第18話 マーガリン

 旦那と一緒に、私の実家に泊まった。


 旦那が、朝食にトーストを食べたいというので、パンをトースターにセットしてやった。


 「焼けたら、マーガリンは冷蔵庫から自分で出して、ぬってな」


 と言って、別の用事をしにいった。

 

 戻ってくると、マーガリンをぬらずに、トーストだけをゴソゴソ食べている。


「どしたん? なんでマーガリンぬらへんの?」


 と、聞くと、旦那は渋い顔をした。


「冷蔵庫開けたら、マーガリンの入れ物があちこちに一杯あって、びっくりした。


 それでとりあえず、いくつかフタをあけてみたんや。


 けど、漬物つけものやったり、つくだ煮やったり、海苔やったり、たらこやったり、晩御飯のおかずの残りやったり。


 全部ハズレで、パンはつめとうなるし、あきらめた」


 ああ、そうだった。


 母は、マーガリンを使った後の入れ物を洗って、再利用するのが好きだ。


 パチッと閉まるフタつきだしね。


 マーガリンと私の母は、クセモノ! である。

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