【完結】空飛ぶハンカチ!!-転生したらモモンガだった。赤い中折れ帽を被り、飛膜を広げ異世界を滑空する!-

ジェルミ(Germi)

第1部 始まりの物語

第1章 異世界転生

第1話 モモンガ転生

〈〈〈〈〈 キィ~~~~~~!! 〉〉〉〉〉


 眩しいライトが輝く。


 ガシャ~ン!!


『あっ、間違えた!!』


 ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇


「う、う~ん。ここはどこ?」


 目を開け周りを見渡すと白い靄のような空間に居た。


『気がつかれましたか。ここは現世とあの世の狭間はざまです』

「狭間?あなたは」

「私はこの空間を管理している者です」

「それなら女神様でしょうか?」

『あなた方の概念から言えばそうなるでしょう』

「どうして俺はここに?」

『あなたは残念ながらお亡くなりになりました』

「死んだ?!」

『えぇ、そうです。仕事帰りに信号無視したトラックにはねられました』

 最後に見た光はライトだったのか。


『ですがお詫びしなければなしません』

「詫びることがあるのでしょうか?」

『えぇ、そうです。実は亡くなるのは本来、あなたの後ろを歩いていた人でした』

 俺は話を黙って聞くことにした。

『しかし、その人が物を落とし拾う際に立ち止まり、あなたが追い越したのです』

「俺が代わりに撥ねられたということですね」

『そう言うことになります』

「しかし、今までのことがあまり思い出せませんが…」

『えぇ、この世に未練が残らない様に経験や知識はそのままですが、それ以外のことは忘れるようになっています』

「そうですか…」


 確か俺は森野もりの 玲央れお23歳。

 大学を出て地方から出てきて、やっと会社にも慣れて来たころだったのに…。



『お詫びと言ってはなんですがもう一度、生まれ変わりませんか?』

「どういうことでしょうか?」

『以前の世界は無理ですが、別の世界になります』

「転生すると言うことでしょうか?そして転生先は剣と魔法の世界でしょうか」

『よくおわかりですね。その通りです』

「そう言う世界の話は大好きでしたから」

 田舎から出て来た時は大都会で一人、寂しくて現実逃避の手段として、よくファンタジー小説や漫画は読んでだからね。

 そのファンタジーの世界でもう一度、やり直せるなんて。

 今度は貴族の息子かな?それとも勇者だったりして。

 楽しみだ。


『あなたが生活できるようにスキルを授けます。望むスキルを言ってください』

「では無双とスキル習得率UPと成長速度向上です。魔法も使えると嬉しいです」

「わかりました」

「あぁ、それからできれば長生きをしたいです」

「それも付けておきますね。これよりあなたは生まれ変わります。良い旅を…」



 そう言われたはずだが…。

 日差しが眩しい。

 どうやら転生したようだ。


 ここは森のようで高い木々が周りに生えている。

 俺の両腕を回しても手が届かないくらいの大きな木々。

 周りにはバスくらいの大きさの高くて太い木々や、大きな葉っぱが…て、おい!

 おかしくないか?


 そしてやけに視界が低い。

 まるで周りが大きいのではなく、俺自身が縮んでしまったように。

 まるでコロボックルのようだ。


 そして違和感を感じ手を見ると赤褐色の毛が生えていた。

 なんだこれは?


 すると突然ステータス画面が目の前に現れた。

 名前:レオ

 種族:神獣モモンガ

 年齢:…

 性別:オス

 レベル:78

 HP 3,000

 MP 5,000

 攻撃力 5,000

 防御力 7,000


【スキル】

 異世界言語

 鑑定

 無双

 スキル習得率UP

 成長速度向上

 魔法:未収得


 食べる物:木の葉や樹皮、花やつぼみなど


 なに~~~!!レベル78。

 俺チートか?


 しかも希望した通りのスキルと鑑定まである。

 HPや攻撃力が異常に高い。

 魔法は未収得だなんて。

 これからの行動で習得できると言うとこかな。


 しかし長生きをしたいとは言ったけどまさか神獣だなんて。


 確かに人族が良いとは言わなかったけど。

 転生と言えば人族でしょう、普通は。


 仕方がない。

 ここまで来たなら引き返せない。


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