第29話 コクエンノライホウシャ

プシュゥゥゥウ


246系の口が空き、中から乗客達が新宿駅になだれ込んでいく。その中にファーゼノンを救った

勇者2人と一匹はいた。黒竜討伐成功はすでに

ワークスに報告されており、スラムの解放

さらにジングレイスによる新政権の誕生は

SNSでトレンド入りしていた。


「きたきた!!黒竜を倒した二人組だ!!」


駅は2人を待ち構えるマスコミ等関係者で

いっぱいになっていた。


ブラディとカゲルは丁寧に対応し、一時間以上の時間を費やし駅の外に出た。


「ひ、酷い目にあったね、、。」


「俺らは公的機関に属してるからな…。社会の信頼を得るために必要な仕事だ…。」


シャッターに焼かれ疲弊したカゲルにブラディは先輩面です答えた。


「お腹すいたのだ!ご飯食べたいのだぁ!!」


待たされたナナゴウの駄々が響く。


「まあ、まってろ…。ボスに連絡したら足るほど食わしてやる…。」


3人はアジトへ急いだ。



ウーーー!!

カンカンカン!!


サイレンの音が遠くに聞こえる。


「なんだ?火事かな?」


周りに異変の共有するカゲル


「みたいだな…。だがおかしい…。あの方向は…⁈もしや!!」


ブラディが颯の如く走り出した。

それに2人は続く。ブラディの語気から得られる

プロットはその物語を描くに十分の熱があった。


ゴォォォォォォオ!!


居酒屋みよが燃えている。火柱はガラスを突き破り軒を超えて屋根まで登っていた。


ブラディは近くの野次馬に怒鳴る。


「オイ!!どこが燃えたんだ!!?どうして燃えた!!!?」


鬼気迫る啖呵に野次馬は駄馬のようにゲートから声を出した。


「放火らしい、、」


「逃げ遅れは!⁈いねえのか!?」


「いねえみたいなことを消防がいってたのは

きいたよ、、。」


「ああ…。声荒げてすまなかったな…。」


駄馬からの聴取を終え、冷静さを取り戻した

ブラディはカゲル達の元に戻った。


「ボス達を探そう…。」


「うん、、。」


消防車の近くに消防士から聞き込みを受けているファビオとエレオアがいた。


「よお、、。ブラディ、、。お疲れだったな、、。」


「ボスこそ大変でしたね…。放火らしいじゃないですか…。」


「ああ、、。黒焔の野郎だ、、。直接俺らをやりに来た、、。ヴァズの野郎が弱らせたが腹いせにアジトを焼きやがった。あの野郎前より

強くなってやがった、、。それに、、。」


ファビオが表情を曇らせる。


「それに、なんですか…?」


「ヤツの能力は一つじゃないようだ、、。

炎以外にも雷らしき力で俺の重量操作を

邪魔しやがった、、。」


「複数持ちですか…。厄介ですね…。」


「お前らは今夜は休め、、。明朝黒焔の影帽子討伐対策会議が警視庁である、、。顔をだしてくれ、、。」


木と鉄が燃えた匂いは夜の闇に消えた影帽子

の宣戦布告のようにいつまでも彼らの鼻を突いていた。









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