ヒロイン登場?

「は〜、マジでヤダ」


僕は言ってはなんだけど、結構頭はいい。

県で一位は取れるけど、全国なら十位くらい。


理由は、1回目の失恋の後に勉強に打ち込んでた時期があるからだ。

なんと、僕はその時期だけで、高校内容と、一部大学内容まで学習を進めていた。


失恋のショックって怖いね。


顔は……

文句があるなら父さんに言ってくれ。

てか、ラノベみたいに、イケメン、天才、完璧みたいな人ってそうそういないよ。


だって、勉強と運動は最悪どうにかなるけど、イケメンだけは無理なんだよ。

ま、おもむきがある顔だと思って欲しい。



僕がこれから通うのは県で1番頭がいい学校で、県内から多くの偉い子たちが集まる。


そうなると必然的に、登校時間が長くなってしまう生徒が出てくる。

そういう人のために学校には寮が併設されている。


じゃあ、僕はどうなのかって定員オーバーで入れませんでしたよ……クソ。

そのせいで、登校時間が約1時間半もかかってしまう。


ああ、そうこう言ってたら学校の最寄駅に到着した。

電車から学生と労働者達がゾロゾロ降りていく。


そして、最悪なことに反対方面の電車も停車して、そっちからも学生とサラリーマンが降りてくる。


この駅がなまじ大きい駅なだけあって、降りる人も多く、現在の状況を表現するのなら、渋谷のハロウィンとかみたいな感じ?


ん?


あそこに人の体で挟まれて、今にも潰れされそうな子がいるな。

身長が低いせいで、宙に浮いてるし。


あ、目があった。目をうるうるさせて助けを求めている。


しゃあない、見捨てるか。健闘を祈る。


人がはけて、自由に体を動かせるようになると、さっきの子が近づいてきた。

僕は目を逸らした。



「どうして助けてくれなかったんですか」


「そういう修行なのかなーと思ったからで」


「そんなわけないでしょ!」


「では、俺にあの時どうしろと?や、無理だろ。渋谷のハロウィン状態だったんだから」


「う〜(涙目)」


そして、駅から出た後はその子と話しながら学校までの道を歩いた。


名前は梶岡優里かじおかゆうりと言うらしい。見た目的に、身長は155センチくらい?


ちなみに男だ。


どっからどうみても男だから、男の娘ではないと思う。でも、女装は似合いそう。

これって、どうなんだろう?


そして、僕たちが道を歩いていると、


「コウくーん」


すごい懐かしい声が聞こえた。

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