幕間 2.5章

登場キャラクター紹介

 こんにちは、作者の戸禮と申します。

 

 夢の骨を二章完結までお読みくださり、誠にありがとうございます。


 一章の時と同様に、よりキャラクターに関するイメージを掴んで欲しいという思いから、補足的なプロフィールとしてキャラクター紹介の書いていこうと思います。


 ぜひ、お読みください!


 また、3章である【望まれた王国】編は別の小説投稿サイトであるアルファポリス様を優先して更新しております。準備が整い次第、カクヨム様でも更新しますが、よろしければアルファポリス様の方もお読みいただければと思います!



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〇ガブナー  雨宮


機体名:- 性別 : 男 年齢:31歳


身長:178cm 体格 : やや筋肉質 出身 : 日本


所属 : TD2P佐呑支部


役職 : 佐呑支部管理塔捜査部所属警部補(捜査局員)


【身体・外見的特徴】

 常に赤が基調のプルメリア柄のアロハシャツを着用している。肩幅が大きいことから高圧的に見られがちであり、肌艶も良いので実際より五歳以上若く捉えられることが多い。柔らかな物腰と独特な言葉の抑揚から、コミュニケーション自体は高いが、その人柄も相まってかえって他人に不信感を抱かれるケースもある。髪は自身が好きなオリーブベージュ色に染めている。

 ボイジャー計画の実験の影響で現実世界と夢想世界のどちらにおいても常に重瞳の発色と発光が生じており、それを隠すために特別製のサングラスによって眼光をシャットアウトしている。だが、そのサングラス姿はアロハシャツの一張羅も相まってガラの悪さを演出する結果となってしまっている。

 機転の利く判断力と人の命を奪うことを躊躇しない非情さを持ち合わせており、任務や職務に対する遂行能力は高い。


【経歴】

 イギリス系のハーフであり、両親の職業の都合で日本とイギリス、中国から東南アジア諸国などを転々としていた。自身はイギリスの大学で経営について学んでいたが、十年前に究極反転によって頭角を顕した大陸軍グランダルメに侵略されるアジアを憂いてTD2Pへの入局を決意。中国に在留していた両親が大陸軍によって殺害されたことを契機に悪魔の僕に対する復讐心を募らせ、ボイジャー候補生として職員立候補を行い、V計画の被験体として人体改造を施された。

 実験の結果としてボイジャーへの適合性能に及ばなかった彼は、実験の機密保守のため殺処分を受ける結果となった。そこで、彼の処分に待ったをかけたボイジャー:プリマヴェッラ号が、彼の特異な夢想世界における対精神干渉性能や耐用値性能を見出し、多くの研究者を唸らせる結果となった。その後、別解犯罪者の取締りを行うTD2Pの捜査員として勤めることとなり、その過程で出会ったキンコル号の理念に深く心酔して彼の夢である世界救済を自身の本懐に落し込み、キンコルが推進する佐呑島の支部建設に伴って所属を佐呑へと移転させた。

 捜査員という前提こそあれど、時には別解犯罪者だけでなく悪魔の僕とも対峙することがあり、その際には多くの拿捕実績を叩き出してきた。

 


【能力】

 世界トップ水準の【対精神汚染】【対精神干渉】【超高圧空間深度耐性】を有する。

 多くのボイジャーは対悪魔の僕の耐用値基準として、敵対者の冠域展開に順応できる深度3000から冠域固定フェーズを経た大技を一度は受け切れるレベルの深度6000を耐用値の目安と定めている。彼の耐用値はこれらの水準を遥かに上回る対深度12000という規格外であり、机上論ではほぼ全ての冠域からの影響を無力化することができる。

 また、他者の冠域内では自身に対する攻撃へのオートガード性能を有し、生半可な攻撃では彼にダメージを与えることはできない。深度が5000を超えるような大技を前にしても、自身の正面にバリア状の壁を生成することにより、攻撃力を大幅に削減することが可能である。

