まったりM&A現場閑話★努力義務

4/1に始まる自転車乗る際のヘルメット着用の努力義務が話題ですね。


契約の場面でも出てきます。

努力するくらいいいじゃん?って思うかもしれません。

でも実は契約の正解では、『努力』を形容する言葉によってニュアンスが変わるので注意が必要です。


(1)Best effort

通信会社もベストエフォート形式だから最大速度が出なくても良いんです、とか言ってますが、英文契約では……


『ありとあらゆる手段で努力をし尽くさなければいけない』


つまり、どんなにお金がかかろうが努力をし続けなければいけないという、超重いニュアンスです。


(2)Reasonable effort

『合理的な範囲での努力』


かなり和らぎましたが、どのレベルが合理的なのか?という論点は残ります。


(3)Commercially reasonable effort

『商業的に合理的な範囲での努力』


……つまり商業が成り立っている範囲で努力せよ。と言う意味です。

逆にいえば、赤字になってまで努力する必要はないと言うことですね。


M&Aでは、契約後の許認可取得とか役職員の雇用継続とか、

当事者だけの努力ではどうにもならないことに対しても努力義務を規定することがありますが、とてもBest effortはできません💦


「俺って誠実だから最大限努力するぜ?」


とかかっこつけないように気をつけてくださいね!

あくまでBest effortは女性をデートに誘うときだけにしておきましょう♫

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