第13話 薬草園大改造

深夜テンションで起こされた俺はすぐに着替えて庭へと向かった。そこには庭師のジョーンズさんとじいちゃんが既におり、孤児院の子供たちも眠そうな目をこすりながら総動員されていた。


「では、第一回薬草園大改造を行う」


こう宣言したのはもちろん一番テンションの高いじいちゃん。この後じいちゃんの説明が始まる。


「まず初心者組はレッサーポーションの素材である薬草を強化合成してみてくれ。それで何を強化できるかをジョーンズに聞いてくれ。もちろん植えなおす必要があるから丁寧に根を掘り起こしてから合成するのじゃぞ」


「「「「「はい」」」」」


初心者組と名付けられた五人はいい返事を返した。その光景にご満悦なじいちゃんは話を続ける。


「中級者組は魔力草の強化合成じゃ。こちらは儂が監督するから何が強化できるかは儂に教えてくれ。こちらも薬草同様丁寧に作業を行うのじゃぞ」


「「「はい」」」


中級者は+2のレッサーポーションを作成できる子達で構成されている。こちらも元気に返事したことでじいちゃんはさらにご満悦だ。


「残りの五名はまだ合成をうまく発動できないからジョーンズの手伝いじゃ。もちろん丁寧に、そして話をきちんと聞いて作業を行うのじゃぞ」


「「「「「はい」」」」」


ここまで来るとじいちゃんは有頂天だ。


「最後にルーク、他の子たちが強化した薬草と魔力草を+4まで強化してくれ。スペースが空いた土地には森で採取してきた薬草や魔力草を植えるから気兼ねなくやってくれてよいぞ」


「はい」


少し恥ずかしかったが返事をしておいた。こうして薬草園大改造は始まった。



薬草+1

薬効▲

繁殖力▲



魔力草+1

薬効▲

繁殖力▲

魔力回復力▲



薬草は上記のように強化合成できた。薬草は【薬効】を上げたのみを、魔力草は【魔力回復力】と【繁殖力】を上げた物を作成して植えなおした。


薬草園の面積は十六分の一と小さくなってしまったが作業は順調に進み、一日で完了した。ちなみに限界に達した子供たちはバッタバッタと倒れていったのはいつも通りだ。


そして俺は最後に薬草+4を二株使い+5の作成に挑戦してみた。結果は見事成功してジョーンズさんの手によって薬草園へ植えられた。


俺は気絶してしまったのでその光景を見ることはできなかったが・・・。


その日の晩はメイド長のクリスさんの手に寄りをかけた豪勢な食事だった。こうして俺たちは健やかで充実した一日を過ごすことができたのだ。

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