第2話 仕事始め

 翌早朝、まだ朝靄が残る時間帯に、俺は日課にしているジョギングをしていた。

 軽くジョグから入って体を温め、足だけの全力疾走をして、さらに両手までついた本気のダッシュをして、再びジョグに戻って呼吸を落ち着かせ…この繰り返しだ。

 警備隊の管轄内をグルッと回り、俺は再びビルヘルム堂に戻った。

「なんだ、シュナイザー。恒例の散歩か?」

 まだ眠そうな目を擦りながら、オヤジがカウンターの椅子に座った。

 ちなみに、客がいるときのオヤジの寝床は、このテントの脇にある小さな一人用のテントだ。

 なんでも、客が休んでいる場に店主がいたら邪魔だろうという、分かるような分からないような理由でそうしているようだ。

「まぁな、平常運転だ。ちゃんと朝メシの手配はしてあるな?」

「無論だ、心配されなくても分かっている。『青いドラゴン亭』の朝メシセットのデリバリーを頼んである。もうすぐくるだろう」

 オヤジが笑みを浮かべた。

「青いドラゴン亭の朝メシセットか。美味いと評判だが、生憎俺には分からない。猫缶を開けてくれ」

「分かった、今日はこれから迷宮だろ。景気づけに猫缶金印にするか」

「おいおい、普通でいいぞ」

 俺は苦笑した。

 しかし、オヤジはカウンターの裏に山積みになった箱から、猫缶金印を取りだしプルトップを開けて、テントの床においた。

「全く、黒印でよかったんだが…美味いな。確かに」

 俺は笑った。

「客を連れて迷宮に行く時は、決まってこれだろう。まあ、無理はするなよ。お前じゃなくて、客のな」

 オヤジは笑った。


 他のメニューはまずまずだが、朝メシセットは文句なしという評判の青いドラゴン亭からデリバリーが届いたので、俺はまずリーダーのミントを起こす事にした。

「おい、時間だぞ」

 いかな猫でも足で蹴って起こそうとは思わず、俺は頬を爪を立てずにポンポン叩いた。

「…あれ、おはようございます」

「おはよう。美味いと評判の朝メシがある。あと二人を起こしてくれ」

 寝ぼけ顔のミントは、モソモソと寝袋から出て、近くに寝ていたカイルに蹴躓いて、ウレリックの上に見事にダイブした。

「ぐふぉ!?」

 変な声を出してウレリックが体をバタバタさせ、結果として蹴り起こされた形のカイルは、寝袋から出て倒れたままのミントを転がしてウレリックを救出した。

「し、死ぬかと思ったぞ!」

 ウレリックが怒鳴った。

「ひゃい、ごめんなさい…」

 やっと覚醒しつつあるミントが、床に座ったまま頭を掻いた。

「こら、寝起きが悪いと魔物に食われるか、罠に引っかかって命を落とすぞ」

 俺は苦笑した。

「あっ、もう大丈夫です。昨日はなかなか寝付けなくて…」

 ミントが苦笑した。

「まあ、いい。喧嘩はするなよ。美味いと評判の朝メシが届いている。ゆっくり食って、迷宮に入る準備をしてくれ」

 俺は笑みを浮かべた。


 三人が朝メシを食って食後の茶を飲んでいる間、俺は空間ポケットにしまってある装備を点検していた。

 俺のサイズに合わせた装備もあるが、ガイドしている客が使えないと意味がない。

 例えばどこかの穴をやり過ごす時、俺がザイルを伝って渡れても、渡るための道具を客が使えないのでは、全く話しにならない。

「よし、問題ない。オヤジ、今回のプランだが…」

 俺はカウンターの裏にいって、暇そうにしているオヤジに声をかけた。

 このパーティのガイドが終わらないと次の仕事が出来ないので、それまでの暇つぶしが大変なはずだった。

 それはさておき、一応出発前に現状から考えられるいくつかのプランをオヤジに提示して、問題ない事を確認するというルールだった。

