第6話 コイツら、相変わらず団結力すごいな。
新入生歓迎イベントが無事に終了し、明日からゴールデンウィークとなる。
放課後となり、生徒たちが浮き足立ってる中、俺は生徒会役員の3人に呼びだされ、生徒会室にいる。
「今日は何も話すことがなかったから生徒会活動はないはずだが、何かあるのか?」
俺は美少女3人に聞く。
「はい!せっかくのゴールデンウィークなんです!ウチらみんなで遊びに行きましょ!親睦会を兼ねて!」
「拓海とは以前から関わりがあるけど、桜井さんと雪野さんとはまだ1ヶ月しか関わってないからな」
「えぇ、これから1年間はこのメンバーで生徒会活動をしていくことになるから、親睦は大事だと思うわ」
「なるほど」
(確かに、俺は3人と生徒会役員になる前から関わりがあるけど、3人は出会ってまだ1ヶ月しか経ってないからな)
「いいぞ、どこか遊びに行こうか!」
俺の返答に3人が喜ぶ。
「で、どこに行くんだ?」
「はい!それに関してはウチらが考えてあります!」
「すまんな、そこまで準備してもらって」
「いえいえ!デートした経験のないセンパイにお願いするのは酷なことかと思いましたので!」
「一言余計だ!」
(た、たしかに、女の子と付き合ったことはないからデートプランなんか考えたことないけども……)
「センパイ!ゴールデンウィーク初日の明日は空いてますか?」
「ん?俺は一日空いてるぞ」
「なら、その日の夜はみんなで星を見ましょう!」
「星?この辺りで見えるのか?」
「いえ!雪野さんが星の見える場所に連れて行ってくれるらしいです!」
「おー、それは楽しみだな!でも、先輩に迷惑をかけることに……」
「そんな心配しなくていいわよ。私もみんなとゴールデンウィークに会いたいから。それに、真っ暗な場所で星を見る……ラッキーエッチが起こるかもしれないわ。よかったわね、拓海くん」
「そ、そんなものは期待してません!」
そんな感じで、明日の夕方ごろ、雪野先輩の家に集まることとなった。
ゴールデンウィーク初日。
雪野先輩から教えられた家に、俺とカエデ、春菜ちゃんが到着する。
「お嬢様って聞いていたが……」
「ここまでとは思わなかったぜ」
「はい。正直、驚いてます」
教えてられた家は屋敷と思うほどの大きさがあり、チャイムを押すのを躊躇ってしまう。
意を決してチャイムを押すと…
『おはよう、拓海くん。それに桜井さんと秋風さんも。とりあえず、門を開けるわ』
雪野先輩に門を開けてもらう。
門を開けると、手入れの行き届いた広大な庭が目に入る。
驚きながら玄関まで歩くと、雪野先輩と1人のメイドがいた。
その近くには高級車が停まっている。
「お嬢様のご友人ですね。私、真冬お嬢様専属メイドの『北川』と申します。以後、お見知りおきを」
20代前半で黒髪をポニーテールに結んでおり、丈の長いメイド服を着ている。
メイド服からでもわかるくらい、2つの大きな双丘が目立つ。
「今日は北川さんに星が見える場所まで運転してもらうわ。はやく車に乗りましょう」
「えーっと……これに乗っていいのか?」
乗るのを躊躇うくらいの高級車。
多分1000万はするであろう。
「そうよ、はやく乗って行きましょう」
雪野先輩に促され、俺たちは来るに乗り込む。
「おぉ、ふかふかだな」
「快適すぎです!」
「もう一生乗ることなんかないと思うから、今、味わっておこ」
「ふふっ、大丈夫よ、秋風さん。私たちはこれからも遊ぶ機会があるのだから、何度もこの車に乗ることになるわよ」
「そ、そうか。乗り慣れると困る気がするが……」
(それは同感だ)
そんな会話をしながら、俺たちは星の見える場所に向かった。
車に揺られて1時間半。
周辺が真っ暗な山頂に辿り着く。
「おー!これは綺麗な星だな!」
俺は一面に広がる星空に感動する。
「えぇ、今日は雲ひとつないから当たりの日ね」
「お嬢様、ブルーシートの準備が出来ました」
「ありがとう、北川さん」
俺たちは北川さんが敷いてくれたブルーシートに横たわって星空を見る。
「綺麗なのはわかりますが、どれが何座かわからないですね」
「見えにくいとは思うけど、アレが北斗七星よ、桜井さん」
「えっ!わかるんですか!?」
「えぇ、私は星を見るのが好きで、何度もここに連れてきてもらってるからね。ちなみに、北斗七星を探すときは探すときは、おおぐま座を探すといいわよ」
「へぇー、詳しいですね」
「勉強したからね。星を見ると、嫌なことも忘れることができるから」
雪野先輩は寂しそうな声で言う。
「星空を見るとね。私の悩みが小さく感じるの。綺麗な星空の前には些細なことだなぁって」
「その気持ち、俺もわかります。この星空を見ると、俺の悩みなんて大したことないなぁって思いますね」
「そうよね、拓海くんがここで北川さんを交えて5Pを始めようか悩んでること自体、大したことないのだけど、星空にはそれだけの力があるわ」
「いや、俺、そんなことで悩んでないですよ」
「あら、てっきり野外エッチを目論んでいて、決行するタイミングで悩んでいるのかと……」
「違うわ!って、北川さん!ナチュラルに俺と距離を取らないでください!」
(初対面の方に引かれたんだけど…)
「ダメよ、拓海くん。北川さんのおっぱいに興奮したら」
「し、してないわ!って、だから胸を覆わないでください!北川さん!」
どんどん北川さんからの好感度が下がってく。
「おい、拓海!せっかく星を見にきてるんだから、巨乳ばかり見てなくて、星を見ろよ!」
「きょ、巨乳ばっかり見てないわ!さっきから俺が星を見ようとしても、雪野先輩が邪魔してくるんだよ!」
「あら、私は邪魔する気なんてなかったわよ。強いて言うなら、拓海くんの性欲が邪魔してるわね」
「上手くねぇよ!」
「ちょっと、センパイ!ウチは星空を楽しんでるんです!性欲の制御くらい頑張ってください!」
「あれ!?俺の性欲が邪魔してるの!?」
俺はみんなに聞くと、全員が頷く。
「…………」
(コイツら、相変わらず団結力すごいな。絶対、親睦会とかいらなかっただろ)
俺は本気でそう思った。
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