 現実世界でもある程度の射撃の腕と、練り上げた合気道による独特な制圧能力があり、彼の持つ基本的なスペックはかなり高い水準である。

 反面、自身は冠域を持たないため、夢想世界では具体的な攻撃手段を持たず、想像力により生み出した鎖などを用いて敵の拿捕を図ることを基本戦術としている。




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孟秋蒋メン・チュンチャン


性別 : 男 年齢:28歳


身長:167cm 体格 : 筋肉質 出身 : 韓国


所属 : TD2P本部戦略塔軍部


役職 : 第1陸装師団第3聯隊所属中隊長 中尉


【身体・外見的特徴】

 軍人としてはやや小柄ではあるものの、非常に高い身体能力を支える強靭な筋肉が発達している。中性的な顔立ちでパーツが整っているものの、軍人気質で仏頂面であることがほとんどなので威圧的な印象を与えることが多い。

 性格は生真面目だが、時折情に厚い面を見せることがあり、人道に背いた行為を心の底から毛嫌いする良識人。

 他者と比較されることを嫌い、韓国出身かつ同じ世代で女性の身で少尉に成り上がった白永淑との対比には強い嫌悪感を持っている。


【経歴】

 韓国の徴兵制により兵役していた際、その学力と運動成績,性格面などを考慮されてTD2Pからの招致があり、その際に入局を決意。初期から軍部に所属し、当時少佐であった天童の部隊で活躍を見せた。

 作戦の遂行能力や厳格な秩序への適正、ひいては人を率いるに足るカリスマ性を発揮し、天童の右腕として出世コースに乗り、若くして中尉まで上り詰めた。

 悪魔の僕に対する対戦経験が豊富であり、その中で死んでいった同志のためにも、上位カテゴリーの悪魔の僕の打破を目的とした【大討伐】の新規編成を訴える急進派でもある。


【能力】

 夢想世界で身体能力にバフをかけ、同じくその手段を採った部隊を的確に指揮することで悪魔の僕に対する対抗を試みている。

 夢想世界の火気厳禁の戦いに慣れているため、対冠域を想定した作戦でも遅れをとることなく戦闘を展開することが可能である。しかし、佐呑防衛戦ではゲリラを制するだけの具体的な現実世界の指揮の経験不足により常に劣勢を強いられ、戦線の維持を果たすことができなかった。



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〇 バゼット エヴァーコール  / Bazett Evercall


性別 : 男 年齢:28歳


身長:182cm 体格 : やや細身 出身 : ポーランド


所属 : TD2P本部戦略塔軍部


役職 : 擲火戦略小隊長


【身体・外見的特徴】

 やや血色が悪い。スラリとしたスタイルで西スラヴ系の色白な肌色をしている。見た目の印象から理知的なイメージを持たれがちだが、人一倍強いプライドと自己肯定感から奇抜な言動に奔ることが多く、独特な神論を他者に強要する場合があることから人望には恵まれていない。

 普段はスーツ姿で亡霊のように不気味な立ち姿を見せているが、夢想世界では仕立ての良い軍服を纏う。

 夢想世界では重瞳の発現が起こるが、現実世界では充血気味な普通の眼をしている。


【経歴】

 元はヨーロッパで名を馳せていたとある戦闘集団の幹部であった。彼が自身の信条との乖離と組織においての軋轢により団体から離反し、余りある闘争心とプライドを暴走させた生き様を危険視したAD2Pは彼をカテゴリー3の別解犯罪者に登録した。

 自身に対する討伐作戦を返り討ちにしたことでAD2Pの手に負えない凶暴な存在と認識され、AD2Pが調整を行っていたボイジャーの出動によって拿捕された。しかし、彼が元より一般人ではなく悪魔の僕や別解犯罪者のような存在に対して頻繁に攻撃を仕掛けていたことが一部では評価の対象となり、遠く土地を離れたTD2Pの軍部への入局が特例的に認められた。

 その人間離れした夢想世界での戦闘性能は一国の軍事力に比肩するとさえ喩えられ、多くの討伐実績を示して見せた彼には擲火戦略小隊という殺戮兵器無制限使用が可能な部隊の長へと着任する。その後、ボイジャー:オルトリンデ号の登用によって夢想世界の制空権を我が物とした擲火戦略小隊は名実ともにTD2P最強の実働隊として多くの別解犯罪者や悪魔の僕から畏れられることとなった。


