第11話 暗闇の中、熱い身体

「……んっ、べとべとしてる……んんっ、ハァハァ……んっ」


「……ハァハァ……」


「あっ、んっ……よいしょ……んんっ、あっ、べとべと……全然、脱げない……んっ、あっ……」

 昼下がりの美鈴の部屋の中。

 視界が隠されたことによって研ぎ澄まされた聴覚には、衣擦れの音と、美鈴の煽情的な息遣いだけが響く。


「んっ、あっ……んんっ……ハァハァ……ふ~、やっと脱げた。汗とか色々、すごくて、べとべと、引っ付いて……ふふっ、風が直接当たって、涼しい……それに、敏感になってる、色々。先っぽの敏感なところにいっぱい風当たってる」


「ハァハァハァハァ……」


「こっちも脱がないと。脱いでからじゃないと、入らないよね。んっ、あっ……やばっ、こっちの方がべたべとしてる。べとべとして、色々引っかかって……やばっ、全然脱げない……んっ、よいしょ、ん、んっ……ダメ、全然ダメだ。べとべとで、ぐちょぐちょで、全然下がってくれない……んんっ、あっ、んっ……ハァハァ」


「……ゴクッ」

 美鈴の荒くて甘い息遣いに思わず生唾をごくりと飲み込む。

 視界がない分、耳と頭に血液が集中して、耳で聞いた音声が頭の中で瞬時に妄想に変わっていく。


 ベトベト、ぐしょぐしょ、敏感、喘ぎ声……やばい、もっと身体が熱くなる。ほっぺも、身体も下半身も……一気に熱くなって、固くなっていく。

 目隠しされてる分、背徳感とか色々イケない感情が渦巻いて、もっともっと興奮が止まらなくなってくる。興奮しすぎて、身体が持たなくなってくる。


「ハァハァハァ……んっ、ごくっ……ハァハァ」


「んっ、ダメ、脱げない……ねぇ、柚希手伝って……柚希が脱がして、美鈴の。私一人じゃ脱げないから、柚希脱がして。私のこれ、柚希が脱がして。柚希に、脱がして欲しい」


「!?」

 そんな興奮して、自分のコントロールも難しくなりそうな俺に、少し離れた位置で脱いでいた美鈴がぴちゃぴちゃ近づきながらそう声をかけてくる。


「気持ちいい、柚希? 私結構自信あるんだけど」


「ん、ん! き、気持ちいい!!! ひんやりして、むっちりして、でもすべすべ! 指だけじゃ、もったいない! 美鈴、美鈴、もっと!!!」


「あはっ、そっか……でも、終点。残念でした、またあとでゆっくり……じゃ、お願い、柚希。私の、脱がして……美鈴の大事なとこ、見せて」

 そして、俺の返事なんて聞かずに、強引に俺の指をすらっとキレイな脚に這わせて、そのまま濡れる布を掴ませる。濡れてはいるけど、触り心地が良くて、ふんわり匂う、そんな憧れの布。


「んっ、あっ、んんっ……ハァハァハァハァ、美鈴……んっ、んっ……ハァハァ」


「アハッ、柚希、息荒すぎ! 柚希の熱い息、いっぱい感じる……んっ、あっ、んんっ……アハハ、柚希の熱いの、敏感なとこ、いっぱい当たって、美鈴気持ちよくなってる……んっ、あっ、柚希……ハァハァハァ」


「んっ、ごくっ、んんっ……ハァハァハァ……」

 ……やばい、理性が弾き飛びそうだ。

 脳に酸素が言ってないのか全然考えられなくて、ただ美鈴の気持ちいい息遣いと、ぴちゃっと濡れるパンツと、触れる脚のムチっと気持ちいい感覚が……やばい、飛びそう。色々、飛んじゃいそう……飛んでいいんだっけ?


「んっ、柚希、やばっ……息も、指使いも、やばすぎ……ハァハァ、もうちょっと。もうちょっとで、脱げる……ハァハァ、後少しだよ、柚希」


「ハァハァハァ……んっ、んっ……」


「柚希、ホント、すごすぎ……んっ、終点。ご褒美上げる、柚希……んっ、これな~んだ?」


「ハァ……んっ!?」

 脚の感覚が細くなっていき、足を通過し、パンツが俺の手元に来る。

 それと同時に、鼻先に蒸れた汗混じりの独特な匂いと、ぴちゃっと気持ちいい小さな感覚が……!


