第2話  8ミリほどの物質

わたくし市恵が、14歳の頃の話、


朝起きたら、鎖骨の下に1センチくらいの白い一本の線が付いている。


「なんだこれ?」


 指先で触ってみても消えない取れない。


「うん?」


 鎖骨の奥に何かある。異物だ。

指で触っているとぷるっと形が皮膚から浮き出る。


「お母さん!なにこれ!」


 母に見せると、


「それ?脂肪!」


「はあ?脂肪じゃねえし!ちゃんと見てよ!」


「脂肪、脂肪」


 気にも止めない母にムッ!


 それは8ミリくらいの物質、

脂肪というより硬めの球体だ。


もしかして私は実験材料なのかも知れない。

きっと私を連れ去って実験しているんだ。

間違いない。これは私の遺伝子を分析しているに違いない。


毎日触っていたら、

ある日、それは、そこから無くなった。

消えてしまったのだ。


「お母さん!球体が無くなった。消えたで!」


「脂肪やから溶けたんじゃろ」


「むっ💢」


 1センチほどの白い線もその後いつのまにか消えていた。


 信じるか 信じないかは なんとやら


 だけど、本当なのよ。

一体あの球体はなんだったのか?


 誰か 信じて 私を 信じて!

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