日本がワールドカップを優勝する為の提案

逢明日いずな

第1話 2022W杯 〜PK戦は運だけでは勝てない〜


 ワールドカップ ベスト16 おめでとうございます。


 クロアチアとのPK戦は、とても残念でした。


 ドイツとスペインに勝利して、クロアチアに敗戦、ノックアウトステージでは、弱さが出てしまったように思えます。




 あのPK戦の時、日本の1番目の選手が動き出した時、私が思った事です。


(あっ! 止められた)


 これは、偶然なのかと思って終わりにしてもいいのですが、次の選手が、この状況で、同じ方向に打てるのかなと思いました。


 最初を止めても、次が決まれば、問題無いですが、一度止められた場所に、次の選手がボールを打てるかどうかになります。


 クロアチアのキーパーの人は、視線や足の動きなどから、あの時どの方向にボールが飛ぶのか、そして上か下かまで、分かってその方向に飛んだと思います。


 一対一の対戦ならば、格闘技の対戦と一緒で、PK戦となったら、攻撃側と防御側も決まっている。


 攻撃だけと防御だけを考える格闘技ではないでしょうか。




 格闘技というのは、相手の微妙な変化を読み取り一瞬で攻守が交代する。


 サッカーも同じで、一瞬で攻守が交代するとなったら、格闘技と同じ性質の競技と言えます。


 そんな中でPK戦は、極めて特殊な競技方法を取っております。


 攻撃と防御が完全に分かれているなんて、格闘技の試合では全くあり得ない状況という事からも、通常のサッカーの試合とは全くの別物と言えるのではないでしょうか。


 ゴールを決めるために、フィールドを走って、パスで相手のディフェンスを崩し、ゴールを狙う前後半のプレーとは全く異なるなと、素人の私には思えました。


 ファールによるPKだったとしても、外した後はインプレーとなり、こぼれ球をゴールする事も可能なのであり、延長戦後のPK戦は、試合とは全く別物の戦いだろうと思います。


 PK戦とは、柔道の試合が延長戦で決着できないから、空手で決着をつけましょうと言う程に、大きな違いがあると思います。


 それ程、一蹴りに大きな違いが有ると思われるのに気持ちの切り替えを、どうやって行っているのか、選手の人たちには頭が下がる思いでした。




 ただ、これが、サッカーのレジェンド達はどうでしょうか。


 リーグ戦でレジェンドが戦っている際、PKを取った時に蹴りましたが、見事に決めてました。


 その時の解説を聞いていた内容です。


「さすが、右に打つ体勢のまま、左に打ってますね。 キーパーの動きを見て、蹴る瞬間に方向を変えて打つ、高等テクニックですね。」


 一字一句同じとは言いませんし、蹴った方向が右か左かについては、自信がありません。


 必要だと思った人は、アルゼンチンの試合を再チェックしてください。


 PK戦において、この後出しの権利を持つと言うことは、とても重要な事ではないでしょうか。


 柔道の試合なら、相手が技をかけた瞬間に、その技を防御しつつ、返し技で一本を取る、そんな難しい事をいとも簡単に行ったように思えました。


 バレーボールなら、速攻と見せてブロックを先に飛ばせた後にバックアタックを決めるような高等テクニックを見せたのでしょう。


 そんなレジェンド達が行っている事が、日本選手全員に出来ていたら、PK戦は、全部、キーパーに止められずにキーパーと反対方向に蹴るでしょう。


 外すのは、ミスキックとなって、枠を外した時だけになります。


 そうなったら、PK戦になったら、日本は必ず勝つでしょ。


 そして、5本中1本、キーパーがセーブしてくれたら良いのですから、勝つ確率は80%となるわけです。


 ただ、これは、サッカー経験の無い私の勝手な妄想ですので、机上の空論と笑われると思います。




 ここで、問題なのは、PK戦というのは、フィールドをプレーしている時間と比べて、どれだけ時間を使っているのかとなります。


 過去にサッカー経験のある人達なら、PK戦を公式戦で戦った事がある人ってどれだけいるのでしょうか?


 学生サッカーを行っていた人で、公式戦で延長戦の後のPK戦を戦った事の無い人数の方が多いのではないでしょうか。


 ですが、日本のワールドカップにおいて、PK戦を戦った経験はどうでしょうか?


 ベスト16の試合だけを考えたら、PK戦の確率は大きく跳ね上がると思います。


 ベスト16以降の対日本戦において、相手が前後半を戦って引き分けだった際、最悪PK戦に持ち込めればいいと思って、相手の監督は、采配を行っているのではないかと思われます。




 ここで最初に戻ります。


 まず、私が、最初の選手が動き出した瞬間に止められると思ったのは、日本選手は、ボールを見ているように思えたのですが、キーパーは、蹴る選手を見ていた。


 キーパーは、蹴る人の癖を確認していたのでしょう。


 そして、日本選手の体なり、筋肉の動きなりから、飛ぶ方向を決めて、見事に決まった。


 2人目は、絶対に止められた左には打たないから、右に打つと確信して、上でも下でも対応できるように飛んで止めた。


 クロアチアのゴールキーパーの人から、その時の状況を聞いてないので分かりませんが、その時の様子を見ていた私には、そう思えました。


 後、人の動きとして、運が介在した時は、かなり嬉しがります。


 ラッキーが完全にハマったと思うと人は、とても嬉しがります。


 しかし、状況を確認して当たり前の仕事をした時というのは、要するに予想通りだったと確認するだけですから、まあ、こんなもんだろうな程度になります。


 あの時、最初の日本人選手の、PKを止めた後のキーパーの様子は、私には印象に残っておりません。


 そんな事からも、日本とのPK戦は、それ程怖くは無かったように思えます。


 酷い事を言いましたが、これが現実ではないでしょうか?




 しかし、私は、この辺りの弱点を克服したら、日本は、ワールドカップで優勝するだろうと思ってます。


 現時点で、フィールドプレーでは、ほぼ互角、サイドバックもトップ下も、そして決定力も、他国から引けを取っていません。


 ドイツ戦とスペイン戦の同点ゴールなどは、それを証明していると思います。


 特に、スペイン戦の同点ゴールは、あの人と人の隙間を通してキーパーに触られながらもゴールした、あのシーンは、過去の日本に不足した決定力の弱さも克服できたと言えると思います。


 あれは、自分がゴールを決める。


 可能性を上げるパスより自分が決めるのだという意志の強さを物語っていると思います。


 それなら、後は、もう一つ強さを持たせたら、日本は、ワールドカップで優勝するでしょう。

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