「まあ、問題はないだろう。それよりも、せめてもう一人ガイドがいればな。そうそう簡単にはいかないが」

 オヤジが笑った。

「まあ、それは俺にいわれても困るな。酒場に求人でも出しておけ」

 俺は笑みを浮かべた。

「もう出してあるよ。まあ、とてもじゃないが、大手のような給料は払えん。かといって、値上げはしたくない。弱小の悲しいところだな」

 オヤジが笑った。

「まあ、今が一番だろう。安価すぎてかえって恐がられる可能性があるがな」

 俺は笑った。

「よし、いってこい。貴重な戦力だ、死ぬなよ」

 オヤジが笑った。

 俺は笑い返し、まだ茶を飲んでいるミントたちに近づいていった。

「よし、俺の準備は出来たぞ。せっかく早起きしたんだ。準備出来たなら出発しようか」

 俺は笑みを浮かべた。

「はい、分かりました。みんな、行こう!」

 ミントが笑顔で声を上げた。


 俺が三人を連れて店をでた頃には朝靄は消え、他の店からガイド付きで出てくる連中に好奇の目で見られている事を感じたが、こんなの慣れっこだった。

「あの、どうも変な目で見られているような…」

 ミントがそっと囁いてきた。

「それは変だろう。変な猫が混ざっている、変なパーティにしか見えないのだからな。冒険者なら、むしろ胸を張って堂々と歩け」

 俺は笑った。

「そ、そうですか。分かりました」

 ミントが小さく息を吐いた。

「その通りじゃな。ワシなら平然と歩く。相手が襲い掛かってくるでもなく、ただ見られているだけなら問題あるまい」

 さすが、ウレリックは堂々としていて、ここは年の功だろう。

「それにしても、こんなにこの迷宮に挑む冒険者が多いんだな。こんな朝から…」

 カイルが辺りを見回しながら、関心したように呟いた。

「そうだな。実はこれでもスロースタートなんだ。昼頃には迷宮で散々暴れた連中が、ボロボロになって帰ってきたりもする。この迷宮はある意味、冒険者たちの楽園だな。今はあるかもしれない、地下四層を探せというのがトレンドだ」

 俺は笑った。

「はい、私もここは地下三層までと聞いていました。まだ先があるんですか?」

 ミントが不思議そうに聞いてきた。

「あるかもしれないし、ないかもしれない。それを、自分の目で確かめるための冒険だろう。俺の仕事はそれのサポートだ。まず、今回の目標を聞いておこうか」

 俺は笑みを浮かべた。

「はい、まずはこの迷宮に慣れる事です。そうしないと、目標もなにもないので」

 ミントが苦笑した。

「なるほどな、謙虚なのはいいことだ。俺の見立てでは、地下一層で精一杯かもしれない。ガイドとしてこれ以上は無理だと判断したら撤退する。これは俺の仕事だ。分かってくれ」

「はい、分かりました。みなさんいいですね?」

 ミントが二人に問いかけた。

「分かってる。無理やり進むことはないさ」

 カイルが笑った。

「そうじゃの。必要がなければ、無理して進む事はなかろう。ワシはもうちょっと長生きしたいからな」

 ウレリックが笑った。


 迷宮の出入り口は、ビルヘルム堂から徒歩五分という距離にあった。

 半分以上地面に埋まり、崩れかけた石造りの建物に空いた大穴が、迷宮の出入り口だった。

「ガイドらしく仕事をしようか。あの大穴は、ここを発見した当時の遺跡調査隊が、調査のために爆薬で空けた痕だ。それでこの大迷宮が発見されたわけだが、広すぎる上に魔物や罠などの妨害にあって、ろくな調査が出来なかったらしい。それで、あとは冒険者に委ねるという事で、事実上国が放り出したような形になったんだ」