「あ、足の指! み、美鈴の指! あっ、んっ……ハァハァ」


「ふふっ、正解だよ、柚希……ふふっ、柚希の舌、長くて気持ちよさそうな形してる……そんなに舌伸ばして、私の指、舐めたいの? 私の指、食べたいの?」


「ん! ん! ハァハァ……んっ!?」


「だーめ、お預け。今はダメ、我慢して。今は我慢、美鈴食べるの我慢」


「んっ、あっ……ハァハァ」


「ふふっ、なんだかワンちゃんみたい……柚希、お座り。お預け、我慢我慢。今は美鈴のパンツで我慢して……それなら好きなようにしていいから。柚希の好きなように、していいから」


「ハァハァ……わんわん……んっ……ハァハァ」

 ……今、俺の手の中には美鈴のパンツがあるんだよな?

 美鈴の脱ぎたてホカホカびちょびちょパンツ……これ、好きなようにして、良いの? 見えないけど、雰囲気と匂いで分かる……これはやばい、美鈴を感じすぎる。エロすぎる、これ。

 本当に俺が、これを好きなように……ごくっ。


「ふふっ、柚希のも、えっちな匂いする……それに、大きくなって、じんわり濡れて……柚希のもいい感じ。すごい濃くて、えっちな匂い」


「ハァハァ、美鈴……これ、美鈴の……んっ、あっ……美鈴のパンツ、やばっ、美鈴のパンツ……ハァ、ハァ……」


「柚希の凄い、今すぐ……柚希? 柚希……!」


「やばっ、湿ってるけど、いい匂い……美鈴のべちょべちょ……あ!?」

 渡されたパンツを使って、色々楽しもうとしていると、そのパンツが急に取り上げられる。


「な、何!?」


「な、何ってその……やっぱり禁止! 柚希が私の事じゃなくて、パンツに行きそ……んんっ! とにかく禁止、禁止! 柚希はこっち……んっ!」


「え、それは美鈴が……!?」

 拗ねたようにそう言った美鈴が俺の手を取る。

 そしてその手は、何かふにっと柔らかいところに当たって……!?


「ふふっ、触り方えっちすぎる、柚希……こんなの、私……んんっ……ハァハァ、ねえ、柚希? 今の私、どんな格好してると思う? 柚希の目の前で、美鈴はどんな格好してるでしょうか?」


「柔らか、吸い付く、それに……え?」


「今ね、美鈴裸だよ。パンツも何も身に着けてない、すっぽんぽん……今、柚希の目の前には全裸の女の子がいるんだよ……柚希の目の前にいるのは、全裸で、すべてをさらけ出した、美鈴だよ?」


「!?」

 柔らかいところをギュッとしていた俺の手に、さらに力がこもる。

 そんな感じはしてたし、妄想もしてたけど、やっぱり美鈴、裸で……じゃ、じゃあこれ……ごくっ。


「柚希、何かわかった? 美鈴のこれ、何かわかる?」


「全裸、美鈴……ハァハァ、柔らか、やばっ……姉ちゃんと同じ……んっ、ごくっ……!」


「え~、お姉ちゃん? も~、柚希はえっちだな……それにちょっと嫉妬しちゃう。女の子の柔らかいところ触ってるときに、他の人の名前出すなんて……美鈴、嫉妬しちゃうな?」


「!? ハァハァ……美鈴、美鈴……美鈴、美鈴!」

 女の子の柔らかいところ……やばい、もう抑えられない、身体が止まらない。

 目の前に全裸の女の子が居て、俺はその……もう止まれない。

 もっと触りたい、もっと美鈴感じたい、舐めたい、吸いたい……あうっ!?


「だからだ~め。舐めるのはお預けだよ、今柚希に見られて、汗かいて汚いから、ダメ。柚希舐めるの禁止、ダメ……ホントに汚れちゃった……もう一回、シャワー浴びたい。美鈴、柚希には一番が良いから……だからシャワー浴びたい」


「良い、汗かいてていい……むしろそれが良い! 美鈴、美鈴……ハァハァ……」


「もう、本当にワンちゃんみたい……息荒くて、必死に求めてて可愛い……でも、やっぱりダメ。柚希には美味しい美鈴、食べて欲しいから……ちょっと待ってて、柚希……今はこれで満足して」


「ハァハァ、美鈴、美鈴……はぐっ!? ハァハァ……んっ……」

 またしてもお預けを食らった俺の開いた口に、何か湿ったものが突っ込まれる。

 湿っていて、でもさっきのパンツとは違う、香ばしくて、ステキな香り……な、何!?


