第07話 人類のアップデート



 2103年を堺に、日本では子どもや教育に関する法律の改定が検討された。


 当然のことだが反対意見も多く、法整備には長い年月が費やされた。


 現在施行されている法律はこんな感じだ。


 赤ちゃんが魔法を暴走させないように、5歳になるまでは定期的な魔力抑制ワクチンの接種が義務付けられた。


 5歳になると小等部へ入学して、魔力や魔法の勉強も含めての義務教育が始まる。


 11歳になると中等部へ進学して、3年間で魔法の実践的な使い方の実習が強化される。


 14歳で高等部・専門科へ進学し、2年間勉強をする。



 魔力の適性が低いなどの理由で、公務員や一般企業で働きたい人は一般教養学校。


 戦闘以外で魔法を使いたい人は、魔法学校。


 軍などで戦闘用に魔法を使いたい人は、魔法戦闘学校。


 そして、進学先の一番人気は探索者養成学校だ。


 魔力渦を通って異世界の探索をする、シーカーと呼ばれる職に就きたい人のための学校だ。



 各専門課程を卒業すると成人になる。


 俺が暮らしていた時代とでは、成人年齢が低くなっている。


 それだけ世界に余裕がないってことか?


 今の日本では、高等部を卒業するまで義務教育が課せられる。


 俺が知っている義務教育とは、意味と期間が違う。


 昔は子どもを学校へ行かせるのは親の義務だった。


 現代では、親と子どもの両方の義務と定義されていて、成人するまでは何があっても教育を受けなくてはならなくなっている。


 教養がないとロクなことにならないからなぁ、問題も多いだろうがよいことだと思う。



 これが、見せられた動画の内容で、あまりにも情報量が多く混乱した。


 もう一度再生してもらって、ようやく現代の状況を理解することができた。


 たった25年の間に、これだけの事が起これば、俺の暮らしていた時代と激変してしまうのも頷ける。


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