①魔王の息子とラブレンジャー

笹川 誉

第1話 プロット

◆タイトル

『魔王の息子とラブレンジャー』


◆ログライン

魔王の息子が、愛の力で強くなる戦士たちに出会い、愛とは何たるかを説く


◆参考

ラブレンジャーの面々はホビーアニメのようなわかりやすいキャラ付け。

コメディ:シリアスの割合は『銀魂』くらい。


◆キャラクター


・シュバルツ・フュルヒテゴット・ジークヴァルド(Schwarz Fürchtegott Siegward)

魔王の息子のひとり。いずれ父である現魔王からその位を受け継ぐことになっている。一人称は「吾輩」。

前髪を後ろにかき上げた銀髪、細身の長身、赤い瞳。頭部に一対の角、背中に大きな黒い翼が生えている。二百年以上生きているが、人間で言うと二十代半ばくらいの見た目。

住処である城で「上位存在の特権」として性教育を受けたが、その際に自分に生殖機能等が備わっていることを「恥ずかしい」と認識してしまったため、性や恋愛に関することを見聞きすると異様に照れたり気絶したりする。恋愛が絡むといわゆる「残念なイケメン」。


・クロム/ノア

シュバルツに仕えている小悪魔。

服装は両方まったく同じで、ピッタリしたノースリーブのヘソ出しタートルネック、革っぽい素材の短パン、ショートブーツ。色は全て黒。二人とも性別はなく、十二歳くらいの少年とも少女ともとれる見た目。

自分の名前が一人称。


・赤月ヒカル(あかつき ‐)

愛の力で敵を倒すラブレンジャーのレッド(リーダー)。熱血で正義感が強く、モンスター退治だけでなく日常の小さなトラブル解決(落とし物を探す等)も請け負っている。

少年漫画の主人公っぽいツンツンの短髪。幼馴染のピンクとラブラブ(バカップル)。十五歳。


・桃園キャロ(ももぞの ‐)

ラブレンジャーのピンク。ぶりっ子気味だが芯は強く、ラブレンジャーのナンバーツーを務める。少し内巻きのボブカット。幼馴染のレッドとラブラブ(バカップル)。十五歳。


・青鹿ユウ(あおが ‐)

ラブレンジャーのブルー。一見クールな物腰で女子ファンも多いが、実は相当天然ボケ。長い前髪で右目が隠れている。イエローが好き。十八歳。


・黄金崎レイナ(こがねざき ‐)

ラブレンジャーのイエロー。ツンデレ高飛車お嬢様。実家は大手企業「黄金崎グループ」のトップ。ドリルツインテール。ブルーが好き。十七歳。


緑谷カスミ(みどりや ‐)

ラブレンジャーのグリーン。大人しく控えめな性格で、戦いではなくケガ人の応急手当を担当することが多い。肩の少し上で切りそろえた髪型。レッドに片思いしているが、その想いは隠している。十六歳。


◆世界観

・惑星「モナムール」

環境は地球によく似ており、この惑星の住民も外見的には人間と変わらない。

住民は総じて穏やかで愛情深い性質をしており、「愛」が住民およびこの惑星のエネルギー源となっている。(食事も採るが、その個体が十分他を愛している/他に愛されている状態だと空腹や疲労を感じにくくなる)

反面、住民が精神的に揺らぎ、負の感情が強まるとモンスター化したり、モンスター化した住民が増えると惑星自体が荒廃したりという事態にも繋がる。

小さい星なので今までに他惑星・異世界からの大規模な侵攻を受けたことはなく、軍などは存在しない。古来より「愛」を自身の攻撃力に変換できる住民が稀に生まれ、彼らが小規模な自警団のようなものを組織して星を守ってきた。ちなみに現在ラブレンジャーだけではなく、年長の者たちが別個で作った組織も活動している。

住居は主にイタリア・アルベロベッロの「トゥルッリ」のような、石灰岩を積んだ白い壁に円錐形の屋根をしており、集合住宅は普及していない。商業施設や大きな企業、学校など、一部の建物は四、五階建ても存在するが、基本的に一階建てが多い。

 子供は七歳から十八歳まで一貫の学校に通う。強制ではなく、家業を継ぐ場合等は基礎的な勉強のみ終え途中で辞める生徒もいる。(いわゆる退学ではなく、「ここまで学んだ」という修了実績は与えられる)



・魔界

魔界の生物は一括して「モンスター」と呼ばれる。邪気と総称される負の感情を糧にして生きている。逆に、モンスターとして生まれなかった(魔界以外の場所で生まれた)者でも、心の中の邪気が強まると後天的にモンスターと化してしまうこともある。

ごく一部の上位存在しか性別という概念がなく、有性生殖によって生まれるのは彼らのみ。他の生命体は上記の後天的モンスター化・スライムのような分裂・死した魂がすぐに新たな命として誕生する転生等によって生まれる。(バランス維持のため、モンスターが魔界ではない世界に転生したり、その逆もありえる)

魔法のような力が使える。下級モンスターだと数センチ浮いたり小さな火を吹くくらいだが、上位存在だと大規模な攻撃・変身能力・治癒能力等を持っている。


・ラブレンジャー

本来「愛を攻撃力に変換できる住民」として生まれた者であっても年少の場合は戦いを免除されるのだが、少しでもみんなの役に立ちたい、と奮起したレッドによって組織された。

愛によって自身の攻撃力や防御力がアップする。魔法のような力は使えず、基本ステゴロ。

「レンジャー」を名乗り色名のコードネームで呼び合うこと、決めポーズ、衣装のデザイン等はリーダーであるレッドの趣味である。普段は全員学生をしており、下記の通知が来るといちいち衣装に着替えて出動している。

