第6話

「え……えぇ!?元カノさんですか!?」

「ただ似てるだけの可能性もあるから話してみないことにはわからないけどね」

「あっ、それよりもレイさん彼女いたことあったんですね……」

「……俺の事をどう思ってるかじっくり話し合う必要がありそうだね?」

「あっいえ!その……今日やっていた感じモテてそうなではあったんですけど、実際に本人の口から聞くとびっくりするというかなんというか……」


 ちょっと怖い雰囲気を出してみると慌てて弁解してくる。

 まったく、実際に話すのは今日が初めてだろうに……


「……にしてもレイさんがだったなんて(ぼそ)」


 ……どういうことだ?


「さきさん、今の『あの』ってどういう意味ですか?」

「あ、聞こえちゃいましたか……実はですね、すずさんよく色んな人からお誘いされるんですよ。他のマネージャーさんとか会社の人に」


 まああれだけ愛嬌がよくて顔も可愛い、背も小さくて可愛らしいときたらそりゃモテるわな。


「でもそういうお誘いは全部断っているんです。最初は彼氏が既にいるのだとみんな思っていたんですけど、ある人が直接聞いたそうなんです。数々の誘いを断っているのはどうしてだ、と。そしたらこう答えたそうです


『みんなには申し訳ないんだけどさ、それでもやっぱり、より魅力的に見えないんだ。アイツよりいい人見つけないと、振った私がバカみたいじゃない?』


 ってケラケラ笑いながら。それを聞いた張本人はなんとも言えない顔をして去って行ったみたいですよ。それ以来、二人きりでのお誘いをする人はいなくなったみたいです。大勢での飲み会とかは軽く参加したりしているみたいですが」

「そう……か、いや人違いだな。別れたときはフラれたと言うか自然消滅だったし」

「そうですか、そういえばですけどレイさんは自分の声のことどう思いますか?」

「どうって……さきさんの声は落ち着いていて聞き取りやすく可愛らしい声だと思うよ」

「ありがとうございますっ、じゃなくて!レイさん自身の声です!」

「俺の声?普通によくあるありきたりな声じゃない?……どうしてそれを?」

「すずさんの惚気のうちの一つです。『アイツはいつも自分の声の良さを全く理解してない。めっちゃ落ち着く良い声なのに』って」


 はぁ……かつて何度もした二人でのやりとりが鮮明に思い浮かぶ。


 パソコンの横に立てかけてあるスマホの画面が通知を受け取り光を灯す。

 そこにはもう逃れられないぞと言わんばかりのメッセージが届いていた。



『さきのコラボ相手零でしょ。久しぶりに話さない?ってか話聞かせろコラ』



 ―――――――――――――――――――――


 久々に書きたくなったので続き書くついでに修正

 誤字脱字、ストーリーがおかしいとこなどご指摘ございましたらぜひ教えてくださると助かります

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