好きを言い続けてｎ回目

一人でいると暗いことしか考えてしまう

熱は下がったが念の為に学校を休むことにした。

お母さんに渾身の土下座をして返してもらえた勉強道具を広げて勉強をしている。

疲れたらしっかり休憩がてらに計算問題飽きるまで永遠に解いてるし。(十分もせずに飽きて終わる)

愛しの隼人さんに会えないのが辛いが、外に出て風邪を移すのも悪いので我慢している。

すごくプルプルと時折隼人さんに会いたくて禁断症状が出るくらいに本当に我慢している。

「あー！隼人さんに会いたい！そんで御尊顔を拝みたい！冷たい目で見られたいー！」

家には仕事で親がいないのでこんなことを叫んで言ってドン引きされることは無いので安心して言うことが出来る。

平日だからね流石に外に出て知ってる人とかに会ってなんでお前休んだんに外出てるの？？

みたいなことになったら最悪だから外出れないね仕方ないね。

外に出れない分勉強を…と思ったが、やはり私も最近の若い子であるからしてリビングに単語帳を持って行ってテレビの電源を入れた。

今のお昼の時間は、お父さんの大好きなドロドロ三角関係が良いと近所のマダムたちがお話していたドラマがやっている。

高校生にはとてつもなく教育に悪いような気がするけど見ていて面白いので良しとする。

場面としては修羅場でヒロインの新妻が旦那の浮気現場を見てしまって問い詰めているところである。

最初は冷静だったヒロインはどんどん旦那の嘘がめくれていくにつれて泣きそうな声になるので、演技だと分かっていても本当にあったことのように見える。

こういうのを見ていると思うのだが、何故浮気をするのだろうか？

よく聞く言い訳は「寂しかった」「真実の愛を見つけた」などだけど、大金を払って式を挙げて愛を一応誓ったのになぁ…と思った。

これを見ていると結婚ってしない方が良いのでは？

そう思うと何故か急に私って面倒な思考の女だなって思って笑えてきた。

このテレビの中のヒロインのように感情的になる程の恋をしたいという憧れはないけれど、隼人さんと恋人になりたいという願いはある。

じゃあその先は？という話だが、考えたことがない。

「っ…ないない！隼人さんが私を好きなわけないよね！」

彼がもし私を好きなったとしたらそれは失礼かもしれないけど気の迷いか私の都合のいい夢に決まっている。

自分で言ってて泣きそうになるけど、しょうがない。

私に見せる笑顔はきっと妹みたいな存在に向けての笑顔だろうし、お店がお休みの時に会った寂しそうな目だって私が疲れていた時の幻覚だよきっとそうだよ。

私も大人にならないといけない。

一途な恋をする子供ではいけないのだ。

何回も好きって伝えても隼人さんは上手く流していつも私の心を焦らしてくる。

私はその度に焦りを覚えた。

私は高校を卒業するまでは隼人さんを好きでいることを決めた。

その限られた時間だけしか好きにならないと決めたからだろうか、私が彼に向ける恋心は一方的なものになったような気がする。

隼人さんが私を好きでいるはずがないそんなことあるわけない、宝くじで億単位のお金が貰えるくらいありえない確率だと思う。

「考えると頭痛くなってきた…」

家にいるだけなのにすごい疲れた。

私は英単語を覚えるのも面倒になってきたのでぼーっとテレビを観ることにした。