光沢のあるシルバーのピッタリしたボディスーツ。胸元や足元等のアクセントカラーと首に巻いたスカーフが各々のコードネームの色になっている。ちなみに当初はスカーフではなくフルフェイスヘルメットを被る予定だったが、髪型にこだわりのあるイエローがヘルメットを嫌がったためレッドは泣く泣く変更した。

モンスターが発する邪気を察知し、位置を送信するシステムがメンバー各々の携帯電話に入っており、それを用いてモンスターを発見・退治している。これはイエローの実家である黄金崎グループの経済力・科学力によって作られたものである。


・第一章

異世界からやって来た魔王の息子・シュバルツは、魔王となるための条件のひとつである「六百六十六の領地」のひとつとして惑星モナムールを征服しようと企む。

だが惑星モナムールには愛の力で悪を倒す戦隊・ラブレンジャーがいた。魔界では数少ない「性別」を有する上位種族であるシュバルツは、ラブレンジャーのレッドとピンクのラブラブっぷりを見て恥ずかしくなってしまい、戦うこともないまま倒れてしまう。お付きの小悪魔であるクロムとノアに連れられ、シュバルツは惑星モナムールを去る。


・第二章

不戦敗を悔しがり、変装して惑星モナムールおよびラブレンジャーの視察を始めたシュバルツ。観察を続ける中で、グリーンがレッドに片思いしていることに気付く。だがレッドはピンクとラブラブで、控えめなグリーンは思いを押し殺し身を引こうとしていた。

グリーンが想いを伝えればレッドとピンクの関係にひびが入り、つけいる隙が生まれるかも、と考えたシュバルツはグリーンに接触し、お前の恋を応援する、と告げる。

「我らの付け入るスキが生まれるやもしれんぞ……! あ、いや、スキは好きじゃなくてスキマの方のスキで……」

「……ヒカルくんに、告白?私が……?」


シュバルツが唆し、グリーンはレッドに告白した。思惑通り、ラブレンジャー内に波乱が起こり始める。

だが、「リーダーが腑抜けてるんだからわたくしたちが踏ん張るしかないでしょう!?」としびれを切らしたイエローがブルーに告白し、ブルーもたどたどしくイエローを愛していると告げる。新たな愛の力でシュバルツたちはまた倒されてしまう。


・第三章

惑星モナムールは「愛」が力になる世界。こんな惑星を支配しようとしたのが間違いだった、と別の星の侵略を進めるシュバルツ一味。だが、ラブレンジャーたちのその後がどうも気になり、約一か月後にモナムールを再訪すると、惑星全体の「愛」が薄まり下級モンスターが跋扈する荒んだ星になっていた。

グリーンの告白によってレッドとピンクは気まずい雰囲気になり、イエローのツンデレのせいでブルー・イエローカップルもなかなか素直になれず、グリーンはずっと学校にも召集にも来ず、ラブレンジャーは実質休止していた。シュバルツとラブレンジャーたちが山奥でようやく見つけ出したグリーンは家にもずっと帰っておらず、「私が告白なんてしなければよかったんだ」という後悔の念で心の邪気が強まり、モンスター化しかけていた。

「この美しい星を我らのものにしてこそ意味がある」という思い半分、責任感半分でシュバルツはレッドとピンクに説教し、グリーンを元に戻そうとする。

「そもそもだな、貴様らが所構わずキッ、……接吻などするのにも一端があるのだぞ。そりゃあ複雑な気持ちにもなろうよ。貴様らの愛というのは他者に見せつけなければ実感できない程度のものなのか?」

「グリーンよ。人を愛しく思う気持ちというのは尊いものだ。相手が誰であろうと、それを貴様が抱いたこと、それを伝えたことは決して間違いなどではない」

シュバルツがそう伝えると、グリーンの周りを渦巻いていた邪気が晴れていく。グリーンは涙を流していた。「ヒカルくん、あなたとキャロちゃんが、幸せでありますように」

ラブレンジャーたちは「誰かを愛しく思う気持ち」そのものを具現化して武器にする術を身に着け、愛エネルギーで出来た剣でシュバルツを刺す。

「この流れで吾輩倒されるの!?!?」

「えっ、だってこれお前らみたいなのを倒すための力だし……」

断末魔の叫びを上げながらシュバルツは浄化され、光に包まれて消える。


・第四章

シュバルツが目を覚ますと、周囲にはなにもなく、どこからか声だけが聞こえてくる。そこは死後の世界だった。魔界の生物たちと同じように、シュバルツは転生し、新たな生命として誕生する、と天の声から聞かされる。

 魔王の座は兄弟たちに譲ることになってしまうな、とひとり自嘲するシュバルツ。


 五年後、ラブレンジャーを続けていたレッドたちの前にひとりの少女が現れる。

「あたし、マシロ! ラブレンジャーに入れてほしいんだ!」

 彼女こそが転生したシュバルツだった。前世の記憶を持たない彼女をホワイトとして迎え入れ、歓迎する何も知らないラブレンジャーたち。

 新生ラブレンジャーは、今日も惑星モナムールの平和を守るため奔走する。


・第二巻以降

転生シュバルツことマシロがラブレンジャーに交じっていろんな活動をしたり(『涼宮ハルヒ』シリーズのSOS団のようなイメージ)、シュバルツだった頃の記憶を取り戻して悶絶したり、他の魔王の子供たちが敵として現れたり……


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