第6話 一息つく

俺はアインの屋敷に来て固まる。

そこには宮殿とも呼べそうな豪華な屋敷が建っていた。

「さあマサキさん、何を入口で固まっているのですか?中へどうぞ。」

アインに案内され屋敷の中に入る。


「アイン様、ご無事で何よりにございます。」

「ああ、こちらのマサキさんに危ない所を助けて貰った。

セバス、私の命の恩人であり、終生の友であるマサキさんを丁重にもてなすように。」

「かしこまりました、第一客室を御用意させてもらいます。」

「当然だ、マサキさん今日はお疲れでしょう、部屋をすぐに用意しますのでゆっくりしてください。」

「アインさん、ありがとうございます。」

「なに、大した事はありませんよ。

私はこれから少しやることがありますので失礼させてもらいますが、ここを自宅だと思いご自由に過ごしてください。」

アインはそういうと執務室に向かっていった。


「マサキ様、どうぞこちらに。」

「あっ、ありがとうございます。」

一人のメイドが俺を部屋に案内してくれる。

「マサキ様、私共にお礼は不要にございます。」

「いや、何かしてもらってお礼を言わないのはどうかと・・・」

「メイドがお客様をもてなすのは当然の事にございます。」

メイドからは職務に対するポリシーのような物を感じる。


「わかりました、ですが名前ぐらい聞いても宜しいですか?」

「はい、私はメアリと申します。マサキ様の専属になるように仰せつかっておりますので何なりと御命じください。」

「メアリさん、よろしくお願いします。」

俺はなれない接待を受けながら部屋に向かうのであった。


一方、日本にいるハルカはマサキの身体を守る為にマサキの友人を訪ねていた。


「立花さん、相談があるのです!」

ハルカはマサキの友人であり、医者をしている立花ユウトに相談を持ちかける。

「ハルカちゃん、相談って何かな?」

「お兄ちゃんの事なんですけど・・・」

ハルカは夢で見た話を説明する、そしてマサキの今の状況もくわえてこのままでは親に殺されてしまうのでは無いかと涙ながらに語る。

「脳死状態と判断されているのか・・・

わかった、うちで面倒みようか。」

「いいんですか!」

「アイツを見捨てる気にはなれないしな。

こちらに転院出来るように手筈は整えておくよ。」

「ありがとうございます。

あっ、入院費は私が払います。」

「ハルカちゃんが払う?

高校生のハルカちゃんが払うには難しいだろ?

大丈夫、アイツの費用ぐらい俺が出してやるから、ハルカちゃんは無理しなくていいよ。」

「でも、ユウトさんのご迷惑になりますし、お兄ちゃんの貯金もあるんです、どうか払わせてください。」

「わかった、ただし如何わしい稼ぎ方をするようなら俺はそのお金を受け取らないからな。」

ユウトはマサキの為にとハルカが身体を売るような安直な稼ぎ方をすることを止める。

「わかりました、ちゃんと働いて稼ぎます。」

「学校を止めたりするのも駄目だぞ。

俺がマサキに怒られるからな。」

「そんな・・・」

ハルカは稼ぎ方を絞られ頭を悩ませるのであった・・・

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