 そんなあたふたする俺に、美鈴は耳元に甘い声で、

「ストッキングだよ、今日はいてた……ちょっと待ってて、柚希。私、シャワー浴びてくるから。柚希には一番美味しい美鈴、食べて欲しいから……ちょっと待っててね、柚希……おりこうさんで待てる?」


「はう! はう!!!」


「ん、よろしい……それじゃあ、ちょっと待ってて、柚希」

 そう言った美鈴に、俺は頭をナデナデ撫でられて。

 そうしてぴちゃぴちゃいやらしい音を立てながら、美鈴が部屋を出ていく……!


「ぷはっ……ハァハァ、美鈴、美鈴……ハァハァ……んっ、美鈴の匂い、美鈴の……ごくっ」

 出て行った瞬間、俺は口に詰めこまれていたストッキングを吐き出して、フローリングに寝転がる。


 視界はないけど、匂いで分かる。

 美鈴がここにいて、美鈴が裸で、美鈴のお尻が、胸がここに、ナマで……やばい、やばい、やばい!!!


「美鈴、美鈴、美鈴……美鈴、美鈴!!!」

 我慢しようと思ってたのに、美鈴がしてくれるまで我慢しようと思ってたけど、我慢できない、やばいやばいやばい……!!!


「美鈴、美鈴、美鈴……ハァハァハァハァ……」

 こんな美鈴の匂いに囲まれて、こんなに美鈴がいっぱいで、これだけお預け食らって……ハァハァハァ……


「美鈴、美鈴、美鈴……ハァハァハァ……んっ、はぁ……」

 ……やっちゃった。匂い凄いな、絶対凄いの出たもん……はぁ。


「……ハァ、ごめんなさい……美鈴」

 ……ダメだ、俺……我慢も出来ない……最低だ……

 ていうか、俺そもそも美鈴とあんまり仲良くないのに、こんなに……美鈴だって、多分義務感で、俺がエロイ事考えてるから、仕方なくああ言う事……俺のせいで、美鈴もあんな、だって俺と美鈴、そんなんじゃないし、美鈴は俺の事……ごめんなさい、ごめんなさい……すみませんでした。



 ~~~


「んんっ、柚希、柚希……ハァ、ハァハァハァ……んっ、柚希の、すごい、柚希の熱くて、おっきくて……ハァハァ……んっ……ハァハァハァ……我慢、出来なかった……ハァハァ」

 ―だって、柚希がすごいんだもん。

 柚希が、すごくて、柚希の……あ、あれ? あれ、あれあれれ!?


 ―私、さっきまでとんでもないことしてた? 私、柚希に、無理やり! 気持ち昂りすぎて全然覚えてないけど、柚希、私の⋯⋯色々、確認してない、色々⋯⋯あー!!! 冷静なったらめっちゃやばい! やばいやばい!


 ―私だけ、ノリノリだ! わたしだけ盛り上がって、美鈴の事食べて、とか裸で挑発したりとか、パンツ⋯⋯あー、どうしよ、どうしよ! 完全に痴女だ、これじゃ柚希、ドン引き⋯⋯あ!


 ―そうだ、私……柚希だけの、美鈴になるんだ。だから、そうだ……柚希に、見てもらうんだった。柚希に美鈴……見てもらうのが、最初だった!


「うー⋯⋯よし! しゃい⋯⋯しゃい」 

 ⋯⋯でも一回、頭冷やそう。 

 ちょっとその⋯⋯調子乗りすぎた、完全に痴女になってた。柚希のこと色々考えすぎて、完全に痴女だった。


 その、えっと⋯⋯私のこと、嫌いにならないでね柚希。





 ☆


「……」


「コンコン……は入っていい、ですか? ゆ、柚希?」


「ふえっ!? う、うん、どうぞ!」

 美鈴に罪悪感を覚えて、汚れた気持ち悪いパンツを処理せずに位置を覚えていたファブリーズを何回もして正座して⋯⋯強めの賢者モードで待つこと数分。

 ドアをノックする音とともに、どこか申し訳なさそうな美鈴の声が聞こえる……い、良いですよ! 入って、美鈴……色々ごめんなさい!!!


「何で謝るの柚希が……悪いのは私……とるね、目隠し……怖い思いさせてごめんね、柚希」


「え、美鈴は良いよ……あっ……あ!」

 スルスルと目隠しがとられ、久方ぶりに視界が戻ってくる。


「えへへ、柚希……美鈴、可愛い? 美鈴、可愛くて……柚希の視線、独り占めできますか?」

 眩しい光に照らされた俺の視線の先には、和風メイドのコスプレをして、純粋な笑顔でニコッと笑う美鈴が立っていた。



 ★★★

 垢BANなったら多分この回が原因でしょう。

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