第32話 「ゲリラ将軍の秘策」

「ゲリラ将軍!

アブラハ国のダヴィデ将軍が、ガイア領地に攻め入って来たようです!」


「ダヴィデ将軍だと?

奴は国を追われる逆賊者ではないか!

ガイア領地は、ペリシテ国最大の烈國。

野党如き身分に陥った者に何が出来るというのだ!」


「ゲリラ将軍!

ダヴィデ将軍を侮ってはなりません!

あの者の陣営には、夢見の少女がいますから!

我々が圧倒的な戦力を保有していようと、全ての情報は敵陣営に筒抜けであり、敗北へと追いやる道筋は、立てられている事でしょう!


それにこれまでダヴィデ将軍の敗北は、一度もなく、かつてペリシテ国最強の将軍ゴリアテが、まだ少年であったダヴィデに倒した武勇伝を知らぬとでもいうのですか?」


「うむ…ではどうすれば良いのだ!

ダヴィデ軍に我が陣営が倒されるのを、ただ手をこまねいて見ているしかないのか?」


「いえ良い策がございます。

アブラハ国のサウジ王に通告するのです。

逆賊ダヴィデがガイアの地にいると!」


「つまりガイア軍とサウジ王の軍で挟み撃ちにして倒すという事だな!」


「そうです。たとえこの戦略が夢見の少女に知られたとしても手の打ちようがございません!

我が軍の勝利は間違いありません!!」

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