周期表コレクション遍歴

龍姫

Introduction.

 収集を趣味とする者はネットのあちらこちらを見渡すと多いことだ。とは言うものの、収集には様々なものがある。フィギュアや昆虫標本、腕時計などなど、多種多様である。その中でも、私がとりわけときめいたものは元素であった。勿論、ここでいう元素とは、今流行りの某MiHoYoのRPGに出てくる素材などではなく、中学高校の理科でも扱う周期表の元素だ。

 私が元素という概念を知ったのは小学2年生の頃だったと思う。とある書店でとある図鑑を手に取ったのが始まりである。その図鑑はセオドア・グレイ著『世界で最も美しい元素図鑑』。この図鑑では、著者であるセオドア・グレイの元素コレクションの写真が解説付きで数多く収録されている。きっと私と同じような契機で、このいち化学の分野の世界にどっぷり浸かった者も少なくないのではないだろうか。

 余談だが、著者のセオドア・グレイは「周期表の元素を収集し、それの机を作った」ことでイグ・ノーベルを受賞している。

 そういった経緯で、私も元素収集にある種の情熱を抱いたのだが、当然現在知られている118種を全て集めることは困難、というか不可能である。特にキュリウム(Cm、96)以降の人工放射性元素は一般のための市場には出回っていない。その他放射性元素に関しても我らが日本国では厳しい規制がかかっている。(セオドア・グレイが居を構えているアメリカではやや緩い)

 そんなわけで通常の元素コレクターはビスマス(Bi、83)までの81元素(この誤差は後程解説する)を集めるに留まっている。

 しかし、81もまた随分大きな数である。鉄(Fe、26)やアルミニウム(Al、13)などといった日常的に見かける元素から、イリジウム(Ir、77)やロジウム(Rh、45)などといった数グラムあたりの価格相場が7桁のものまである。その他、毒薬劇薬として販売に規制がかかって入手が容易でないものも幾つかあり、なかなか手強てごわい。

 とはいえ、81という明確な目標がある点に於いて、他の収集とは一線を画するものがあり、小さなサンプルで満足できるような人であれば、場所を取らないという魅力もある。

 そこで、私は元素収集に興味がある方々のためのガイドラインのようなものを著そうと思い立ったのだ。(異世界系などといったSF・ファンタジーが多くを占めるサイトで掲載するようなものなのかはさておき)

 このガイドラインは原子番号順に紹介していくが、私が収集し終えた元素から順次に更新するため、発表順は不定期となっている。そのため、このガイドラインが完成するにも数年掛かることを留意していただくと幸いである。


※ただし、注意書きとして、このエッセイの情報を鵜呑みにはせず、実際に自ら精査した上でお読み頂ければ幸いです。

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