 俺は笑った。

「へぇ、そうだったのか」

 カイルがメモを取り出してなにやら書き込み、それをミントがチェックするように覗き込んだ。

「こら、ちゃんと書きなさい。あとでこれを元に冒険レポートを書くんだから」

 そのカイルにミントが、あれこれ文句をつけはじめた。

「ン…なんだ。そのレポートとやらは?」

 俺が問いかけると、ウレリックが笑った。

「このパーティの主な収入源じゃ。こうして冒険の様子などをレポートにして、役所にある国の担当窓口に提出すると、内容によって額は異なるが報奨金という名目で、結構いい報酬になるんじゃ」

「いや、構わん。ネタになるなら、それも冒険の楽しみになるだろう。隠すような事はしないさ」

 俺は笑った。

「ならよかった。経験不足承知でなぜここを選んだか、もう分かるじゃろ。その報奨金の額がべらぼうに高いのだ。いい加減、ワシらも少しは軍資金を貯めないと身動きが取れなくなるし、実戦経験にもなる。一石二鳥だったのじゃ」

 ウレリックが笑った。

「なるほど、そういう使い方もあったか。さて、そろそろ始まるな。全員、なるべく道を開けておいてくれ。迷宮に入る前に怪我したくはないだろう」

 俺は笑みを浮かべ、道の脇にある石垣に体を押し付けるようにして場所を空けた。

 三人も俺に倣って身を石垣に押し付け、そのまま黙って迷宮の出入り口を見つめた。

 俺の耳がピクッと動き、容易くその前兆を察知した。

「くるぞ、用心しろ!」

 俺が叫んだ次の瞬間、迷宮の出入り口から血相を変えた冒険者たちが、蜂の巣を叩いたかのような勢いで飛び出してきて、俺たちの目の前を通過していった。

「今日も派手だな。これは、昨日の夜になって凶悪になった魔物から、なんとか生き延びた冒険者たちだ。あとは、この迷宮を甘く見て、ガイドを付けずにパーティが、いきなり魔物やら罠やらでコケて大脱走した結果だな。しかし、少なからずガイドもいたから、客を置いていきぼりで逃げ出した連中かもしれん。ろくでもない」

 俺は苦笑した。

 なぜガイドか分かるかというと、客と見分けするために赤い腕章を付けるのが、ここのルールだからだ。

 俺も赤いリボンを片手に巻いているが、これはここがまだ国有地だった頃の名残らしい。

 ガイドは目印として赤い腕章を付けないと、敷地内に入れなかったようだ。

「あ、あの、今のは…」

 ミントが額の汗を手で拭った。

「この迷宮の難易度が分かっただろう。偉ぶるつもりはないが、最悪の場合は自分が魔物の餌になってでも客を逃がすという、これでなかなか責任重大な仕事でな…。おっと、長話している暇があったら進むか。いくぞ、先を歩くからついてこい」

 俺は三人に声をかけ、迷宮の出入り口から中に入った。

 そこは通路の中程で左右に分かれ道になっていたが、誰がやったのか、親切にも『→』という印が壁に刻まれていた。

 こういう場合、なんだか嘘くさいと左を選ぶ冒険者が多数いるが、すぐに行き止まりになってしまう。

 まあ、たまには素直になった方がいい。

「いよいよですね…」

 ミントたちがそっと迷宮に足を踏み入れ、俺たちは迷宮探索を開始した。


 暗い通路を魔法の明かりの魔法を頼りに進むうちに、俺の耳が翼をの音をキャッチした。

「敵襲、キラーバットだ。数は四十体前後。特に特徴はないが、大群に囲まれて吸血されると命に関わる。まずは、肩慣らしだ」

 俺は呪文を唱え、全員に淡く青い光りが宿った。

 これは初歩の防御魔法だ。

「あ、あの、どこに…」

 サブマシンガンを構えたミント困ったように呟いた。

「そうだな、距離は五十メートル先といったところだ。真正面からやってくる。コウモリ系のこの迷宮ではよく見かける魔物だ。翼を広げた幅は四十センチくらいで、群れを作って生活している。攻撃方法は吸血のみ。数が多いから、攻撃魔法で焼き払った方が速い。ウレリック、いけるか?」