【能力】

 寵愛の夢。

 彼は自身が神と崇める存在を信仰し、その信仰の結果として享受したエネルギーを特殊な炎に転換することで攻撃や移動手段として用いている。これを彼は"双方向性の寵愛"と表現し、神を愛する敬虔な心の在り方こそが己の強さを証明する唯一のものであると説いている。

 また、内在する概念として、彼は自分の手で人々を悪魔の僕の魔の手から救い出したいと考えている。過程はともあれ、その信念自体には強い意思が伴うため、彼の能力効果を底上げする要因となっている。


『固有冠域:我が手に恩寵の全ては委ねたれり天は永遠なる栄光を示しながらあなたの頭上を回っている』 空間深度:6500

 自身の体を起点に冠域を構築するための靄を発生させ、それを頭上に展開後、周囲の小範囲に冠域空間を設置する。この固有冠域は大規模なフレームを展開して世界を塗り替えるメジャーなタイプではなく、自身のエネルギ―の転換効率を底上げするための特殊な内臓を生み出すようなものであると言われている。冠域の展開に伴って彼の心の根のようなものを極小範囲に展開し、それを周辺の空間の濃度に併せて起動を掛けているため、ボイジャーの固有冠域の内部からでも問題なく冠域の構築が可能である。


『冠域延長:この手に収まらぬ程の祝福を美は魂を覚醒させ行動を起こさせる』 空間深度:6500

 展開した冠域の形状や性質を操作する。冠域の再配置や再設定のようなもの。

 このフェーズを経ることで彼は身体の炎上を起こすことが可能となり、銀朱色の炎を纏うことで攻撃能力・機動性能・防御性能が飛躍的に向上する。


『冠域固定:解き放たれし親愛なる加護自然とは神の齎した芸術だ』 空間深度:6500 ~ 8000

 展開した冠域の内部に存在するエネルギーを炎に変換し、その連鎖反応を用いて巨大な炎の構造物を形造る。この炎そのものに現実のものと同様の性質が存在し、それに加えて急加熱や急燃焼の性質が付与されている。バゼットはこれを意識的に操作して炎の柱を生み出し、それを敵に向けて投擲することでこの一連のフェーズを大技としてとり扱っている。


解き放たれし親愛なる加護自然とは神の齎した芸術だ:只一人が為の十字架を熱さと火は切り離すことができない。美しさと神も』 空間深度:8000

 既に冠域固定が一度完了していることを条件に、冠域固定と同様の手法で炎の柱を生み出し、それを四方から敵に向けて集束させることで十字架状の炎の塊を生み出す。生半可な耐久ではこの攻撃を受けて生き残ることは出来ず、できたとしてもほぼ確実に致命傷を与えられるレベルの超強力な火力拘束攻撃だが、対反英雄では実用的な効力を示すことができなかった。

 十字架の内部では爆発が絶えず発生しており、強い衝撃と加圧によって焼死以外の死を遂げる場合もある。


『冠域延長:|およそ愛と呼ばれるものならそれ自体でみな称讃に値すると主張する人の目には真理は隠れる《覆う者、偽る者、それはそこに在るのみで審美に値しない》』 空間深度:~6500

 冠域を炎に転換する手続きを超高速に行う技。これにより、引き伸ばした一定のラインを一挙に炎上させることが可能であり、主に自分を起点とした直線路に存在する障害物や敵を薙ぎ払うために使用する。



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〇オリヴィア 張 / Olivia Chang


機体名:OrtlindEオルトリンデ 性別 : 女 年齢:15歳


身長:145cm 体格 : 相対的な小柄 出身 : オーストラリア


所属 : TD2P本部戦略塔軍部 役職 : 擲火戦略小隊 ボイジャー


【身体的特徴】

 前髪ぱっつんのブロンドボブ。屈強な体格の軍部に属しているため、15歳の少女は相対的に小柄な印象を与える。宇宙服を模した特殊な軍服を纏っており、白を基調とした衣装を纏っている。能力上、夢想世界では常に滞空・飛行しているため、髪型は乱れがち。

