第27話日常とイベント③

新作「超人気俳優が女子高校生を好きになるのはダメなことですか?」始めました!

こちらの方もぜひお読みくださいね!



では、本編どうぞ!!


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話し合いから数日後……


俺と水希、紗理奈、ついでに海周の4人で星奈の家に来ていた。


家に入ってすぐ、紗理奈が

「うわぁぁー、めっちゃ広いよー!

豪邸ってやつだよ、にぃに!」


紗理奈の言う通り、そこは2、3件の家を合わせてもまったく釣り合わないくらいの広さを持つ家だった。


紗理奈の言葉に、水希も頷く。

「ほんとにすごいですね……。」


と言うと、横に立つ海周が

「まあ、星奈の親父さんが大企業の社長やってるからな………」


その言葉に俺たち3人は、納得する。


少しすると、奥から星奈と美人な女性がやってくる。

「みんな、よくきてくれましたね。

いつもお世話になっています星奈の母の静香です。」

と、まるで星奈と姉妹にすら見えるほど若々しい美貌を持つ静香さんが丁寧にお辞儀する。


「渡邉水希です。いえいえ、こちらこそお世話になっていますので……」


「あっと、私は九条紗理奈って言います。どちらかと言うとお世話されている方なので……」


静香さんのあまりの品性の良い振る舞いに水希と紗理奈は慌ててお辞儀を返しながら言う。

「九条龍星です。俺の方は、いつもみんなのおかげで生活できていますので……、そんなに畏まらずにいてくれると助かります。」


俺も慌てて言葉を紡ぐ。


それを聞き、静香さんはふふっ、と笑い

「星奈、海周くん以外の良き友人を持てたようですね。この良きご縁を大切にしなさいね。では、リビングに行きましょうか。星奈案内をお願いね。」


「もう、わかってるわよ。さあ、リビングはこっちよ。私についてきてね。」


そう言うと、広い玄関から奥に進んでいく。

水希が俺の車椅子を操作しようとすると……


静香さんが手で制止する。

「九条くんは私がリビングにお連れするからら水希ちゃんたちは星奈をよろしくね。あの子が料理をするなら被害者が続出してしまうから……。」


と苦笑いしながら言う。


水希と紗理菜も頷くと星奈と海周の後を追って行った。



「わざわざ、お手間を取らせてすみません。」

2人がいなくなり、静香さんに頭を下げつつ俺は言った。


「あなたは本当にすごい子なんだね。」

静香さんは俺の目を見つめて言う。


「えっ?」

その言葉の意味がわからず俺は思わずそんな言葉が出る。


「星奈から、あらかたの事情は聞いています。人を助けるために、ものすごく大きい代償を払ったというのに……、君から出てくる最初の言葉はみんなへの言葉。

世の中、そんなにも他者を考えて話せる人は中々いません。」


「…………ありがとうございます」


「でもね………、

それが私は心配でならないわ。

君の言葉のどこにも自分が入っていないように見える。もうちょっと自分のことを考えてもいいのよ?


って、いい歳したおばさんからの口煩い言葉だと思ってね。 準備できたし行きましょうか」



静香さんの言葉に俺は首を縦に振ることは出来なかった。

それ以上に、自分の中にある核に貫く言葉にどこか恐怖を感じたのだった……。


ーーーーー


俺と静香さんがリビングに行くと………


紗理奈と水希はどこか不安そうな顔で、海周の方は絶望したような表情をしてテーブルに座っていた。


「みんな、どうかしたか?」

俺が聞くと……、

海周が泣きつくように俺の方に来て


「聞いてくれよ!渡邉さんと紗理奈ちゃんがあいつの危険を全然わかってないんだよ!」


「どういうことだ?」


「2人が、星奈に1人で料理をしてみて、って言ったんだぞ?」


その言葉に驚きの表情を示したのは俺の後ろに立っていた静香さんだった。


「まあ、なんてことを………。

あの子1人で料理なんて……、最悪1週間はみんな寝込むわよ?」


その言葉に、水希と紗理菜は

「「ほんとに?」」

と、先程までの不安な顔がみるみる海周の表情に似た絶望へと変わっていく。


そんなみんなを見つつ、俺は

「……さすがに大袈裟だろ?

料理なんて、だいたい不味いって言っても……」

俺の言葉に被せるように海周が

「龍星はわかってない!