 そこは猫の強みで、闇の向こうから接近中の魔物の音や数を素早く察知できる。

「そうじゃな、問題ない。ファイア・ボールでいいな。距離は?」

「現在二十五メートル先、ウレリックの魔法から逃れたものを排除しろ」

 俺は神経を集中させて、声を上げた。

「はい!」

 いつの間にか、サブマシンガンを構えたミントが声を上げ、カイルが剣を抜いた。

「おい、これは本当はミントの役目だぞ。リーダーだろ?」

 俺は笑った。

「あっ…そうでした」

 ミントが小さく息を吐いた。

「まあ、俺がいるとこうなる事は予想していた。落ちこむなよ」

 俺は苦笑した。

「は、はい!」

 ミントが笑みを浮かべた時、杖をかざしてウレリックが火炎の弾を飛ばした。

 通路の奥でギャーッという悲鳴じみた声が聞こえ、爆発と共に焦げ臭い空気が充満した。

「…あと五体いる。油断するな」

 カサカサという音が聞こえた瞬間、ミントがサブマシンガンで弾丸をばら撒き、カイルが三体ほど斬り飛ばして、戦闘は終わった。

「お疲れ!」

 ミントが笑った。

「ああ、このくらいで済むなら、俺たちでもいけるんだが…」

 カイルが剣を鞘に収めた。

「まだ気が速いぞ。今度はウェアラットが、百匹単位で接近中だ。知っているか分からんが、ネズミの魔物だよ。キラーバットの死骸が狙いだろうが、見たもの全てを食いつくすまで突進してくる。戦闘態勢を維持しろ」

「分かりました。みなさん、まだ戦いです」

 ミントの表情が戦士のそれに変わり、俺はこんな顔もあるんだなと感心した。

「ウレリック、もう一度頼む。通路の床一面ネズミで埋まっているイメージだ」

 俺の耳には短い鳴き声と通路を走って向かってくる、無数のウェアラットがの足音が聞こえていた。

「うむ、数はわかるかの?」

 ウレリックが杖を片手に問いかけてきた。

「そうだな…。ざっと二百はいるな。ここに接近される前に片を付けよう」

「分かった。少々堪える数だが、まだ手助けはいらんぞ。審査しているんだろう。ワシらの事を」

 ウレリックはニヤッと笑みを浮かべ、呪文を唱えた。


 キラーバットとウェアラットの大群を退けたあと、ミントがちょっと疲れたと小休止の指示を出した。

 まだ、先ほど通った出入り口を通ったばかりであったが、さっそくに迷宮からの『おもてなし』を受けたのだ。緊張していただろうし、これは無理もない。

「どうだ、馴染んできたか?」

 俺はミントに向けて問いかけ、笑みを浮かべた。

「いえ、まだ緊張が抜けません。疲れますね」

 ミントが笑った。

「よし、笑いは大事だぞ。さて、今後だが地道にこのフロアを歩いてお楽しみにするか、サプライズでテンションを上げていくか…。どちらがいいか決めてくれ。いずれにしても、このフロアを隅々まで歩く事に変わりはない」

