第4話 廃れた城の中に

マオさんのドラゴンかっこよかったな~。さてと、こっからは……


-『クエスト発動 Lv.2 [傷付く子猫は城の中に] 』-



おっ、やっぱり出たか、このゲームはクエストがあり、どんなクエストがでるかはランダム。クエストによっては強い武器がもらえたり特別なイベントが現れたりするんだけど……最初期にあまりにもレベルの高いクエストが出まくって誰もクリアできなかったことがクソゲーって言われる要因の1つなんだよなぁ…それで、内容は…っと


[内容] 獣王の治療、保護



ふ~ん獣王、獣王?なぜ…?Lv.2のクエストだぞ…クソゲー確定演出かな?


・希望の保護

報酬  隷属化


う~ん、さっぱりわからん。獣王を見つけないことには何も始まらなさそうだし道なりに進んだらなにかあるかな、?

道といっても先程の獣道と違い整備された街道だ。道中、雑草…のようなアイテムが多く生えていた。さっきの実験でも使った「低回復魔草」と「エアロ草」だ。そして爆裂草とかいう、危険な植物も刈り取っておいた。クエスト内容が治療だから採集しておいてなんら問題ないだろう。採集しながら道を進んでいくと開けた場所に出た。すこし奥の山のようになってる場所の上には壊れた城…石垣が見えた。


半壊した城は天守閣が跡形もなく、無惨な姿となっていた。クエスト名はだからとりあえず正面にまわるか。すると突然、崩れかけていた柱が倒れてきた。


「ふ、風霊蓑!」


右全体に風をだし倒れるように柱を避ける、1メートル程左に飛び、左足に弱い風を送り受け身をとる。


いだぁっっっ!?!?!」


声のするほうを見てみると猫っぽい耳が頭に生えているやつが柱と地面に挟まれてもがき苦しんでいた。クエスト内容の獣王、、、なのか?


「お~い。子猫ちゃん大丈夫か?動けるかい?」


「誰だお前は、私は獣人族族長の娘。誇り高き獅子の力を宿した者ニャ。知らんやつの話は聞きたくないが今は緊急事態なのニャ、ここから出せニャ。」


生意気な獣王だな。少しイタズラするか


「誇り高き獅子の力を宿してるんならこんな柱なんか簡単に壊して抜け出せるよね?」


「ぐぬぬ、足がはさまって地面から離れようとしないのニャ、から助けるのニャ!」


流石にかわいそうだよな。けど風霊蓑の力でどうにかできるほど軽くなさそうだしな。まぁとりあえず柱の下に両手を置き最大出力の風を手のひらに起こす。が、簡単に浮くはずもなく柱はびくともしなかった。どうしたもんかな…動かないぞこれは…


「早く助けるのニャー、足が痛いのニャー」


創造で作れた体力回復ポーション(小)と痛み緩和ポーションを飲ませて少し時間をつくってると…


【クエスト・獣王の治療、クリア】

・報酬 スキル強化

派生スキル→ 鎌鼬かまいたち

-鎌鼬-風の刃を複数飛ばす。消費MP6


???…助けてないのにクエストがクリアされた。新スキルは鎌鼬。風の刃か、柱を切断して助けれるかも。


「鎌鼬!」


柱に風の刃が突き刺さり、少し削れて霧散した。………

「鎌鼬!鎌鼬!鎌鼬!」


四回目でやっと半分まで削れた。けどMP的にこれ以上は使えなさそう、何かのために摘んでおいた爆裂草をレシピを元に作った爆裂玉で削った先に配置、軽い衝撃を与えると…ズドンッと衝撃がきてそれだけで柱は割れた。

……あれ?新しいスキルよりもこっちのほうがよっぽど強くね…?現在残りMPは12、柱は割れてだいぶ軽くなったから、行けそうだな。


「子猫ちゃん、柱を持ち上げたら自力で脱出できそう?」


「まかせるのニャー。上半身はぴんぴんしてるから余裕ニャ」


「おっけ~、それじゃぁ風霊蓑!」


さっきまでは一回のスキルだけで持ち上げようとしたため持ち上がらなかったけど今回は両手、両足から風を突出させ持ち上げる。

すると少しずつ動き出した。


「割れたとは言え重い!子猫ちゃん、今のうちに抜け出して!」


「ん…ニャ~!!、抜けた!自由ニャ!やったのニャー!」


抜けたか…良かった良かった。MPを全て使ったためか身体がダル重く感じる。


「助けてくれてありがとニャ♪獣族は助けてもらった者に付くのが流儀、ぜひお前の仲間にしてくれニャ!」


「お前じゃなくてレイストだ。ちゃんと名前で呼ぶように子猫ちゃん?」


「ボクは子猫ちゃんじゃにゃい!イオンって立派な名前があるのニャ!レイストって呼びにくいからご主人様でいいよニャ?」


イオンっていうのか、覚えておくとしよう


【クエスト・獣王の保護、クリア】

・報酬、隷属化

対象に隷属の首輪を装着

-隷属の首輪-取外し不可、???



これでクエストは全てクリアしたな。疲れた、少し休もう……


「ギニャァァァッ!!なんなのだこれは!外せないのニャ!邪魔ニャー!ご主人様どうにかするのニャー!!」


はぁ……これはまだ休めそうにないな。





管理棟AI


激務に追われる1人のAIの元に、


???「テイルっ!てめぇかぁ?俺の大事な愛娘を傷付ける要因となったのはよぉ?」


テイル「げ、ネック…ち、違うのですわぁ…人間族と領土をバックアップしてたら色々な場所にバグが起きちゃったのですわぁ…」


ネック「結局お前のせいじゃねぇか!いまの地震で俺の管理下にいる愛娘がかなり巻き込まれたぞ?!、、、…ん?この男は誰だ?見ない顔だが別のやつらが作ったのか?」


テイル「三年ぶりのマスターバカですわぁ…用事ないならかえってくださいまし、まだまだ作業が残ってるんですわぁ」


???「へぇ…あいつみたいな馬鹿者が現れたのか、それは楽しみだな。」

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