第2話 最後の宝玉

 最後の一つを見つけに俺は山の中を進んでいた。

 どうして宝玉の在処ありかが分かるかって?

 それは直感さ。

 今までだってこの直感のおかげで見つけられたのだ。

 そして最後の宝玉はここにあると俺の直感は告げている。

 と、そこである人物に遭遇した。

「なんでお前がいるんだよ」

 宮地がいたのだ。しかもなぜか柔道着姿で。山ん中を素足でいて、痛くないのかよ。

「お前と同じで女神様のいいつけで宝玉探しさ」

「どういことだ?」

 詰め寄ろうとすると、

「おっ! 来たぞ!」

 宮地は木々の奥に目を向ける。

 そこには2つの頭を持つクマがいた。

「なんだクマか。楽勝だな」

 宮地は人間離れした猛ダッシュでクマに駆ける。

 速いな。どうやら女神から力をもらっているようだ。あれならのクマ程度ならなんとかなるかもしれないだろう。そうのクマなら。

 宮地は飛び、後ろ回し蹴りを繰り出す。

 しかし、クマは宮地の足を悠々に掴み、そして縦に振り、宮地を地面へと叩きつける。

「ブッファッ!」

 さらに足を掴んだまま宮地をぐるぐると超高速で振り回す。


 一時間が経過した頃、宮地はとろとろのバターになっていた。クマは食パンに宮地バターを塗って、食事を始めた。

「さて弔い合戦といこうか。俺は初心者宮地とは違うぞ。なんてたって山賊王と呼ばれてんだぜ」

 俺はまずロケットランチャーで邪魔な周囲の木々ごと吹き飛ばす。

「ヒャッハー」

 煙が立ち込める中、次にマシンガンでクマがいた方角にトリガーを引く。

「オラオラ、オラオラー!」

 煙から影らしきものが上空へと飛び立つ。

 俺はマシンガンの銃口を上に向ける。

「ガーーー!」

 クマが大きく吠えると二つの口から火を吹いたのだ。

 俺は横に飛び攻撃を躱す。

 クマは地面に着地するやすぐに俺へと向かって来た。

 俺はバケツの中身をクマへとぶっかける。

「ピギャーーー!」

 クマが変な悲鳴を上げた。なんだよピギャって。

 俺がぶちまけたバケツの中身は硫酸で、それを体全身に受けたクマは大火傷しながら地面を転がる。

「これで最後だ!」

 俺は薙刀でクマの腹を突き刺す。

「ピギャーーー!」

 クマは絶命し、口から宝玉を吐き出した。

「回収! これで7つ集めたぞ!」

「ピギャーーー!」

 クマは立ち上がり、爪を振り回す。

「こいつ、まだ生きてたのか?」

 けれど絶命間近なため避けるには容易い。

 が、慢心のせいか躓いてしまった。

「しまった!」

 クマが宝玉を俺の手から奪い取り、なんと上空へと放り投げた。宝玉は上へ上へと飛び、そして月へと落ちる。

「な!」

「これでリヴァイアサンの封印も無理だな」

 と言ってクマは絶命した。

 てか、このクマ、喋れるのかよ。


 最後の宝玉は月へ。

 けど問題はない。

 なぜなら俺には女神の加護がある。

 月なんてひとっ飛び!

 だけど月にはミミズ星人がいることで有名。

 はたして無事に宝玉を持って帰れるのか。

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