 俺は笑った。

「そうですね。みんなはどっちがいいですか?」

 ミントが笑った。

「うむ、サプライズがいいのう。生きているか分からんからな」

 ウレリックが笑った。

「俺も賛成だ。あとに回したら、集中出来ないからな」

 カイルが笑みを浮かべた。

「分かった、今の状態でも十分近づけられるだろう。そう遠くはないぞ」

 俺は笑った。

「えっと、どんなサプライズなんですか?」

 ミントが笑った。

「それを知ったら、サプライズにならんだろう。まあ、あんまり期待はするな」

 俺は笑みを浮かべた。


 ミントが迷宮に持ち込んだ小さな腕時計で一五分ほど休み、俺たちは再び迷宮の奥に進んでいった。

 とりあえずの目標地点は、ここから一時間程度だとは思うが、さほどの距離はない。

 なにしろ、移動距離を時間で計った事がないので、その辺りは感覚である。

「ン、ちょっと待て。おかしいな」

 しばらく進んで、俺は歩みを止めた。

「どうしました?」

 ミントが不思議そうに問いかけてきた。

 それには答えず、俺は空間ポケットから地図を取り出した。

「…ふむ、そういう事か。この先に罠がある。とっくにぶっ壊してあるんだが、たまにそれを使ってセコい商売をするヤツがいる。わざわざその罠を直して、網を張って待っているんだ。ここの罠は毒矢だ。それ自体は麻痺毒で、よほどの事がなければ死ぬ事はないが、満足に動けないうちに魔物に襲われたらひとたまりもない」

 俺は笑った。

「ど、毒矢ですか。普段は私が罠を壊す役目を引き受けているのですが、あまり得意でないんです。お願い出来ますか?」

 ミントが小さくため息を吐いた。

「そうだな、罠の無力化は中途半端な知識と技ではダメだ。パーティ全体の安全に関わる事だからな。俺が引き受けよう。他の二人もそうだが、自信がないことは俺にいってくれ」

 俺は笑みを浮かべた。

「その通りじゃな。せっかくガイドがいるのに、ワシらが無理して台なしにしてはならん。共にいこう」

 ウレリックが笑った。

「ああ、俺をこき使ってやってくれ。さて、そろそろ罠だ。と、その前に…。全く、久しぶりだな」

 俺が足を止めて見据えた先には、見慣れた男の姿があった。

 名前を聞いてもジョン・スミスと、明らかに偽名で本名を語らない、軍人のような服をきた野郎だった。

「あ、あの…」

「まあ、待ってくれ。俺の個人的な事情だ。少し離れた方がいい」

 心配そうなミントに笑った。

「は、はい…」

 三人が少し離れた場所に移動した事を確認し、俺は結果魔法を使って害が及ばないようにした。

「全く、性懲りもなく出てくるとな。迷宮内の『コロシ』は咎にならん…というか、誰も気が付かない事を狙って、しつこく付き纏いやがって…」

 俺は笑みを浮かべ、静かに呪文を唱えはじめた。

「ああ、命ある限りは追うぞ。お前のせいで、パーティが壊滅したんだからな」

 自称ジョン・スミスはそっと拳銃を構えた。

「逆恨みもいいところだな。お前らが俺の忠告を聞かないで、罠に突っ込んだ自滅だろ。ガイドは案内はするが、案内に従わない者の安全まで保証はしない。契約書にも赤字で書いてあっただろう」

 俺は完成した魔法の光をジョン・スミスに向け、小さく笑みを浮かべた。

「ンな事はどうでもいい。今日こそは、ケリをつけてやる」

 ジョン・スミスが銃の引き金を引くのと、俺が攻撃魔法を放ったのはほぼ同時だった。

 俺がファイア・ボールを圧縮して細長く変形させた、超高温の炎の針とでもいうべきものがジョン・スミスの心臓を貫き、ヤツが放った銃弾が俺の耳を掠めて飛んでいったのはこれまたほぼ同時だった。

 ジョン・スミスの体が倒れ、罠のワイヤーを引っかけて転がり、そこに毒矢が刺さって沈黙が訪れた。

「フン…。よし、もういいだろう」

 俺は三人を包んでいた結界を解いた。

「た、大変です。耳が少し切れて出血しています!」

 ミントが俺に近寄り、回復魔法で治療してくれた。

「ありがとう、助かった。すまんな、この仕事はこういう事もあると思ってくれ」

 俺は苦笑した。

「そうですか、大変ですね。私たちはちゃんと従いますので、安心して下さい」

 ミントが小さく笑ったのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る