魔法のパンツの正体

 梓の部屋で謎の光に襲われた俺。

目を開けると、制服を着た知らないナイスバディのお姉さんがいた。


「あの…、どちら様ですか?」

よくわからんが、俺より年上に見える。ここは敬語で話そう。


「海斗、何言ってるの? 私だよ。梓」

お姉さんは、幼馴染の名前を言う。


外見もだが、声も少し違う…。本当に梓か?


「梓? だってアイツは、お姉さんほど胸が大きくない…」


「さっきも言ったけど、本当にデリカシーないね! 海斗」


梓が魔法のパンツを穿くあたりのやり取りになる…。

直前のやり取りがわかるのは、本人しかいないだろう。


「本当に梓なのか…」

何でこんなことになったんだ?


「まったく、彼女のことぐらいすぐ見極めてよ!」

プンプン怒り出した…。


俺も悪いかもしれんが、多少は察してくれ…。



 「結局、お前は何を考えたんだ?」

魔法のパンツの条件を満たしたから、光り出したはずだ。


「……」

恥ずかしがる梓。


「黙ってちゃわからんだろ。どうしても言いたくないなら…」


「私の胸では海斗のを挟めないから、胸を大きくしたいと思ったの…」


「その気持ちは嬉しいが、何で外見がお姉さんっぽくなってるんだ?」

今の話が本当なら、胸の大きさ以外は変わらないはずだろう。


「多分だけど、今の姿は何年後かの私なんじゃないかな? 魔法のパンツが姿を変えてくれたんだよ」


何年後か…。ということは大学生あたりの梓は、今俺が見ている梓と同じようなスタイルになる訳だが…。


「良かったじゃないか。胸が大きくなることがわかってさ」

未来の梓を一足早く見られたのか。ラッキーだな。


「それは嬉しいけど…。この姿、元に戻るかな?」

体付きが良くなっているから、胸だけでなく身長・体重も増加している。


元に戻らないと、周りにすぐに気付かれるだろうな…。


「イメージで姿が変わったなら、イメージし直せばまた変わるんじゃね?」

根拠はないけど、これしか手はないだろ…。


「うん…。そうしてみる」

元の、高2の時の体付きをイメージする梓。


……梓が光に包まれ、強い光が俺を襲う。

光が収まったので目を開けると、彼女の体は元に戻っていた。


「良かった! 元に戻ったよ!」

胸をなでおろす梓。


彼女が元に戻ったのは嬉しいが、もうナイスバディを見られないのか…?

どうせなら、撮影しとくんだった…。


「海斗、残念そうな顔しないでよ。イメージで姿が変わるなら、海斗の好きな姿でHできるじゃん♡」


「姿が変われるのは、魔法のパンツのおかげだろ? もし魔法のパンツに問題が起こったら、元に戻れなくなるじゃねーか!」


事が起こってからでは遅い。梓の奴、お気楽だな…。


「その心配はないと思うよ。魔法のパンツは、私に吸収されたから」


「吸収?」


「さっきの体から今の姿に戻った時、私の体が光ったんだよ。パンツが光った訳じゃないの。だからね…」


そう言って、スカートをたくし上げる梓。

…何も穿いていない? 脱ぐところを観てないのに…。


「つまり、 姿を変えられる魔法は私の自由自在なんだよ!」


…再び光出す梓の体。強い光なので、目を閉じる俺。

光が収まったので目を開けると、彼女は小学校低学年の姿をしていた。


「…ね? 自由自在でしょ?」


声も幼い感じになっている。変わっているのは外見だけか。


「確かにな! こりゃ凄いや!」


また梓の体が光ったので、目を閉じる。

…開けると、彼女は元の姿に戻っていた。


「これで問題ないよね?」


「ああ。そうだな!」


これなら梓の言う通り、心配することはないだろう。



 そういえば、梓の未来・過去の姿にしか変えられないのか?

他はどうなんだろう? 試してみるか。


「梓。『エルフ』ってわかるか? それをイメージしてくれ!」

架空の存在に変われるのか? これは知っておきたいよな。


「…うん。わかるけど…」

俺の言葉を聴いてイメージしたであろう梓。


………


変化なしか。


「ゴメン海斗。そういうのは無理みたい…」

彼女は落ち込んでしまった。


「気にするな。お前のせいじゃないさ」

残念なことに変わりないが、贅沢は言えんな。



 「魔法のパンツを買ったところ、詳しく教えてくれ」

ネットで買った、としか聞いていないから詳細が知りたい。


「『アダルティ』ってサイトだよ」

梓はそう言って、スマホをいじり始める。


「…あれ? サイトが開かない?」

彼女の様子的に、こうなった事はないようだ…。


「なら、俺のスマホから開いてみるか」

URLを確認後、サイトを開いてみる。


…開かない。読み込んではいるが…。


「怪しいサイトだから、なんかされたんだろ」

詳しいことはサッパリだが、そうとしか説明できない。


「そうかも…」

梓も納得したようだ。


魔法のパンツを販売するサイトだ。もしかしたら、他にも使えそうなものを売っているかも? と思ったが、サイトが開かないんじゃどうしようもない…。



梓の姿が変わることで、Hの幅は広がったな。有効活用させてもらおう。

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