 強い精神力を持ち、まだまだ幼さの残る風貌でありながら、超巨大な敵と邂逅した際にも物怖じせずに戦いに身を投じることができる。苦痛を怖れることなく戦いに身を投じていく姿勢は一回りも二回りも年の離れた兵士の見本となるほどに、完成された軍人としての度量を有しているとされている。


【経歴】

 オーストラリア人と中国人のハーフで、幼少期をオーストラリアで過ごした。オーストラリアで猛威を振るっていたある悪魔の僕の悪行の数々を受け、両親が彼女にボイジャー化の提案を持ちかけた。

 大規模なボイジャー適正検査の結果、10歳の時にボイジャー計画に組み込まれ、実験の成功につきボイジャーとして登録された。基本的な能力は年齢を反映してそこまで高くはないが、TD2Pの技術や軍の体系に強い関心を持っていたため、戦略や部隊運用に高い適合正を発揮した。能力との噛みあいが良いとされ、少ない実戦経験から擲火戦略小隊への編成が決定し、机上論以上の輝かしい討伐実績を生み出す結果となった。

 鯵ヶ沢露樹戦では、冠域能力をコピーされたうえでの戦いであったため、基本的な戦闘能力や出力が圧倒的に勝る露樹に瞬殺されてしまった。強い精神力と死への抵抗観念がしっかりと確立していたため、露樹に殺害された後でも現実世界で危うくも一命を取り留めた。


【能力】

 空を飛ぶ夢。彼女が幼心から抱いていた夢をその輪郭が消えないうちに具体的な能力として、ボイジャーの冠域の形に落し込んだ。

『固有冠域:熾天』 空間深度 : 2000~ 4000

 冠域の展開によって自身を起点とした周辺空間の空気の性質を変化させる。熾天の発動により、効果が及ぶ範囲の空間の空気抵抗や空気の粘性、重力、物質の揚力・推進力・加速力が彼女の設定した性質を有する。それによりオルトリンデには群を抜いた飛行能力が備わり、シチュエーションに応じて"飛ぶ","駆ける","滑る","翔る"など、様々な移動を実現できる。

 また、他者に対してこの能力の恩恵を与えることも可能で、擲火戦略小隊の隊員に対して飛行能力や滞空能力を与えることができる。反対に近接した空間の一部の重力や空気抵抗を急激に引き上げることで、何らかの手段で距離を詰めてきた敵対者を上空から地上まで瞬時に撃墜させることが可能である。



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〇鴇田 裕田  / Tokita Yuden


機体名:GulttoNグラトン 性別 : 男 年齢:23歳


身長:173cm 体格 : やや痩せ型 出身 : 日本


所属 : TD2P日本支部戦略塔 役職 : ボイジャー


【身体的特徴】

 くせ毛の黒髪で睨み癖がある。悪魔の僕に強い嫌悪感と敵対心を持ち、時折強い口調で敵対者を罵倒する。性格は真面目で弱気を助け強気を挫くスタンスだが、自分より弱い存在との協調をあまり良しとせず、我先に敵を倒す精神で新参者の成長より自身の研鑽を優先する。夢想世界ではすらりとした痩せ型。冠域の発動に伴って衣装が一新し、体の露出が多い儀式装束となる。その際には体に言語不明な文字列の入れ墨が多数刻まれ、貌を隠すような布仮面を被る。


【経歴】

 日本に暮らす平凡な少年が、高校生の頃に強いいじめを受けて摂食障害となり、絶食と偏食を繰り替えす引きこもりとなった。就労を目指すも挫折する日々が続き、その中でTD2Pのボイジャー計画の実験に立候補した。精神的な脆さから仮想夢想世界の滞在時間が短く、ボイジャー実験は不振が続いたが、ある時から冠域が開花して独自の強力な攻撃性を発揮し、風除け機能も比例して向上したことにより、晴れてボイジャーとして登録された。

