第35話 「ダヴィデの町」

「サウジ王様!

ゲリラ将軍の軍がダヴィデ軍ではなく、我々の陣営に迫っています!

やはりダヴィデ軍が手を結んだというのは本当かもしれません。」


「まさか!

ダヴィデがゲリラ将軍と手を結ぶなどあり得ない事だ!

我々はダヴィデさえ捕えられたら良いのだ!

何故?敵将ゲリラは、ダヴィデ軍と戦わず、我々に戦いを仕掛けて来るのだ!」


「ダヴィデ軍はガイアの領地を攻め込まず、ただ周囲を包囲し、何度も何度も周回すると、全軍が雄叫びの声を上げると鎮まり、非常に怪しげな奇行を繰り返し、戦場全体に恐怖心を与えているように感じます。

ただならぬ状況です。」


「ダヴィデ軍は、一体どういう手を使ったというのだ?」



夢見の少女セツラは、ダヴィデにサウジ軍とゲリラ軍双方に、相反する通達を送り続け、情報操作による撹乱に成功していた。


「セツラよ!

いよいよ明日だな!」


「ダヴィデ将軍!

時があなたに進むべき道をはっきり示しています!

明日です!サウジ軍は、ガイア軍と激しい戦闘に入り

あなたは、明け渡された敵陣の城門を通り、ガイアの領地をダヴィデの所有地として手にする事ができるでしょう!さぁ!恐れずただ起源の主に祈り、時を待つのです!


サウジは、ダヴィデの勝利を目にして、恐れ慄き

自国に帰って行く事になるでしょう!

ガイアの領地は、名を替えてダヴィデの町と呼ばれるようになるでしょう!」


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