取り戻せない感情を、やるせなさを、人は「後悔」と呼ぶ。

本作は「家族の絆」をテーマにしたヒューマンドラマです。


子どもの頃に抱いていた父親への畏れ、恨み。
そんな感情に対する主人公のささやかな復讐は、
無力だったという己の「後悔」から生まれた行動であり、
母のかたき討ちでもあったのでしょう。

物語の結末は、新たな「後悔」を生みます。
しかし、それは改めて家族の絆を深めることにもなるのでした……。

また、物語の軸のひとつでもある「介護」とは、
終わりのない旅路のようなものです。
こんな時代だからこそ、
多くの人に読んでもらいたい物語だと感じます。

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