第38話 エレベーターノナカデ

「シャドウボクサー!!エドウィンバレロを召喚!!」


ヴァズギアはシャドウを行い、カゲルを殺す為に27戦無敗の凶悪な獣を顕現させた。


「フシュウウウウ!!!」


バキ!ドゴッ!


肩甲骨から前腕まで伸びる筋肉と健が作り出す

線は彫刻の美しさとしての死と極限までの肉体が生み出す生を同居させカゲルに襲いかかった。


「ピギイイイイイイイイ!!!」


もう、人の言語を超えたダメージを称えるためにカゲルは虫のような悲鳴をあげる。


「ヒャハアア!!カゲルよおおお!!」


バキ!!


「やああっとぶちのめせたぜえええ!!」


ぽゴォ!!


「ピギャアアアアア!!!」


「お前に斬られた影がよぉ!シクシク痛むんだぁぁ!!テメェを殴り殺せとよぉぉぉ!!」


ボグァ!!


「フィニッシュダァぁぁ!!!」


スパッ


ヴァズギアの右腕はエレベーターに転がっていた。


「エ?エエエエエ⁈」


ヴァズギアの背後にはカゲルが立っていた。

ヴァズギアにぶちのめされたカゲルは消えている。


「なぜ⁈なぜだ!?か、影か⁈」


「御名答!精巧な影を作ってお前に殴らせた

言語までは再現出来なかったけどな、、。」


「チ、チクショウ!!いでぇ!いでえよ!!クソ!!

こうなりゃ奥の手だぁぁ!!

シャドウボクサーナオヤイノウエを!!」


ヴァズギアがシャドウをすると隻腕になったものの現代最強と謳われる男が、大男に乗り移った。


「もう、遅いよ、、。シッコクノツカイ!!」


カゲルは横薙ぎを放ったが、見事なスウェイバックでヴァズギアはそれを交わした。


「見える!!見えるぞおぉ!!これは当たりだぁぁ!!」


脳漿に打ち寄せるドーパミンを数えるように

ヴァズギアは吠えた。


2メートルをゆうに超える体躯にバンタム級世界統一王者のスピードとテクニックが備わった

それは、地上最強の生物と言えた。


「いくぜエエ、、カゲルゥゥ、、。」


ヴァズギアはカゲルをエレベーターのコーナーへ追い込んでいく。


「すごいよ、、ヴァズギア、、。こんな完璧な

ボクサー見たことない、、でも、、。」


その時すでに足元から飛び出した数百の黒刃に

よってヴァズギアは貫かれていた。


「ギャァァァァ!!!!!」


エレベーターの中を悲鳴が駆け回る。

それを見つめながら剣士は呟いた。


「あくまでスポーツの中の話さ、、。剣や銃、異能にはスポーツは敵わない、、。」


カゲルはボクシングの最適解をまじまじと見つめた後、祈るように首を切り落とした。















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