しも触られたくない大切な部分ってのはどうしてもあるもんだ。
それが、僕の場合は今彼女が発したあの言葉。僕はつづけて心の中で吠えた。
――なにがぜんぜん楽しくないって?
僕というナメクジにだって角くらいある。今みたいに、譲れないものを貶されたとあれば、オタクの沸点は常人のソレより遙かに低い。
そこを踏まえて、もう一度。僕は、胸の奥でつっかえるさっきの言葉を反芻する。
なんのアニメが、どうだって?
「だからなによ、その顔は。言いたいことがあるならさ、さっさと言えば?」
僕の心情を察したのか、それともありありと不服さが顔に出ていたのか。彼女は大方の予想どおり喧嘩っ早いのだろうね、争い事なら受けて立つぞと、そういう顔付きになった。
正直、ケンカを売られたのかはたまた売ったのか、非常に重要なところが曖昧になってしまってはいるが、言いたいことなら山ほどある。
だから。
このダンマリは、けっしてビビって言葉が出ないわけじゃない。
まさかこの歳になって、呆れてモノが言えない日が来るとは思いもしなかった。そういうことだ。
いいか。無知は罪だぞ、無能と同義だぞ。
これから現行の7期を含めての約20年分。それを1期ずつ、その時々で流行ったデッキタイプと環境を交えながら、順を追って説明していくところなのだから。
そうさ、言うなればようやく今からがおもしろいところ。
そもそも、このシリーズは確かに暗いけど、しっかりとしたストーリー構成が自慢の、そこいらではお目にかかれないほどの完成度なんだぞ。
それをまだ一つも見てないクセに、僕の話をちょこちょこっと聞きかじった程度で、良くもまぁおもしろくないだのと暴言を吐けたもんだ。
好きなモノを、こうまであっさりと貶されたんだ。普段は温厚で、かつ平和主義者なこの僕も、ほんの少しだけムッとしてしまう。
彼女はベッドへ腰掛け、僕は学習机の椅子に。
向かい合うように座る両者の間には、間違いなく火花が散っていることだろう。
……我が軍の、圧倒的な劣勢だろうけどな。
だってさ、そうはいってもキモオタと美少女。手にした装備に差がありすぎる。
こうまで鼻息荒く、心はメラメラと滾ってはいるが、なによ? なにか文句あんの? とでも言いたげなあのジト目。
ぐぬぬ。なんだってこうも見てくれが良いんだ。
先日のキナコの時もそうだったけど、あんなモン卑怯だろ。不公平の固まりだ。
男は美人に弱く、オタクは完成度の高さに弱い。あの女ゴリラ相手なら行くとこまでトコトン行けるのに、彼女相手では、余裕のラブゲーム。悔しい。圧倒的戦力差に強くでられない。
「アタシはね、そういうジメッとした話はキライなわけ」
ビシッと効果音が聞こえてきそうな勢いで彼女の細い指が僕を差してきた。
その際、ショートパンツから伸びる黒のレギンスに、――どういうつもりでそんな足のラインがハッキリとわかるモノを履いてきたんだ。
左右で組んだ細く長い足、それをわざわざ組み替えるもんだから、……眩しいくらいの見事な美脚に、ドキリと心臓が跳ねた。
思わず逸らした視線は負けを認めたわけじゃない。
嫁入り前の女子の身体を気安くジロジロと見るもんじゃない。そう考えた僕の紳士的な行動だ。
でもそれを彼女はこちらが怯んだとでも受取ったのかな。彼女の暴言は止まらない。
「言いたいことは山ほどあんだけど、とりあえず話が長い」
は? 長い?
「全校集会のさ、コーチョーの話くらい長~い」
理路整然と簡潔に、こうまで簡単明瞭に説明した、そんな僕に対し、長い?
しかも、言わせておけば――進まない集会。エンドレススピーチ。終わりの見えない地獄、倒れる生徒。押す一限目。――あの、権力を利用した雑談で有名な、校長の話より長いだって?
