【SF】異世界開拓団 ~ 人類創生から始める異世界生活

えどまき

第一章 異世界の無人の惑星にテンプレはありません。

1:01 Prologue

ANOTHER WORLD DEVELOPMENT ORGANIZATION


COMMANDER: Col. Alfred Forrest (U.S.)

STAFFS:  284 Virtual Entities

LOCATION: Moonbase Data Center on the moon of the planet NEWHORZ

MISSION:  To create a human civilization on NEWHORZ

STATUS:  Arrived and started its mission



NEWHORZ POPULATION: 0





司令官日誌コマンダーズ・ログ アルフレッド・フォレスト

西暦  Aug.10.20xx

新界暦 000.631.04.05


 本日、開拓団の主力となる人員が無事に転送アップロードされてきた。

 次の、そしておそらくは最後の人員の追加は、地球時間で二日後、こちらの時間ではおよそ二〇日後の予定となっている。

 地球の状況を考えれば、たった二日といえども楽観はできない。第一陣をこちらに送れただけでも幸運と言える。第二陣も全員無事に来られるといいのだが。


 とりあえずは人員が揃ったことで、これから開拓も本格的に始めていかなければならない。

 急な方針の転換により、開拓計画はほとんど白紙状態もいいところである。あの混乱の中では止むを得なかったとはいえ、準備期間さえほとんど得られなかったのが悔やまれる。

 当初の計画よりは大幅に短縮されることとなったが、とはいえ、我々が役目を終えるのにいったいどれだけの年月がかかるのだろう。

 異世界の無人の惑星で人間を作り出し、地球文明の後継となる社会を築くという遠大な使命ミッションである。百年やそこらでは済まないだろう。

 さらに、我々が創ろうとしているのは人であり、社会だ。単純に機械を組み上げるようにはいかない。紆余曲折が予想される。


 先々を考えると不安は多々ある。だが、かつて祖先が新大陸を切り開いたときはもっと過酷であったはずだ。それに比べれば、我々には知識も技術もある。環境だけは充分恵まれていると言えよう。

 必ずや、なし遂げねばならない。



 願わくば我らと、これから産まれてくることになる新人類に神の祝福があらんことを。


―――この人造の異世界、すなわち 万物UNIVERSE が人の手によって創られた世界に、神などというものが存在する余地があるのかは大いに疑問だが。

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