あいつの料理を食うことがどういうことかをな…………。


小学生の時、調理実習であいつは俺を含めた班全員を保健室送りに…

中学生の頃は、バレンタインという名の死のチョコレートを俺に渡して、4日間腹痛と下痢が止まらなくなった……。

高校の頃なんか、手作りクッキーをクラスに渡して、次の日渡した全員が学校を休んだ……そんな超超がつくほどの激マズ料理を作るやつだぞ?

そんな奴を1人で料理させることの恐ろしさがお前たちに理解できるか?」


俺たちは、もはや苦笑することしか出来なかった……。



しばらくして、星奈がお盆に料理を乗せてリビングに来た。

「みんな、おまたせー!

私史上一番美味しくできたわ、さあ召し上がれ!」


星奈が持ってきたのは焼きそば(?)と思われる物体だった。


それを見て、水希は

「えっと………星奈ちゃんこの料理……」


「ふふっ、もちろん焼きそばだよ!」


「あ、そうなんだね……………」

震える手を必死に止めて、お箸を料理に持っていく。

その瞬間、水希の瞳から生気は無くなっていた。


俺と紗理奈も、味を想像することすら出来ないこの焼きそばに覚悟を決めて食べる。


「「「……いただきます」」」


一口食べた後、口のなかに、苦味、辛味、甘み、酸味が爆発する。


俺たち3人は、必死に口を抑えて飲み込むことを拒絶する身体を必死に言うことをきかせる。

いつの間にか身体は見たこともないほどの汗が流れていた。


そんな3人を見て、星奈は

「…………どうかな? 結構マシに作れたと思ったんだけど……。」


((((これで????))))

この時、俺たち3人はシンクロした自信がある。この暴力的な不味さが今まででマシなのかと。


ただ、これはお世辞でもおいしいの、お、すら言えない程の不味さだった。


俺たちが返答に困っていると……


海周が一口焼きそばを食べる。

「……うっっ。

やっぱり星奈の料理は不味い!

こんな料理、3人にこれ以上食わせれるもんか。」


その言葉に、星奈は涙目になって

「………そんなに酷いこと言わなくてもいいじゃない………」


と、泣くのを必死に我慢して手でエプロンを必死に掴みながら言う。


俺達は星奈に言葉をかけようとすると……

海周が言う。


「………こんな不味い料理を食うのなんて俺だけで十分なんだよ。


だから、星奈が上手いものを作れるようになったらみんなに振舞ってやれよ。」


そう言って、俺たちの分の皿を自分のところに寄せて、一気に4人分の料理を平らげる。


それを見た星奈は

「………ばか。次こそ美味しいものを作って、あんたに美味しい!って言わせてあげるんだから。」


「上等だよ!」


「とういうことで、水希先生!

私に料理を教えてください!」


「そういうことなら……任せてください!

絶対に星奈ちゃんのその絶望的な料理センスをどうにかしてみせます!」


「………水希まで………。」



○○○



星奈の自宅を出て俺たちは帰路についていた。


「まさか……あれほどとは……」

水希はお昼の料理練習を思い出しそう言う。


すると、隣を歩く紗理奈も苦笑しつつ頷き

「だよね……、まさか塩と砂糖を間違えたり、塩コショウの代わりに七味を丸ごとぶち込んでいたり………色々と規格外だったね。」


「………だな。でも今日一日で大分マシになったんじゃないか?」


「………そうですね。最恐の食中毒生産機が激マズ料理生産機になったくらいですけど……」


「「……」」


「……それでも、海周はすごかった。」


俺の何気ない一言に2人は頷く。

「あれほどの恐ろしい料理を何ひとつ残すことなく全て完食していましたからね。」


「海周くんもなんだかんだ最後は舌がバグって激マズなのを美味しいと感じるようになってたもんね……。」


「確かにそうだな。今頃海周のやつ、ぶっ倒れてたりしてな。」


「ふふっ、ありえますね。」


「なんか、想像できるね。」



と、夕日が綺麗な空を3人で見ながら、

今日一番の功労者の姿を想像して思わず笑みがこぼれるのだった………。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いかがでしたか?


やはり、母は強し!ですね。

それと星奈の壊滅的な料理センス……。

海周の分かりずらい思いやり……。



色々と思うことがある回だったかなって思います。

さあ、次回いよいよ

チャリティーイベント開催します!

お楽しみに!


面白い!続きが気になる!っと思ってくださった方は、コメント、応援、☆☆☆などなどよろしくお願いします!!


では次回お楽しみに!


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