第25話 リュウヲクラウケン

カゲルの剣が振り下ろされる。


ザクぅぅ!!!!


「、、、、、!!!」


5号が最後まで一言も発さずに崩れ落ちた。


更にカゲルは影を振りかざす。


ブシャゃぁぁぁぁ!!


「死ぬのめんどくせ〜。」


4号の首も落とされた。


黒竜の首は後4本になった。

1号、2号、3号、そして子供の7号、、。


「ぐそぉぉ!!ウイイイィ!目がぁ回るぅぅー!!」


1号は巨大な首を振り回したが空しく空を切るのみだった。


ドクンッドクンッ


カゲルの手先にある第二の心臓がBPM200越えのハードコアなビートで脈動した。


心臓は黒血球を踊らせながらカゲルに語りかける。


「竜の血ィくそ美味ええええええ!!!!溶ける!!脳みそ溶ける!!口にして直で脳にくる!!

もっと!!もっと喰わせろおおおお!!!


ハッ⁈

いけないいけない…。サトウカゲル、、。

その竜を倒せばシッコクノツカイはレベル4に

なります。ジュルウ、、。


すいません…よだれが…。私としたことが。

お下品お下品…❤︎」


ビッグマックを無理やり口に押し込まれた

新米ヴィーガンのようにツカイは興奮を抑えられずにいるようだった。



「竜の影って美味しいんだね、、。涎すごいよシッコクノツカイ、、。」


呆れるカゲルをよそに剣は刃先から乳黒色の液体を垂らし、甘美な金属音をたてていた。


「じゃあ、サクッといっちゃおうか…。」


ザン!!!!


「痛いのだぁぁ!!」


7号はスラムの広場に転がり落ちた。


「残されたのは、、俺たち3竜だけのようだな

、、。覚えてるか1号2号?駆け出しの竜だったころを、、。」


3号が感慨深げに言った。


「うるせえ!3号!お前は昔っからいけすかねーやつだった!」


2号は相変わらずだ。


「懐かしいな、、元々俺達は別々の竜だった、。」


「1号のニキまで!?どうしちゃったんすか?」


竜達は言葉で夜にクロニクルを貼り付け始めた。


「シャドウアースが生まれたころ、、同時に

俺たちが生まれた。俺たちは最後の一体になるまで殺しあうよう命じられた…。」


と1号


「懐かしいっすね、、。ディアボロの野郎が

強すぎて俺ら合体したんですもんね!」


2号が遠くを眺め言う


「僕らの連合軍、、百竜対ディアボロ、、

頂上戦争を制して見た上空からのシャドウアースは絶景でしたね、、。」


3号が呟く。


「勝ち残ったはいいがそこからゾロゾロ溢れ出した人間どもに追われてスラムなんぞに引っ込む始末だ、、。」


「シャドウワークスのファビオがヤバすぎるんすよ!能力が桁違い!重力操作なんてチートですよ!」


1号に2号が続いた。


「竜なんてアナログなものはこうやって廃れていくんだろうな、、。


オイ!!ガキイイイ!!シャドウアース最強の竜グロスディアスの首をくれてやる!!!」


ジャキン


カゲルは差し出された首の前に立った。


「安らかに眠れ、グロスディアス、、


とこしえの影の中で、、


シッコクノ!!!!!」



風が吹いた。それはスラムの街を駆け

思い出と約束の間に落とした夢の頬を濡らした。



















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