第15話 ケイの苦手なこと

 ケイも、俺に反抗する時はある。


 今、まさにそれだ。


「ケイちゃん、おいで」

「キュン……」


 こない。


「ケイちゃぁん」

「……」


 一定の距離を保ち、来ない。


 ケイは、お風呂、苦手。


 2週間に一度のケイ風呂が今日なのだ。


「ケイちゃん、あとでお肉あげるから」


 キラーワードを出すと、ケイはあっさりと来た。


 大きなケイがバスルームに入ると、それだけでもう動くのが大変。


 俺も素っ裸で、シャンプーまみれになりながらケイを洗う。


 まずは一度、汚れを落とすシャンプーをする。


 しっかり、ゴシゴシするぅ♪


「ケイちゃん、あーん」


 ケイは賢いから、口を開けてくれる。歯ブラシで歯を一本ずつ丁寧に磨いていく。いつもの歯磨きよりもたっぷりと時間をかけて……それから爪を切り、研いで整えてあげる。


 それから肛門腺しぼりをして……あんまり溜まってない。


 2回目のシャンプー!


 うおおおおおおお! て頑張る。


 換毛期ではないから、抜け毛はそうでもないな。


 耳の中も、綿棒で丁寧に洗い、お湯でしっかりと洗い流したあとはトリートメントだ。


 これで毛がつやつやふわふわさらさらぁになる!


 洗い終えて、乾かすための準備をする。


 身体をブルブルとしながら、ケイちゃんを誘う。


「ケイちゃん! ぶるぶるぅ♪ ぶるぶるぅ♪」


 ケイ、ブルブルする!


 水しぶきがぁああああ!


 でも、この後にドライヤーしてあげるとすぐに乾く。


 ケイのブルブル、一気に水分が逃げるみたいなんだよね。


 そして仕上げにドライヤーをして、俺も軽くシャワーを浴びて身体中にまとわりついたケイ毛を洗い流す。


 服を来て、部屋に戻るとケイは俺のベッドの上をゴロゴロぉ♪


 かわいぬぅ!


 かわいぬすぎるだろぉおおおおお!


「ケイ! お肉焼きますよぉ!」

「ワン!」


 ニッコニコで、頭をすりつけてくれる♪


 ケイ、最高のお犬!

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