第2話 遅刻した女の子

 今朝も、子供達から、笑顔と元気をもらいながら、見守りボランティアをする。8時20分になり、そろそろ終わりかな・・・・と、一緒にやっていた友達とお喋りしていたら、低学年の女の子がトボトボ歩いてくるのが見えた。時間は、8時27分。もう、遅刻の範囲だ。「おはよう」と声をかけるが、元気がない。その日の天候が、どんよりと薄曇りで肌寒かったせいか、その子がとても淋しそうに見えたので、学校まで一緒に歩く。歩きながら、いろいろお喋りしてくれた。結構、遠くから通っていて、放課後は近くのおばあちゃんの家に行くらしい。「ママは、あまり参観日に来てくれないの・・・・母子家庭だから仕方ないの・・・・」との事。う~ん、小さいながらも、いろいろと理解しているんだなあ・・・・と思いながら話を聞く。遅刻も、慣れた感じで、閉門した時の学校への入り方も良く知っていた。

 いろいろな子がいて、いろいろな生活があるんだなあと、しみじみ思った。

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