異世界から帰還した勇者、チート能力を駆使して現実世界無双 え、異世界から元パーティメンバーが追いかけてきた⁉︎

海洋龍

プロローグ

「とどめだ、魔王! 聖剣神威‼︎」勇者の聖剣が白金の光を放ち、魔王の心臓を貫く。

「馬鹿な、この我が矮小なる人間ごときに!だが覚えておけ、我が破れようとも第二第三の魔王が必ず貴様らを滅ぼす!その事をゆめゆめ忘れるなぁぁぁぁ‼︎」


お決まりの台詞を吐きながら徐々に灰になり崩れ落ちる魔王。


「やったのか?遂に倒したんだな!」

「ようやく、終わったんですね。」

「魔王の生命反応は確実に消えてるから間違いないわね。」

「流石は神の使徒である勇者様ですね。」


盛大にフラグを建てる剣聖、魔力枯渇ぎりぎりまで使った影響でへたり込んでる魔道士、最後まで用心して魔王が生き残ってないかを確認する賢者、勇者を褒め称える聖女。


「ああ、倒したんだ。でも、俺だけじゃ倒せなかったし、一人じゃ魔王城に辿り着けなかった、皆んなが一緒だったから出来たんだ。これは俺だけじゃない、皆んなで掴んだ勝利だ。」

「そうだな、勇者殿の言う通り、我々皆んなで掴んだ勝利だな」

「そういうところが勇者様の良いところです」

「最後の技は私達の全力を出して編み出せた技だしね」

「最後まで謙虚な姿勢、それでこそ勇者様ですね」


俺、東城アルトはちょっと前までは普通の高校生だった。だが、ある時異世界に召喚され勇者として魔王討伐を頼まれた。辛い事もあったが良い仲間達と共に魔王を倒せた事は一生忘れないだろう。

剣聖カルナ・エージル

魔道士イーナ・フォルス

賢者リーファ・ユグドラシル

聖女エリーゼ・メイム

彼女達と旅をした時間は有意義なものだったと胸を張って言える。


その後、王都に戻り魔王が倒された事が発表され、凱旋式に出て、祝勝会などに世界を救った勇者パーティーとして参加した後、王都の後ろにある小高い丘の上で俺はこっそりと元に世界に戻ることにした。


「さて、そろそろ帰るか」

そう言って魔力を練り上げ始めたその時こちらに近づく気配を感じ取った。


「良かった!間に合った!」

「探しましたよ、勇者様!」

「もう、勝手に居なくなるんじゃないわよ!」

「水臭いですね、勇者様」

「みんな....」


カルナ、イーナ、リーファ、エリーゼがやって来た。

「勇者殿の事だ、どうせ黙って帰ろうとしたんだろう?」

「せめて、一声かけてほしかった」

「一緒に旅してちょっとだけど貴方の考えが少し読める様になったからね」

「だから、せめてお見送りだけでもさせて下さい」

「みんな、ありがとう。」


俺はみんなに感謝を述べると改めて魔力を練り上げた、すると俺の足元に魔法陣が浮かび上がり、転移が始まった。


「勇者殿、いつかまた剣の稽古をつけてくれ!」

「分かった、カルナ」

「勇者様、また魔法の開発を手伝ってくれる?」

「勿論だ、イーナ」

「アルト!まだまだ教えてない事はいっぱいあるから、今度会ったら続きをやるわよ、いいわね!」

「お手柔らかに頼むよ、リーファ」

「勇者様、また勇者様の世界の事を色々教えて下さいね」

「勿論だよ、エリーゼ」


もう会う事は叶わないかもしれないけど、みんなには一応誓っておこう。(答えないと皆んな不安がるから)


「さようなら、みんな」


こうして俺は元の世界に帰還した。

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