第30話~2022年12月25日のお話(悲しいクリスマス)~

2022年12月31日更新


12月25日の朝、私たちの子供たちは、朝、枕元にサンタさんからのプレゼントは来なかった。

朝起きた子供たちが言う。

「サンタさん来なかったよ~」。


私は黙っていた。


小学校2年生の長男が気を利かせて言った。

「昨日の夜は、パパも一緒に寝てしまったから、大人がいたからサンタさん、来なかったんだよ。きっと。そうだよねパパ」と言った。


私は「そうだね。きっとパパも一緒に近くで寝ていたからサンタさんは来なかったんだね。ごめんね。邪魔して」と言った。


正直プレゼントを買える余裕がなかった。

子供たちには申し訳ない事をした。

子供たちの心の中には悲しいクリスマスとして今日の事が刻まれるだろうか。


子供たちの習い事が終わってデパートに行った。

今日はクリスマス。デパ地下ではケーキ屋さんが大混雑している。どの店も人員を増員して必死でクリスマスケーキを売ろうとしている。

子供たちにクリスマスのおもちゃを買ってあげられなかったので、せめてケーキだけは買おうと思ってやってきた。


幼稚園年長の次男があるお店の前に立ち、「あれが食べたい」と言った。

指先にあったケーキを見ると、ビュッシュ・ド・ノエルだった。


「おおっ!いいね。美味しそう。いいんじゃない?これにしよう」と言った後で

値段を見た。びっくりした。4500円もする。


「ごめん。ちょっと高くて買えないや。ごめんね。パパ貧乏だから許してね」と謝った。


妻が「ここでいいんじゃない?」と、あるお店の前に立った。プリン屋さんだった。


私は「クリスマスだからケーキにしようよ」と言ったが、


妻は「いいよ。私はこれが食べたい」と言った。


妻にも気を遣わせてしまったなと思った。

結局、私の分は買わず、子供二人と妻の分でプリンを3個買った。合計900円。


クリスマスの日は毎年ケーキを買ったり、ピザを注文していたが、今年は何も外食せずに

家にある残り物で過ごした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る