おいおい。それこそ冗談はよしこさんだ。
だから、まだ僕はほんの少ししか語ってはいないんだって。それこそまだまだ触りの部分ってとこだ。
まずは某TCGアニメの黎明期から最新までを簡単に、かつ抑えておくべきところをしっかりとだね。それでもってのルール説明が遠回りのようでじつは近道。カードの種類なんか憶えるのには、絶対に必要だと考えるのですが。
彼女は知らないだろうけど、僕はこのやり方で、あのバニラブさんという天使を立派なカードプレイヤーへと導いた実績がある。
そうさ、彼女は話が長いなんて言わなかったぞ。むしろ、かぶせ気味に熱弁を振るってくるんだからな。
今となっては激論を交わせるほどにまで成長し、つい先日は新デッキ構築時に、先手と後手、そのどちらを選べば有利を取れるのかと喧々諤々。
『でもでも、キモータさん。今の環境的に、先に墓地肥やしてからの先2でブッパがマルくないですか?』
『いや。もちろんその攻めッ気たっぷりなとこはバニラブさんらしくて僕は好きです。でも、今の環境を考えるんならなおさら――って、どうしました? バニラブさん?』
『あ、いや、その、す、好きって……』
『えぇ。僕もどっちかといえば、ガンガン攻める系のデッキが好きなんで』
『……はぁ。もういいです』
なんだかんだと結論こそ出やしなかったが、ほんの二、三年ほどでよくぞこれほどまで大きく育ってくれたと、図々しくも、どこか父のような目線で見てしまったものだ。
……それに対して、目の前の子は。
初めのうちは僕の話を静かに聞いてくれて、月並みな感想だけど、黙っていればやっぱり目の眩むほどの美人なんだ。そんな高嶺の花が、僕みたいなヤツの、しかもこんな異空間にいることが緊張してしかたなかった。
今日のこの一件、はじまりとしてはどうしてこうなったと踊り狂いそうではあったけど、それでもどこかラブコメのテンプレイベントを彷彿とさせる展開に、悲しいかな胸の高鳴りは止められない。
その上、理由はさておき、TCGに興味を持ってもくれてるわけで、それだけで嬉しくもあった。
けれど、……どんなことでも、学ぶ姿勢というものが大切だと僕は常日頃から考えている。
「あと目がキマッてる。それに早口なのもなんかキモいし、たまには息継ぎしなよ。こえーって」
息をつかせぬ怒濤の暴言。
教えを請うてる側のくせに、なんという不遜な振る舞いだろうかね。もしここが運動部なら、バチバチの上下関係を喰らわせられそうだ。
もっとも、僕はそういう理不尽に偉そうなヤツがトップクラスにキライだから絶対にやらないけどさ。
「ム・シ・で・す・か~?」
彼女はそう言うと、――僕が目を逸らし、黙りこくった事が気に入らなかったんだろうね。――手に持った雑誌を丸め、尻に敷いた布団を叩いた。
その動作は、彼女にとってはたいしたことではないのだろう。別段、力任せに叩いたわけでもないし、雑誌をグチャグチャに折り曲げたわけでもない。けれど、
「ちょっ!」
――その行為に、僕の顔は引きつった。
彼女の手には今回の説明が理解しやすいようにと、事前に僕が準備したTCG雑誌が。そのほかにもベッドの上には当時モノのムック本や設定資料集。
今手に入れようとすれば、定価の数倍はする僕の宝物の一つだ。
「あの。ある程度年代ものなので、もう少し手心を……」
「はいはい。わかりましたってば」
軽く流そうとしているように見えるが、ホント、わかってますか? 昨日今日発行されたような、それこそ、読んだら次の収集日に紐かけて捨てるようなレベルのものではないんですよ?
ネットでは、その雑誌を血眼になって探してるヒトも居るくらいなんですよ?
彼女に僕の心の痛みが1%でも伝わる事を願う。なんせ、
「わかりましたって……さっき、僕のコレクション壊したばっかりですよね」
「ぐっ!」
今僕の机の上には、腕の取れたロボットが。
赤や黄や青が、最後はロボに乗り悪いヤツらと戦うご長寿番組。男の子なら誰しも一度は手にしたことがあるだろう日曜日のアレだ。
小さい頃に初めて買ってもらって以来、ずっとお気に入りの一体である。
それが無残にも右腕部の無い状態で、どこか悲しそうに立っていた。
目の前には、痛いところを突かれました、そう言わんばかりの彼女の顔が。
「あー、そーいえば月曜日の課題だけどさー、現国の――」
唐突な話題転換を試みたのだろうがヘタクソすぎる。そもそも課題が出てるのは数学だ。
おのれ、こんなムリヤリに話を変えられてなるものか。
たたみかけるように、静かに、だけど感情を込めて念を押す。
「壊しましたよね?」
「ぐぅうっ」
……実際はただ右肩のジョイントが外れただけ。折れたりモゲたりしたわけじゃなく、ちょっとコツはいるが、要領さえ知っていれば一秒とかからずもとの形に戻る。
だから、僕も怒っているわけではない。
だけど、これを壊れたと言っておかないと、あの事故を軽く見られてはよろしくない。
次はどんな大災害が巻き起こるか分かったもんではないし、可哀想だという気持ちがありはするけれど、後世の戒めのため、そして、今のこの態度を見るに、やはり甘やかすのはダメみたいだね。仕方がない。
「だ、だ~か~ら~。それは何度もゴメンって言ってんじゃん」
言い訳出来る余地がこれっぽっちもないのだろう。彼女は目を泳がせ、口を拗ねたように尖らせた。
「そのあとも、やりましたよね?」
「それも、……いや、あれはワンチャン事故でしょ。アタシ的には、ギリギリノーカンかな~って」
