第6話

「そ、それも大事だが! お、お前! 話し言葉が変だぞ!」

「へ? お、俺? 変か?」

「ああ、その昨日までは不良のような話し言葉使って、俺はいつも怖くて少し引いていた! だが、今日は変だ!」

「そうか? いつもこんな感じだぞ」

「うんにゃ、なんていうか。丁寧な言葉を使っているんだよ。チーッスとかオラーとかも言わないし!」


 そういえば、こいつは不良だった。

 ただ、不良なくせに物知りだったから親しかったんだ。

 けれど、今のこいつは丁寧なところがあって……あれ? 性格が真逆だぞ?!

 なんだか怖いんですけど……。


「ふーん。まあ、後で明日のテストの傾向を教えてくれよ」

「うぎっ! それはお前の役だったろ!」

「え? お前の方こそ。今日はなんか話がかみ合わないな。……まあ、仕方がない。とりあえずは、テストの傾向な」

「……あ、ああ」


 もしやと思って、他の知り合いの性格を調べるため色々と聞いて回ったが……皆、性格が真逆だった……。


 こ・こ・が・影の世界だからか?


 一番、ショックを受けたのは、同じクラスの学校一のマドンナの獅子野ししや 恵さんが、憧れていたおしとやかな性格ではなくて、品のない黒ギャルになっていたことだった……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る