第五十一話 「снег и консервы(雪と缶詰)」

「フェフェフェッ....


 フェフェフェフェフェッ....」


「(出られるのか....?)」


"ガタッ! ガタタッ!!"


「ニスィン....ッ、 


 ホーゥホウ、ホトゥアトゥエ...


 イクルァ... クワニィ....ッ」


"ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、!"


「(・・・・)」


一晩を明かした建物の中で、河野が


窓の外に広がる雪景色に目を向けると、どうやら


吹雪は先程自分達がこの建物に


入って来た時より更に激しさを増して来た様だ....


「(この状態で... 出れるのか....)」


「....ハラショー....ッ


 クワズヌォクォ...ジャヌェクワッ....!


 コイツハヨォー....ッ」


「(・・・・)」


外に出るにも出れず、窓際から部屋の隅の方に


目を向けると、この建物の中に入ってから


何かと競い合う様に、遺跡から拾って来た


缶詰をスサケフスキが口へと運び続けている....


「・・・お前、ずい分食うな」


「・・・・」


"ガタッ


「シー シー....ッ!」


「・・・・」


勘に触ったのか、スサケフスキは


缶詰に掛けていた手を止め、小指で


歯に詰まったカスを取り除きながら


吐息を漏らし、窓際にいる河野の側まで


歩み寄って来る....


「サキカラ... マドノソトバカリミテルグワ....


 ナニカオモシロイモンデモアルノクワイ?」


「・・・・」


「ヘヘッ....! フェフェフェフェフェッ....」


「(・・・・・)」


「シー シー」


「・・・この雪で、レベデワ達....


 N/Sが追って来てる事を考えれば


 外の様子が気になるのは当然だろう?」


「フェフェフェフェッ....!」


"ゴソ"


「・・・・?」


気味の悪い笑い声を上げると、スサケフスキは


コートのポケットに入れていた別の缶詰を取り出す


「・・・ナニガオキテルカウワワカラヌェグワ、


 アセッテモシカタグワヌェ――――」


"スッ"


「・・・・何だ、これは?」


「フェフェフェッ....」


河野が自分の前に差し出された


何かはよく分からないが、魚の絵が描かれた


缶詰を見る


「タイリョクツケヌェトヨォ....ッ


 "ナガチョウバ"ハ


 ノリキレヌェズゥェ――――??」


「・・・・」

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