「どうしてそこまで」その疑問を抱きながらも、今日も彼は窓口に座る。

舞台は生命維持睡眠技術、「冷凍睡眠(コールド・スリープ)」が現実のものとなった西暦二〇三七年。

主人公はとある市の役所にある、冷凍睡眠対応専門窓口の担当者です。

冷凍睡眠が現実のものとなれば、どんな問題が生じるか。
また、それを解決するには、どのような仕組みが必要か。

ここがしっかりと設定されている為、フィクションでありながら、この世界観は非常に現実的(リアル)です。

また、冷凍睡眠の利用者には、多額の費用や複雑な手続きが必要となり、根強い一部の偏見に悩まされることもあります。

どうして彼らは、そこまでして「生き延びたい」と願うのか。
主人公にはそれが分かりません。

どうして分からないのか。

是非最後まで読んでみて下さい。
きっとあなたは、またこの物語を読み返したくなるはずです。

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