黒い三年生★

グリーナの住む森は比較的安全であった。

代々賢者が守る森として、魔物や征服者が躊躇していたからだ。しかし最近になり、大賢者シィムラがある子供にその職を譲り渡したと近隣では噂になっていた。

森の資源や小動物を狙い、最近魔物達が森の入り口まで多発するようになってきた。


ムジナとグリーナが深い森を抜けると、木々から光が射すはずれまでなんとか到着した。

「ヴゥゥヴゥゥ〜」

ムジナが引く荷車はクマの叫び声の方へ向かった。

「クマ、やばい。かなりヒットポイント削られてるぞ」

ムジナの荷車が急ブレーキでグリーナは野原に放り出された。

「いてて。何すんのよ」

グリーナが見上げる先に、汗だくで孤軍奮闘するクマの背中があった。

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

クマのターン

→【グリーナとムジナが仲間に加わった】

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

「あとは安心しろクマ。しかし、森の最強生物種族と言われるクマが苦戦するなんて、いったいどんな魔物なのよ」

「それが、、」とムジナは頭をかきながら指差す。

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

魔物のターン

→【クワガタはクマの鼻をはさんだ】

→【クマは2ポイントのマイナスダメージを受けた】

→【クマは涙目になった】

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

「ヴゥゥう!」

グリーナは「ん?」と人差し指を顎に当てて、口をつむぎ空を見上げた。

「クワガタ?んー。魔物、、」

しばらく首を傾げクワガタ達とムジナとクマを見た後、やれやれとため息をつきパーティーから背を向け森の方へ歩きだした。

「馬鹿!グリーナ、舐めてかかると大変なんだ」

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

ムジナのターン

→【くらえ、ムジナばーんち!痛っ痛てて】

→【ムジナパンチは指間の水掻きを挟まれる】

→【ムジナは転がるように、グリーナの後衛にまわった】

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

グリーナのターン

「ははぁん、わかったぞ。ドッキリなドッキリ」

→【グリーナは半目で微笑した】

→【グリーナは何もしなかった】

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

「グリーナな頼む!攻撃してくれ。すればこいつらのヤバさがわかる」


「やだよ。あんたらのふりから、3番目のわたしがなんか面白い事しなきゃなんないんだろ。3段落ちってやつ。たしかにわたしは最高のリアクションはとれる。しかしわたしの職業は遊び人じゃない、賢者グリーナである」


ー説明しようー

三段オチとはお笑い芸人の技術である。一回目、二回目と同じ事を積み重ね、最後の一言や行動でボケるもののこと。


「我々も舐められたようだな、では」

とクワガタ達がハサミをグリーナに向けた。


「こいつら黒い3年生と呼ばれていて、学校では

女子のスカートを切ったり、同級生の新品のスニーカーの靴紐を切ったり。マラソン大会のゴールの紐を一位が入る直前に切ったり、極悪非道な三兄弟なんだ」


「わたしじゃなく、先生呼んでこいよ」


クワガタ達は「先生呼ぶとか卑怯だよ!ずりーよ」と

グリーナに襲いかかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る