Lost and found

りりちょ

第1話

幼少期に父と母が離婚した。父は曾祖母の家に私を預けたが、宗教、拝み屋、教材売り、ネズミ講にどっぷり浸かった祖母が居た。

曾祖母は耳が聞こえない。


私が4歳の頃、幼稚園で熱が出て、祖母に迎えの連絡がいったのだが、急かされたせいで、携帯をトイレに落として怒り、怒りのままに運転をしていたら、前の遅い車にさらに怒り、玉突き事故を起こした。

無保険無免許の車で玉突き事故を起こしたせいで、金額は大きく、祖母は

「とろとろ走ってるお前が悪い。」

と、相手を責め立てた。

私の父と、相手方の旦那さんが呼び出されたが、祖母の態度に激怒した旦那さんは怒ったそうだ。

父が頭を下げ、その場は落ち着き、支払いだけが残ることになったが、祖母には支払い能力がない為に、父が保証人になった。

幼稚園には近所の方が迎えに来てくれたが、家に帰った私は、祖母に

「お前のせいで携帯を落として事故った。」

と、殴られた。


祖母の借金を肩代わりし、疲弊した父は女に逃げた。

彼女の息子、娘とは旅行に行くが、実の娘である私を旅行に連れていくようなことはなかった。

父は、母が妊娠している時も、母の妹と不倫をしていたとも聞いていたので、女性が好きなんだと思う。

父はよく

「お前の人生はお前が好きにしたらいい。俺には関係ない。」

と、言っていたが、全くその通り、祖母に殴られようと、食事ができなかろうと、給食費が払われていなくとも我関せずな姿勢には、中学生の頃には父親だと認識しなくなるくらいには、言い分が通っていたように思えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る