転生したら俺は生きることに全力を尽くしたい

シュラハト

第1話 目を覚ましたら

……うーん空がきれい


目を覚ましたらボロボロの、服

ボロボロの、身体

筋肉の無さすぎる身体

出ない声


やっば、しかもこれ転生じゃん


魔法の世界かなぁ


お腹すいたや……


……うん、しぬわ

「まだ春っぽいし、何かしらできるよな…」


街中だからゴミ漁りしかまだ出来ない


こっちの記憶だと、子供すぎて働き口がそう簡単に見つからない上に親もいない、孤児院出身でもないから空腹しかない


仕方なく動いてよっこらせ状態から立ち上がり



「マジで…うわ、スラム……かな、路地裏の」


こっちの記憶だと…?


「……そもそもここ何処だろ」

記憶的には…ダメだ、気づいたらここに居た感じだな、街の名前もよく分からない

でもそこそこデカイ街というのはわかる


頭の中に街のどこの方向にスラムがあるのかとかは何となくわかる分かる


「こっちに…あった」

よく漁るゴミ捨て場に行く道

この世界でゴミ捨て場はスラムの人がゴミ処理をする、ひろったゴミを重さを量ったりして日銭を稼ぐ


そのお陰で街は綺麗になりゴミも少ない

もちろんそのせいだけじゃないけど


生ゴミの類はちゃんと捨ててるお店や家があるけど、出店で落としたりバナナ(モドキ)の皮だったりがあるとそれはスライムが食べてしまうのだ


そして、トイレ掃除

それも街からの依頼でスラムの人がやる

日雇いに近いけどそこから病気を貰っても十分に街が負担してくれるからと、割とやる人がいる


なんにせよトイレ自体、幾つかあるけど

すぐ埋まる


……やっぱりスライムいるから魔法あるよな


こんな不思議生物、地球に居ないし


俺自身に魔法が使えるかは不明だけどな


ひろったゴミをさらに拾った袋に入れてゴミ集積所に並ぶ(たまに集積所から貰う人もいるけど)

中にはスラム以外の貧困層の人がゴミを仕分けしたりするらしいがそこは面接がいるらしい

そこは定期的にお金が貰えるから貧困層的には

憧れだろうな


なんでそんな話を?


俺を挟んで大人たちが話してるから話が聞こえるからですかね


ゴミ処理以外にも定期的にお金が入る人は羨ましい

少なくとも何時かはスラム街から出られるから

あと街を出られる

村に移住するなんて手もある(周辺程度のの大きな村なら問題はなく暮らせると思う)


やり口は色々だ


その中でこの街に

1番やりやすい

かつ

1番死にやすく

かつ

1番出世出来る可能性がある


それは冒険者、探検家だ

どちらも違いは無い(基本的には)


冒険者は依頼を受けたり獲物をとって得る


探検家はダンジョンに引きこもりたくさん素材や財宝をとって得る


どちらも違いは無い(2回目)が

本人たちが好きに名乗ってるといった風潮が強い


それはそれとしてだ

こんなボロシャツだと仕事も、なにも貰えない


体は臭いし、不衛生だ


歯は……意外とまだセーフ

歯磨きしなければボロボロだからなぁ…


あ、そういえば貴族っぽい屋敷に生えてるミントモドキ噛んでたっけ、んでひろった枝で磨いたっけか

気に入らない枝毛だったらおったりしてさ


謎に前世の記憶使ってたな

べんり〜



そんなこんなしてたら、お金が貰えた

拾ったものを数えたりしてくれたら大体2000円くらい


まぁ、これも数日で無くなる

取って置ければいいけど、そうするとすぐ盗られる


はぁ…よく生きてこれたな俺


さて、どう生きよう、これから…


名無しの子供がやれることは貴族に売られて身体を求められるか死ぬかぐらいだからなぁ




……お腹すいたけど今日はまだ我慢だ




というか【異世界転生】なんだからチートくれ




記憶が戻る前に拾った小袋にいれる


服とズボンの間に挟んで移動する


さて、マジで考えたけど少なくとも前世の記憶が戻ったからか、知識はそこそこある


俺個人としては頭を動かすことは出来ないけど

(と言うかかなり苦手な部分はある)

それでも無いよりましたろう


表通りは人がいる

が、表通りなら人の目があるから

俺みたいなやつを簡単に手を出すやつはそう居ない

たまにいるけど


でも路地裏スラムよりましだ


さてはて、汚い俺をチラチラ見られながら表通りを歩いてると壁沿いに来た


この壁は外から魔物を守るため

と記憶の中にはある

門には常備警備員がいる、いや騎士?

まぁそんな感じの人


「ん?」

あんまりこの街を広く見てなかったけど……


この世界でもあるんだな


「ゴミ屋敷…」


普通の一軒家なのに、めちゃくちゃゴミが庭まで…

歩く場所なくね?

玄関辛うじて見えてるくらい…


庭付き一戸建てって、壁沿いはそこそこ値が落ちるとはいえちゃんとした家だろうに……(いや、相場は今何となく思っただけだから本当はほかよりも高いかもだけど)




不思議に思いながら花壇がある生垣に近づく

スライムのおかげか嫌な匂いはしない

ネズミはいるけど、さっきゴミ山に駆けて行ったんだが??


でもこれはコレでいいのかもしれない

スラムの人間がここのゴミを取らないのは敷地内だからだ

なによりゴミを放置してるということは人がいる

勝手に集めてくるのだから少々とっても問題ないだろう


早速生垣の影にある衣類を何着か拝借


盗ってないよ、有効活用だよ

ボロボロだけど自分が着てるものより着やすそうだと思っただけだよ


あ、これ…虫眼鏡?

これも拝借しようか


盗ってない盗ってない

だって片付けないのが悪いもの


【名前:名無し

魔力:有・体力:小・犯罪履歴無し

孤児でホームレスな為か筋力は少ない

『状態』:空腹】


……は?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る