とある少女の目覚め

目が覚めた時、真っ先に目に入ったのは知らない男女の顔だった。


私がいたところでは珍しい西洋風の顔立ちに、男の方は時代が逆行したかのような貴族風の恰好。


周りを見渡しても見たこともないものばかりで、どこかに連れ去られたのだろうかと思った。


そこまではやや混乱していたのだが、まだ正常に思考できていた。


しかし次の瞬間、自分の体を確認すると完全にパニックに陥った。


だがそれも仕方ないだろう。


私の体は生まれたての赤ん坊になっていたのだから。


こうしてあの日、あの橋の下で止まったはずの私の物語は、また動き出した。

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