 カテゴリー1,2の比較的に力の弱い悪魔の僕の掃討を担当することが多く、出現したての悪を摘む重要な役としてTD2Pの各地へと飛び回った。過去の討伐作戦の中で海賊王と対戦する機会があったが、その際の大敗を受けてカテゴリー4以上の悪魔の僕の早急な打破の必要性を訴えてきた。

 不死腐狼戦では、カテゴリー4クラスの強敵との対戦経験の少なさからくる順当な実力不足により敗北した。


【能力】

 大食・暴食の夢。食に関する興味とコンプレックスから特殊な消化器官と捕食器官を生成・管理する能力。

『固有冠域:光喰醜竜フール・ベヘモト』 空間深度 : 3500 ~

 夢想解像と呼ばれるイメージによって架空の肉体や動物の身体を構築する技能と冠域を組み合わせた特殊な能力。彼の場合、日本の神話上で語り継がれる八岐大蛇を同時解釈した姿として自身の背から発生させ、伸縮可能な首頭として捕食器官として用いている。

 高い操作性と嗜好性から繊細な角度での攻撃が可能であり、突破性能の高い攻撃を多い手数で仕掛けることができる。そのため、対面した状態からの攻めではかなりの強みを持つが、物量勝負や速攻勝負、高い防御力を持つ相手などには苦戦を強いられることが多い。

 竜の頭の咬合力は非常に強く、噛みつくアクションの際には対象の硬度を減少させる効果もあることから、"食い破る"という性能を最低限発揮できる優位性がある。また、そこまで高い防御力ではないものの、八岐大蛇を自身の周囲に巻き付けることで敵の技を肉壁を用いて受け止めることも出来る。

 


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〇天童 數社  / Tendo Kazuto


性別 : 男 年齢:55歳


身長:170cm 体格 : 肥満 出身 : 日本


所属 : TD2P日本支部戦略塔軍部 役職 : 戦略塔統括官僚 大佐


【身体的特徴】

 油顔で肥満気味な典型的な指揮官体形。やや薄毛が気になってきているが、派手な軍帽を被ることでケアしている。丸っこいボディとは引き換えにかなり強かな性分であり、算段高く物事を俯瞰的に見つつも、局所的な対応力や判断力が備わっている。

 ややハラスメント傾向はあるものの、司令官としては優秀であり、聯隊の長を担っていた頃から培われてきた幅広いコミュニティによって顔の広さは一級品だった。政府高官とも独自のパイプを持ち、対外的な交渉力を含めた際の部下からの人望は決して浅いものではない。


【経歴】

 日本を中心とした支部や本部において活躍してきた名将。多くの悪魔の僕の討伐や拿捕に関与し、ボイジャー計画を管轄に収める指揮官ということもあって複数のボイジャーを実質的な管理下に置いている。大討伐には二度関与し、そのどちらもを通しても実戦地での莫大な部下の損失と歴史的大敗を経験してきた。右腕として重宝している孟中尉は大討伐を推進すべきと訴えるが、天童は大討伐によって失うリソースの多さを憂いて大討伐に否定的な見解を有する。

 強大な敵を打ち砕くには総力ではなく、個の力を高めるべきとしてボイジャー計画自体に多くのサポートを行い、複数の研究所に独自の権限を以て口出しできる立場にある。佐呑島に支部が建設される計画が持ち掛けられた際にはキンコルに対する不信感もあり、佐呑赴任を躊躇わなかったが、ゲリラたちによる佐呑島の襲撃を受け、多くの島民と同様に命を奪われる結果となった。



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〇マイケル・ロッツ  / Michael Luts


性別 : 男 年齢:63歳


身長:159cm 体格 : 痩身 出身 : アメリカ


所属 : TD2P日本支部技術科学塔ボイジャー実験部 役職 : ボイジャー運用実験技能士兼博士


【身体的特徴】

 白髪九割くらいの長髪で痩せ型。常に白衣を着ており、研究室に入り浸るためそこまで衛生的な見た目をしていない。初見の相手にはマッドサイエンティストのような印象を与えるが、かなりまっとうな技術者でありながらエンジニア気質であるため、うまのあう技術者は一定数存在する。


