第5話 惑いと決断

夢を見ていた。俺がまだ幼い頃の夢。

幼い俺と美咲がうさぎ公園で遊んでいる。砂場で山を作って、鬼ごっこをして、狭い公園なのにかくれんぼもした。そして、最後美咲はこう言った。

「私、勇人と結婚する!」

「俺も!美咲をお嫁さんにする!」

そんなことを答えた記憶があった。そうだ。かの昔、俺と美咲は両思いだったんだな。なんでこんな時にこの記憶が呼び覚まされてしまったのだろうか。。


俺は目を覚ました。横になっているようだった。頭には柔らかいような、そんな感覚がする。これ、、膝枕か。この歳になるとなんだかドキドキしてしまうシュチュエーションである。

「ひぐっ…」

え、、?

美咲の泣き声がして咄嗟に寝たふりをした。

「私、遅かったんだ。ずっと、ずっと自分だけのものだと思って油断してたんだ。。嫌だ。勇人が他のところに行っちゃうなんて、、、嫌だよ。」

嘘だろ、美咲も俺のことを、、そう、思ってくれてたのかよ。。

「覚えてるかな?まだ私たちがちっちゃい頃、将来結婚する約束、たくさんしたよね。私はその時の気持ち、変わらないままだったんだよ?」

少し間を置くと、俺は寝たふりをやめて、ぬるっと起き上がった。

「あ、起きたんだ。」

美咲の目は赤かったが、あくまで平然を装っていた。

美咲はベンチから立ち上がって、

「まぁそーゆーことだからさ!良かったじゃん!私応援してるから!ね?だから、さ、上手くやってよ………えっ!?」

俺は気づいたら彼女の小さな背中に優しく抱きついていた。

「もう、強がらなくていい。俺はしっかり美咲の気持ち受け取ったよ。だからもう少し考えることにする。」

「………うん、、ありがとう。」

ありがとうはこっちのセリフだ。自分の気持ちよりも俺の気持ちを優先して、俺のために応援してくれた。そんな子の気持ちを俺は無視して加奈と付き合うことはできない。

「でも勇人、」

「ん?」

そこで一旦間を置いて、

「私にチャンス与えたって事は、これから、覚悟してよね?」

「は、はいっ!」

そしてニヤリと微笑むと

「もう、私のことしか考えられなくしてあげるから。」

俺の顔は真っ赤に染まっていた。この時の美咲は、ただの幼馴染じゃなく、魅力的で、少し大人の女の子に見えた。






こんにちは!作者のゆるるです!最近視聴率が上がって、星やいいねも増えてきていて感謝でしかないです!やっと物語が展開する節目となりました!これからも「三ヒロ」をよろしくお願いいたします!






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