第5話

私はあの日からおばあちゃん家で居候させてもらうことになった。

畳で寝転がりおばあちゃんのことを考える。

「兵隊か……」

たしかおばあちゃんの聞いた話によるとおじいちゃんは久遠家の次男でこの時代は長男が家を継ぐから兵隊になるしかない。でもそうするとおじいちゃんに会ってもいないのになぜお父さんは生まれたのか不思議で仕方がない。

私は目を閉じて風鈴の揺れる音を聞く。目を閉じでいる時間が長かったせいか私は眠気に襲われ、夕方まで眠ってしまった。












「乃々華ちゃーん!ご飯だよー!」

とおばあちゃんが私の名前を呼び、私は目を覚ました。外を見ると少し暗くなってきていて、私は急いでおばあちゃんの元へ向かう。

食卓には麦ご飯、漬物、さつまいもだった。

「そっか……今は戦争だもんね……」

そう呟いた。だけどこれらを見るとバランスが悪い。3人で食卓を囲みご飯を食べる。

「2人ともお肉など筋肉がつくものは食べてますか?」

すると2人はふるふると首を横に振る。やっぱりこの時代は食べれないよね。私は外を見る。「美晴ちゃんどうしたの?」

私は外に出るとその一瞬の獲物の動きを捉えた。そして家に戻り

「美晴さん、美結さんこの虫食べれますよ。」

と言って私が手に取ったのはイモムシ、コオロギ、ミルワーム、カブトムシだった。2人はドン引きした。

「台所借りますね。」

と言い私は手早く調理を始める。そしてできたものを食卓に運んだ。

「見た目は不気味ですが、中はお肉も栄養もたっぷりなのでよかったら食べてください。」

とご飯をすすめる。2人はは目をぎゅっと瞑り口に運ぶと

「お、美味しい!!」

「なにこれ!すごい!」

と笑顔になった。こんなことで笑顔になるなんておばあちゃんたち可愛い……!

「虫はちゃんと調理すれば食べれますよ。だけど毒や、感染させる力を持っている虫はダメです。」

私はサバイバルに興味があるから事前に調べておいてよかったと思う。この家は身分が高いが、今の時代男尊女卑。かなり不利だし、結局戦争中だから立場はみんな同じラインだ。私の観察眼が正しければこの家は幸せなほうだ。野菜も色々あるし、米の量が多い。それに戦争中に虫がいるし。普通だったら焼け野原でなにもないはず。砂糖も少しあるし、備蓄品が戦争の資料でみたよりちょっと多い。それかあの婚約者がものを送ってきている可能性もある。私は考える。するとおばあちゃんのお姉ちゃんが

「乃々華ちゃんはよく考えるし、頭のいい子ねぇ〜」

と感心していて私は目を見開いた。

「え?」

「だってあなたは常になにか考えているけれど、しっかり瞬時に判断して答えが出せる。それにあなたの観察眼は鋭いわ。」

とおばあちゃんのお姉ちゃんは言った。たしかおばあちゃんが言っていたのはお姉ちゃんは周りがよく見えていて、賢いって。だから嘘とかはよく見抜けられる。だからその賢さが欲しくておばあちゃんのお姉ちゃんを婿にしてでもいいから欲しいと言われることが多かったと言っていた。

「にしてもこの虫料理美味しいわ〜!!今のうち捕まえておいて保存食にしましょ〜!」








虫料理を食べてキラキラする人を初めてみて私は苦笑いした。

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