第4話 焼肉デート

昨日は後輩とバーや居酒屋をはしごして3時頃まで飲んでしまった。

朝起きるとアイリから電話とメールが届いていた。


15:30 ni deat suru omiseno mae matte masu


メールを見て本当にデートできるのか。

二日酔いながら初めて実感した。


15時半。お店の前に着いたヨシオはアイリにお店に着いたことを伝えた。

5分ぐらいして本当にアイリが来た。


ロングコートにぴったりのジーンズにヒールでお店のステージ衣装とは違う雰囲気で露出度は少ないが普通にかわいい。


とりあえず、何度か言った事がある半個室の焼肉屋へ向かった。

焼肉屋に行くまでにすれ違う人からの視線を感じた。30代後半のヨシオと20代のフィリピン人が日中に手をつないで歩いているのだ。明らかに様子がおかしい笑


しかし彼女にそんな事を悟らせてしまってはならぬと必死にエスコートを続けた。

ヨシオの手には大量の手汗で恥ずかしい思いをしました笑


何とかして焼肉屋に着いて、ビールとお肉を頼んだ。

ヨシオはカルビ等脂っこいものは好きじゃない事を伝えたところ、アイリも脂っこいのは好きじゃないという事でタンとハラミ、キムチ、サンチュを頼んだ。

アイリがお肉が大きくて食べにくそうだったので、店員さんにハサミを頼んで小さくカットしてあげたりした。


アイリ「優しいですね。私、優しい人好きです。あなた優しいから、私もあなたに優しくなれる。デート他のお客さんとも行くけど、今日のデートは私が行きたいから誘った。本当ですよ。」


ヨシオ「ありがとう。でも日本人はみんな優しいよ。」


アイリ「優しいひとばかりじゃないよ。他のお客さんデートでごはん食べた後すぐにホテルに誘ってくる。断ったら怒ってくる。怒ってお店に来なくなったら私がお店から怒られる。サイアクよ。」


ヨシオ「そっか。サイアクだね。」


先に聞いておいてよかった。ホテルに誘ったら間違いなく嫌われるだろう。

しかしホテルに誘って断られたから怒るというのはあまりにもひどい話だと思った。

思い返してみたが、フィリピンパブの客層は40代から60代でけっこう強面風な50代のお客さん達が多い気がする。そんなお客さんに誘われたら…

彼女達の仕事は簡単ではない。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る