第12話 この世界は一夫多妻制が認められてるんですよ
俺がルビアの言葉に顔を赤くしていると…
「ルビア姉さんの言いたいことはわかりました。そして、これ以上、アタシが何を言ってもルビア姉さんが、レオさんから離れないことも理解しました。残念ですが、諦めたいと思います」
「ごめんね、モモ。そういうことだから、私はここに残るわ」
「いえ、ルビア姉さんは悪くありません。アタシはルビア姉さんが元気に過ごしてることがわかっただけで、とても嬉しいですので」
「私もモモが元気に過ごしてることがわかって嬉しいわ。暇な時はいつでもここに遊びに来ていいから」
「ホ、ホントですか!?な、なら毎日来ます!」
「いや、毎日来られると迷惑なのだけど………聞いてないわね」
ルビアの言葉を聞いて全身で喜びを現すモモ。
「まぁいいじゃないか。ルビアのこと、死んだと思ってたらしいから、毎日でも会いたいんだよ」
「でも、レオくんたちに迷惑が……」
「俺はモモが毎日来ても迷惑にならないよ」
「私も迷惑ではありませんので毎日来ていただいても大丈夫です!」
「ウチも大丈夫です!」
「みんなありがとう。モモに毎日来ていいことを伝えるわ」
ルビアが嬉しそうに言う。
(ルビアもモモと毎日会いたいんだろうな。素直にそう言えばいいのに)
俺はルビアの反応を見て笑みがこぼれる。
「なに?言いたいことがあるなら言ったほうがいいわよ?」
「いや、何でもないよ」
(ルビアこそ言いたいことがあるなら遠慮なく言えばいいのに。ルビアが俺たちに遠慮なく言えるのはもうちょっと先かな?)
俺はそんなことを思った。
あれから、数日が経つ。
本当に毎日ここへモモは来ている。
そのため、モモには俺がこの世界でレオナルドとして生活していることを伝えている。
ある日、そんなモモに、俺はずっと気になっていたことを聞く。
「なぁ、モモって情報収集が得意なのか?」
「はい!村一番でしたので!だから、故郷を潰したやつの手がかりを集めるのも割と簡単にできました!」
「そうか」
俺はその言葉を聞いて、モモにあるお願いをする。
「なら、モモに調べてほしいことがある。もちろん、報酬は出す」
「何でしょうか?」
「奴隷を買いたいと思っている人を調べてきてほしい。そして、その人たちの素性をできるだけ教えてほしい。可能か?」
「はい。可能ではありますが、なぜですか?」
「それは、ルビアたち買ってくれる人を探すためだ。もちろん、ルビアたちが拒否したら諦める」
「はぁ。無駄な気がしますが、わかりました」
「買いたいと言った人の性格は徹底的に頼む。ルビアたちを大事にしてくれる人しか俺は売らないからな」
「なら、ルビア姉さんたちをレオさんが大事にすればいいのに……」
「ん?何か言ったか?」
「いえ、もうルビア姉さんたちと結婚すればいいのにって言っただけです」
「なんで!?」
「あ、知ってますか?この世界は一夫多妻制が認められてるんですよ」
「なぜ今その情報を俺に言ったんだ!?」
そんなことがあったが、モモは俺のお願いを聞き入れ、後日、綺麗にまとめられた資料を持ってくる。
「モモ、これはなにかしら?」
「これはレオさんからお願いされた依頼の調査結果となります!」
「ありがとうモモ」
俺はモモから資料を受け取り、内容を確認する。
「おー!とても見やすくて、俺が調べてほしいことをきちんと調べてくれてる!」
「それが依頼ですので頑張りました!」
(ふむふむ。お!この人は良さそうだぞ。人柄が良くて金もある。性奴隷じゃなく、メイドとして奴隷が欲しい点も良いな)
「リリィとミュア、ちょっと来てくれ」
俺の呼びかけにリリィとミュアが俺の元に来る。
「ご主人様、何でしょうか?」
「これを見てくれ」
俺は手に持ってた資料をリリィに渡す。
リリィとミュアが内容を確認し終わったのを見計らって…
「実はモモにリリィたちを買ってくれる人を探すようにお願いしてたんだ。もちろん、リリィたちが嫌なら……」
俺がリリィたちに説明していると…
「や、やっぱり、ご主人様にとって私は必要のないメイドなのですね……」
「ご主人…ウチご主人の役に立てるようもっと頑張るから、捨てないでください」
2人から泣きそうな顔で言われる。
「いや、俺は2人のことをいらない子と思ったことはないぞ!いつも俺のお手伝いをしてくれて助かってるくらいだ!」
「つ、つまり、私たちは要らない子ではないということでしょうか?」
「そ、そうだな。いてくれたら助かるから……」
「そ、そういうことでしたら、私たちはこのままご主人様にお仕えしたいです!」
「ウチもこのままご主人に仕えたいです!」
「いや……」
「「ダメでしょうか?」」
2人から上目遣いでお願いされる。
(うっ!ま、まぁ、もう少しこの家にいても良いか)
「そ、それならもう少しだけだぞ?」
俺がOKを出すと、不安そうな顔から、パーっと笑顔になり…
「「ありがとうございます!」」
嬉しそうに言う。
(いずれ俺から離れてくれるだろう。まだ、俺から離れるのが不安なだけだ)
そんなことを思った。
その後も何度かこのようなことを行うが、リリィたちが俺の家から出て行くことはなかった。
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