愛の裏側に潜むもの。

詩的な描写ながら一筋縄ではいかない肉親同士の複雑な想いを感じました。

出会いの形やタイミングが違えば、もしかしたら作中の彼らもこんな悲劇に遭わずに済んだかもしれないと思うと、そこはかとなく悲しく感じます。
人の縁や夫婦の契り、男女の愛というものは、しばしば人力の域を超え、思わぬ方向に舵を取ってしまうようです。

冬の寒さ、静かな雪、熱を失った人体――そういったものが醸し出す冷たさの中で、愛の裏側に潜んでいるものは何なのかを感じさせられたような気がします。

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