第30話 行動家と微糖のコーヒー

 玉城は、大通り沿いのコンビニの前で、1人タバコを加えている。

 最近は電子タバコがはやっているのは、わかっているが、玉城的には、移行するつもりはなかった。


 彼の少ないこだわりの一つであった。


 右のポケットから、大きな音な着信音で、ふと我に帰る。


 仕事がらマナーモードにしている事はない。

 

 見慣れない電話番号だが、関係ない、玉城は、直ぐに電話を取り、軽快に電話に対応する。


 電話越しの相手の会話の内容に玉城は、眉間にシワを寄せた。

 電話相手の話した内容は、仕事ではなかったからだ、その内容とは、

 『春のストーカーの件』であった。


 「まったく、なんの用事かと思えば、さっきの奴のダチか、俺は忙しいんだ、後にしてくれないか」


 先ほど相手した相手が、連絡先を教えたのだろう、暇なら相手してあげてもよいが、忙しくなる時間だ、その気にはならなかった。


 「忙しいのは、わかるが、こんな話を中途半端に聞いたら、いてもたったも、すまないが、ちょっとだけでも時間をくれないか、今、松山の大通り沿いのコンビニにいるんだ」


 

 玉城は、眉をひそめた、先ほどいざこざあったのが、1時間とちょっと前、その間に連絡を取り合ってわざわざ足を運んだのか、そう思って後ろを振り返り、コンビニの中を見ると、名刺を持って電話をしている男性が目に止まる。


 (連絡を聞いた訳じゃなくて、直接会って名刺を貰ってそのまま、こっちに来たって訳か)


 少しほくそ笑み、電話越しに伝える。


 「外見てみろ、外で電話してる金髪が俺だ、微糖のコーヒーを買ってきてくれたら色々話してやってもいいぞ」

 

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