2-4.生き残り

2-4.生き残り


「ま、なるようにしかならないわね」

ルチアはため息をついた。


『しらみ潰しにするって手もあるね』

フラニーが冗談めかして言った。

『時間さえかければできなくはない』


『えー、めんどくせー』

ジェニファーは駄々っ子のように両手を振った。


『あまり時間を掛けすぎると、上が痺れを切らしてホントにミサイル撃ちかねないわ』

マーガレットが言った。

思案顔である。

「何か考えがある?」

『…ただの勘だけど、ゾンビどもが発生した原因を探って行けば対策がわかるかも』

マーガレットは答える。

現状、唯一の建設的な意見である。

「そうね、ここはマーガレットのいう通りかもしれないわね」

ルチアがうなずいた時だ。


ギッ


ドアが開いて、何者かが入ってきた。


「動くな!」

銃を構えた二人の男が素早く照準を着ける。


頭にバンダナを巻いた黒人。

ショットガンを構えている。


拳銃を構えた白人。

ヨレヨレのシャツに無精髭。


「な、なんだお前ら?!」

白人が叫んだ。

黒人は黙っているが、警戒と緊張が見てとれる。


マスクを着けて刃物を持った女が二人もいるのだから無理もない。

驚きで発砲されなかっただけマシかもしれなかった。


「訳のわからんカッコしやがって、コスプレか?」

白人が興奮気味に叫ぶ。


「……危害を加えるつもりはないわ」

ルチアはできるだけ穏やかに言った。

刺激して戦闘になっても、無駄に死体を増やすだけだ。

ここは話をして情報を入手する方が良い。

そんな判断だ。

「私たちは然るべき所轄に雇われてきたエージェントよ、この事態の収束のために来たわ」

「……なんだと?」

一瞬、白人の動きが止まるが、

「そんなもん、信じられるか!」

黒人は懐疑の眼差しを向ける。


既に生き残った人間同士の争いを経験してるのかもしれない。

おいそれと他人を信用しない様子である。

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