これ以上の余罪の増加は、いよいよ自分の立場がマズイと考えたんだろうね。
彼女としては認めるわけにはいかないと、どうにか誤魔化そうとでもしたのか、変に明るく振る舞おうとするもんだから、……ほほう。やはりまだどこか反省が足りないように見える。
「事故?」
僕としては少しでも真剣味を感じてもらおうと、若干、声を低くしてみたりと下手な努力も数打ちゃアタルでやって、
「……かもしれないな~って、さーせんっ♡」
ふいに放たれた彼女の他所行き用のスマイルに、――ぐわぁああ、可愛いがすぎる――ドストライクな造形に、あわや心を持っていかれそうになる。
クソっ、流されるな気をしっかりと持て。
僕なんかが見ることの叶わない、それこそ値千金の笑顔だけど、喜びは胸の内に秘めて、
――そうだ。ここは誤魔化されるわけにはいかない。
「……」
「……」
実際は高鳴る心臓に必死に抗うだけのしょうもない時間だったけど、
「……いや、マジごめん」
無言の僕から、ついにはゆっくりと彼女は視線を逸らした。
そんな怒んなくてもいいじゃん。ボソリと漏らした横顔と、その、どこか不服そうな様子に……まだ言うか。今度はこっちが溜息をついてしまう。
やっぱり、彼女を部屋に上げたのは早計だった。
僕はこういう事になるだろうとわかっていたのに、そこまで計算しての案をいくつもあげたのに、強引に我が家での開催を押し切られたのがそもそもの間違いだったのだろう。
あの時、ムリにでも押しとどめておけば少しは違ったのだろうか。
そう、――あのあと、母さん達の悪ふざけから逃れるためだろう、静止する僕の声なんてお構いなしに、彼女が駆け上がった階段の先。
『おじゃましまーす!』
迂闊にもドアが開けっぱなしだったのは、聖域たる僕の城。
――あのゴリラめが。僕を引っ張り出した時のまんまじゃないか、扉は開けたら閉めろよバカ。――相も変わらずのガサツさに心底イラついた。
アイツは事の重大さがわかっていないのだろう。
あのドアは、ドコの家にでもあるような扉ではない。開ければ子供の部屋に繋がるだけの、そんなチャチなもんじゃないんだ。
言うなれば、あれは伏魔殿へと繋がる門扉。地獄の番犬が必要なほどの天外魔境なラビリンスへの入り口。
アレをくぐった先は別世界だと言ってもいい。
それがパッカリと大口開けて、来るもの拒まずのウェルカム状態で、堂々と、白日の下にさらされているわけだ。
一般の方々にとって、あの地は地雷原。普通に暮らしていれば決して足を踏み入れない暗黒大陸。
そして、……陽キャにしてみれば、生唾もののネタの宝庫。
あぁ、イヤだイヤだ。勘弁してくれ。
灰色の学園生活を回避するためにも、せめて可能な限りの模様替え、もとい回避行動をとっておきたかった。それなのに。
あの地に一歩でも足を踏み入れれば最後。目に飛び込んでくるのは異次元の空間なんだ。彼女がどう行動するかにかかっているけれど、万が一にも吹聴して歩いてみろ。月曜から僕の立ち位置は大きく変わるにきまっている。
SNSなんて使われた日には一瞬だぞ。ネズミ講のように、掛け算で情報の共有者が増えていくんだ。
そのうち、道を歩いているだけでイジられるようになるかもしれない。
“ねー、あそこ歩いてるアイツ。チョーヤバいんだって。なんかよくわかんないけど、近づいたらヤバいんだってー”
“やだー、マジでウケる。なんかよくわかんないけど、アタシ明日からここ通って帰るのやめるわ、なんかよくわかんないけどー”
まさにパンデミック。テンプレなイジメだけど病原菌扱いとか自分がされたら心が折れる自信しかない。
それは悪夢以外のなにものでもない。冗談じゃない。
大袈裟かもしれないけれど、誰もこうならないとは断言できないだろう?
SNSは伝言ゲーム的な側面もあるからさ、出所不明、ソースもない、ただただ僕の悪評だけが膨れ上がっていくなんて、ありえない話ではない。
そうなれば、バンビのような清らかかつ繊細な心を持つ僕だ。一日と待たず部屋に引きこもってもおかしくないぞ。
オタクとして何も恥ずかしいことなどしてはいない。してはいないけど、これから先、もし地獄のようなイジリが続くのなら、――例の女ゴリラも同じ学校なんだ。家でも、聞いたぞオメーとけなされる可能性を否定できない。いや、間違いなくイジられる。嬉々として死体蹴りをかまされる。
学校だけでなく家でまでなんて、それはもうムリだ。内外で茶化されるとなれば、僕の心はまず間違いなく持つわけがない。
あのね。オタクがね、好きなモノを愛でる時はね、誰にも邪魔されず、自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで……。
だけど、それも後の祭り。彼女はすでに、僕の部屋の前に立っているわけで、そして、
「ふぇ~、こりゃまたドエライ部屋じゃん」
ダメだ! 終わった!! 南無三!!!
聞こえてきたあの言葉が全てを物語っている。
――おぞましい魔都を前に、彼女から間違いなくドン引きされた。
さようなら今世、よろしく来世。それでは、次回の僕的存在の活躍に好ご期待下さい。
もし生まれ変わりがあり、そこに神様がいるのなら、次こそは、少しでも長く生きられる設定を僕に付与してくれることを強く願う。
そう思っていた。だけど、
「でも、おもったほどじゃないね」
「……ほぇ?」
――どうやらそれは、僕の早とちりだったようだ。
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