【経歴】

 アメリカの研究室に在籍し、原初V計画に参画した科学者の一人でもある。彼は原初V計画の危険性を強く訴えた否定派であり、そのため原初V計画の研究から離れた後、独自の技術体系にとって夢想世界に対する知識と見識を深めてきた。やがて発足したV計画にも初期から携わり、多くの研究機関に技術提供したり、見識を共有することで人体のボイジャー化の成功率を引き上げた立役者でもある。

 彼はある時から最強のボイジャーの誕生に強い意欲を見せるようになり、自身の研究所からそれを生み出さんとして一心不乱な没入する姿勢を見せるようになった。

 佐呑島の襲撃に際して、陥落した佐呑支部の内部に居た研究者の一人としてゲリラの脅威に晒されたものの、TD2Pの残存勢力の抵抗によってボイジャーの安置ボックスと共に海へと緊急脱出を成功させた。佐呑島防衛後には本島に戻り、無事にボイジャーたちを送り届けたのを確認したうえで心労によって息絶えた。


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〇アブー・アル・アッバース /  Abul-Abbas


個体識別名:不死腐狼 性別 : 男 年齢:121歳


身長:154cm 体格 : 痩身 出身 : イスラエル



【身体的特徴】

 本体は浅黒い肌をした枯れ木のような人間。身体年齢は90歳程度。

 夢想解像によって狼の肉体を構成することができ、その大きさは4メートル程度。全身が黒い体毛に覆われたタイプの狼となり、人間的な要素は二足歩行程度までそぎ落とされている。独自の発生器官によって人語を操ることができる。また、人狼の身体となっている時には常に腐敗臭が漂っており、再生能力を働かせたり、単なる移動の際には強烈な刺激臭が辺りに充満する。


【経歴】

 中東に暮らす少年が、人間社会の闘争に巻き込まれる中で"生きること即ち闘争"の考え方から若くして国を跨いで他者から富や生きる糧を奪いとる生き方を続けてきた。その苛烈な人生の殆どのシチュエーションで戦闘を生業としてきたが、寄る年波に勝てぬと判断し、どうにかして生存の道を模索する中で人体の冷凍保存と脳の活性保存の道へ踏み切った。

 それにより、身体はコールドスリープ状態で老体のまま存在を続け、脳はある程度の活性を保って科学液に漬けられる状態となった。それからしばらくたって、世界に昏山羊が出現し、夢想世界は一つの舞台として世界中を繋ぎとめた。その中でアブーの意識も夢想世界へと誘われ、強い生への執着を悪魔に見初められたことによって不死の夢を成就する契約を交わした。

 鯵ヶ沢露樹戦では人生における自分なりの幕引きを図るため、自身の夢想世界の原動力である眼球をアンブロシアに明け渡し、自身は冠域を解除して死を迎えた。


【能力】

 不死の夢。破壊された肉体や精神を任意に再生させることができる。

 夢想解像によって人狼の肉体を生み出し、持ち前の腕力に物を言わせた爪撃は一撃でボイジャーを沈めるだけのパワーを持つ。俊敏さには欠けるものの、人間時代に培ってきた戦闘経験に言わせた所作の無駄のなさから近接攻撃には自信があり、冠域生成による不死の能力も併せて無敗の経歴を誇ってきた。


『固有冠域:不死の帷』深度:2000

 周囲に歪んだ時計のようなものが浮いた空間を生成し、その内部で"死に対する耐性"を持つ。他の冠域と違って常に周辺空間に自分の空間を主張し続ける必要はなく、限りなく省エネ化されて効率を求めた彼の冠域生成によって低い深度でありながら、持続的に効果を発揮し続けることができる。

 また、自身の主張する冠域の深度が低いため、他者の冠域に対して空間自体の競争を仕掛けることもなく、どんな空間の中でも不死の能力が乱されることがない。



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〇クラウン

〇反英雄

〇海賊王

〇謎の少年

○鯵ヶ沢露樹


 彼らに関しては、3章以降に登場の機会が多いため、その際に紹介させて頂きたいと思います。

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