α=君、β=僕のとき、|α|=|β|かつ|argα‐argβ|=πになりたいんだ。

 今回は複素数平面を使って告白していきたいと思います。


 まずは前提知識です。今回は数ⅢCの内容なので忘れている、または知らない方もいらっしゃると思うので簡単におさらいしていきます。


 1つ目は絶対値についてです。

 複素数の絶対値を取ると、複素数平面における原点からの距離になります。

 例えば2+3iの絶対値は√13になります。


 2つ目はargについてです。

 なかなか見慣れない方も多いかもしれませんが、「アーギュメント」とよみ、始線からの角度を表します。

 例えば、arg 3+3√3i=π/3 みたいな感じです。


 今回必要な前提知識はこれだけです。

 それでは、タイトルの告白がどういう意味になるのか見ていきましょう。


 まず前半部分、「α=君、β=僕のとき、|α|=|β|」


 これが意味しているのは、

「αとβは原点からの距離は等しい」

 ここから、

「αとβは同一円周上」

 ⇔「αとβは同じ円上で巡り会える」

 ⇔「αとβはわかりあえる」


 となります。

 次に、「|argα‐argβ|=π」の部分についてです。


 これが意味しているのは、「原点から見た、αとβのなす角度が πである。」

 原点は先程の円の中心であることを念頭に、これを変形していくと、

「αとβは原点について対称」

 ⇔「αとβは足し合わせると0」

 ⇔「αとβはお互いにマイナス部分を補い合っている。」

 ⇔「αとβはお互いに助け合っている。」



 よって以上の2つをまとめて、α=君、β=僕を代入すると、

「α=君、β=僕のとき、|α|=|β|かつ|argα‐argβ|=πになりたいんだ。」

 ⇔「僕は君とお互いに理解して、助け合いたいんだ。」


 比翼連理という言葉があります。

 この告白は原点について対称という点からも、この言葉を思い浮かべやすくなりますね。

 つまりこの告白は単なる告白ではなく、「ずっと幸せにいようね」という意味も込められているのです。

【Q.E.D】

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