終わりの章。〜シークルーの謎を〜

終わりの章、プロローグ

 始まりは終わった。スタートは切ったと言う意味で、だ。俺は、いつも挑戦の始まりを楽しんでいた。でも今回ばかりはとてもじゃないが楽しむことなんてできやしない。

 彼女は、窮地に立たされていた。彼女と出会い直した俺は、必ず彼女の道を開こうと考えていたんだ。

 絶対大丈夫なんて言えるはずもないと、そう思う人もいるかもしれない。でも俺は、満のおかげで前を向けた。彼女を真の意味で救えるのは俺たちしかいない! だからこそ、俺は挑戦を止めない。

 救えるかはわからない。それでも戦うことを選んだ。今までだってずっと戦ってきた。それが少し大きくなるだけだ。

 彼女のためにできることをしようと思ったのは、彼女が大切な人だからではない。俺にはちゃんと大切な恋人が、もう既にいる。それでも過去に関することだからこそ蔑ろには出来なかった。

 俺の過去は深く重い。俺の知らない事だって沢山あるんだ。彼女にしかわからないことが沢山ある。

 これは俺の試練であり、きっと世界の試練。誰もが挑まなければいけない事柄であり、誰もが命を賭して戦わなければいけない。

 なぁ、満。お前は、どうして俺の選択を正してくれるんだ? お前がいたから、きっと俺は間違わずに済んだ。

 この世界の真実と共に、泡のように消える前に、この世界を救いに行こう。

 それはあの人が望んだことであり、あの人にとっての人生で、あの人のただ一つの生きがい。

 永遠の命を得てまで望むやつなんか、きっと普通は居やしない。

 この場所で起きた全ての始まりを知り、俺は運命を受け入れた。もう後戻りなんて出来やしない。

 さぁ行こう。これを見た君が、世界の戦争を終わらせる準備が出来たなら。この世界の全ての戦争に終止符を打つために、真実を伝えに行こう。

 俺はきっと、この先も戦い続けるよ。終わりのない道であっても、仲間と彼女とあの人が望む平和を手にするために。

 失うのはやめにしようぜ! 守るために戦うのだから。そのためのこの試練なのだから。自分が鍛えてきた全てを使い、何もかも守ってみせる!

 これは、俺たちの物語。でも、きっと俺たち以外の誰かも戦っていると信じている。戦争という言葉にサヨナラを告げるために、未来を掴みとるために。

 もうスタートは切ったんだからあとは進むだけ。誰にも成し遂げられなかった奇跡をこの目に映すまで、逃げも隠れもしやしない。

「準備は出来たか? 行くぞ、お前ら!」

 俺たちの戦いは永遠に。

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